実際の事例から学ぶ、海外向けウェブサイト制作と多言語対応のポイント
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海外市場に向けたウェブサイト制作では、単なる翻訳や言語切り替えだけでは成果につながりません。
本記事では、実際の事例をもとに、海外向けウェブサイト制作と多言語対応で押さえるべきポイントを分かりやすく解説します。
海外向けウェブサイト制作の基本的な考え方
海外向けウェブサイト制作においては、言語だけでなく、ユーザーの行動特性や検索環境、情報の受け取られ方まで含めて設計することで、はじめて成果につながるサイトになります。
単なる翻訳対応では成果につながらない理由
海外向けサイトでよくある失敗が、日本語の文章や構成をそのまま翻訳して公開してしまうことです。
表現としては正しくても、現地ユーザーにとっては「分かりにくい」「魅力が伝わらない」ケースも多々。
国や地域によって、重視される情報の順序、訴求の強さ、判断スピードは大きく異なります。
翻訳対応にとどまらず、「誰に・何を・どう伝えるか」を現地目線で再設計することが不可欠です。
ウェブサイト公開後の集客まで見据えた設計が重要
海外向けウェブサイトでは、検索エンジンでの表示、SNSや広告からの流入、問い合わせや資料請求といった導線までを見据えた設計が必要になります。
海外市場向けのSEOやコンテンツ設計などの戦略を含め、公開後の集客からコンバージョンまでを前提に設計することが重要です。
海外向けウェブサイト制作における多言語対応
多言語対応は、海外向けウェブサイトにおいてユーザー体験と成果に直結する重要な要素です。
海外向けホームページで多言語対応が重要な理由
海外ユーザーの多くは、自身の母語または理解しやすい言語で情報を得られるサイトを好みます。
英語が通じる市場であっても、必ずしもすべてのユーザーが英語を第一言語としているわけではありません。
多言語対応を行うことで、情報の理解度が高まり、離脱率の低下やコンバージョン向上につながり、「歓迎されている」という安心感が生まれやすくなります。
国旗 vs 表記、言語オプションの表示方法

出典:JR-West
多言語サイトで悩みやすいのが、言語切り替えUIの設計です。「国旗アイコン」と「言語名表記」のどちらを採用すべきかは、海外向けサイト制作における代表的な論点といえます。
国旗は視覚的に分かりやすい一方で、必ずしも言語そのものを正確に表しているとは限りません。
言語名を文字で表記する方法は、誤解が生じにくく、より多くのユーザーにとって直感的な選択肢となります。
事例:Wikipediaの言語選択UI
Wikipediaでは、言語選択UIにおいて国旗を使用せず、言語名をアルファベット順に並べる方式を採用。
整理された言語配列は、ユーザーが目的の言語を素早く見つけやすく、操作性にも優れています。

出典:Wikipedia
海外向けホームページで国旗を言語切り替えに使用する場合は、以下の点に注意が必要です。
- 国旗は「国」を表すものであり、「言語」を正確に示すものではない
- 複数の公用語を持つ国が存在する
- 一つの言語が複数の国で使用されているケースが多い
- 国旗が小さい場合や、似たデザインの国旗がある場合、ユーザーが混乱する可能性がある
国旗のようなビジュアル要素は、一瞬で情報を伝えられるメリットがありますが、誤解や混乱を招くリスクも。
海外向けサイトでは、言語名表記のほうが安全で汎用性が高い傾向があります。
注意したい文章量とレイアウトの違い
海外向けウェブサイトでは、言語ごとに「読みやすい文章量」や「情報の配置」に違いがある点に注意が必要。
日本語サイトでは、詳細な説明や補足情報を段階的に提示する構成が好まれる傾向がありますが、海外では文章量が多すぎると要点が伝わりにくく、離脱につながるケースも少なくありません。
英語圏をはじめとする海外市場では、見出し・要点・結論を先に示し、短い文章で構成するレイアウトが好まれる傾向があります。
余白の取り方、情報のグルーピング、視線の流れなども含めて、言語や文化に合わせたレイアウト設計を行うことが重要です。
欧米市場で成果を出すLP(ランディングページ)のローカライズに関する記事もあわせて参考にしてください。
考慮すべき右から左に読む言語(RTL言語)への対応
海外向け多言語サイトを制作する際、特定の地域では右から左に読む言語(RTL言語)への対応が求められる場合があります。
アラビア語やヘブライ語などに代表されるRTL言語は、文字の流れだけでなく、UI全体の視覚的な方向性にも影響。
これらの言語に対応する場合、テキストの向きだけでなく、ナビゲーションやボタン配置、フォーム構造など、インターフェース全体を反転させる設計が基本となります。
事例:Facebookに見るRTL対応デザイン

出典:Facebook
Facebookでは、左から右に読む言語と、右から左に読む言語でUI全体を切り替えるデザインを採用。
日本語や英語では左から右へ視線が流れるレイアウトですが、アラビア語などのRTL言語では、ナビゲーションや入力欄、アイコン配置が左右反転されています。

出典:Facebook
文化的に「右から左に読む」ことに慣れているユーザーに対しては、それに即したUIを提供しなければなりません。
左右の向きを考慮しないまま左→右仕様のデザインを流用すると、読みづらさやストレスを感じさせてしまい、ユーザー体験を大きく損なう可能性も。視線の流れまで含めた設計が、体験と成果に影響します。
海外向けウェブサイト制作におけるローカライズとウェブデザイン
海外向けウェブサイトでは、言語だけでなくデザインやビジュアル表現そのものを現地に合わせて調整することが重要です。
文化や価値観によって異なる受け取られ方
海外市場では、同じ表現であっても国や地域によって意味合いや印象が大きく異なります。
日本では問題にならないデザインや演出が、海外では違和感を与えたり、場合によってはネガティブに受け取られることも。
「自社が伝えたい内容」だけでなく、現地ユーザーがどのように受け取るかを前提にしたデザインが必要です。
ビジュアルイメージがユーザーに与える影響
ビジュアルは、テキスト以上に感情や印象へ強く影響を与えます。
欧米諸国では自然に受け入れられるビジュアル表現が、他の国や地域ではタブーとされるケースも少なくありません。
ジェンダー表現、服装、身体の露出、家族やカップルの描写などは、国ごとの価値観や社会背景に大きく左右されます。
事例:MAYBELLINE New Yorkの国別ビジュアル表現
世界的な化粧品ブランドである MAYBELLINE New York では、販売国ごとにウェブサイト上のビジュアル表現を調整。

カナダ向けのホームページでは、多様性を意識したモデル写真が使われるなど、国ごとの文脈に合わせた表現が見られます。

日本向けのホームページでは、アジア系女性を中心としたビジュアルが採用されており、ターゲットユーザーに親近感を与える構成に。
同じ商品・同じブランドであっても、国や地域に合わせてビジュアルを最適化することで、ユーザーの共感を得やすくなります。
海外マーケティングとローカライズの関係
海外マーケティングにおいて、ウェブデザインはブランドの姿勢や理解度を示す重要な要素です。
現地の文化や価値観を無視したデザインは、意図せずブランドへの不信感を招くこともあります。
現地ユーザーの感覚に配慮したローカライズを行うことで、「自分たちのために設計されている」という安心感や共感を生み出すことが可能です。
海外向けウェブサイト制作では、マーケティング戦略と連動したローカライズ視点で、ビジュアルやデザイン全体を設計することが必要になります。
海外向けウェブサイト制作で重要となる海外向けSEOの考え方
海外向けウェブサイトに最適なデザインや言語対応を施すだけでなく、検索エンジン経由でユーザーに見つけてもらうSEO対策が欠かせません。
海外向けSEOと国内SEOの違い
海外向けのSEO対策の基本的な考え方は国内向けと共通していますが、前提条件が大きく異なります。
国内SEOでは、日本語・日本市場を前提に検索意図や競合を分析しますが、海外向けSEOでは言語・国・文化ごとに検索行動そのものが異なる点を考慮しなければなりません。
同じ商品やサービスであっても、以下のような点は国や地域によって大きく異なります。
- 検索されるキーワード
- 検索時に重視される情報(価格、実績、レビューなど)
- 比較・検討のスピード
日本語で成果が出ているキーワードをそのまま翻訳しても、海外では十分な検索需要がない、あるいは検索意図とズレてしまうケースが少なくありません。
言語・地域ごとに最適化する必要性
どの国・地域をターゲットにするのか、どの言語でどの検索ニーズに応えるのかを明確にしたうえで、ページ構成やコンテンツ内容を最適化する必要があります。
検索エンジンに対しても「どの言語・どの地域向けのページなのか」を正しく伝える設計が重要。
これが不十分だと、意図しない国の検索結果に表示されたり、評価が分散してしまったりする原因になります。
海外向けSEOを意識したサイト構造とは
海外向けSEOでは、サイト構造そのものが成果に直結。多言語・多地域対応のホームページでは、検索エンジンとユーザーの両方にとって分かりやすい構造を設計することが重要です。
具体的には、言語・地域ごとにページを明確に分ける、URL構造やナビゲーションを整理する
、各ページがどの市場向けか一目で分かる構成にする、といった点が求められます。ユーザー導線と検索評価の両立を前提に設計しましょう。
多言語サイトSEOのHreflangタグやJavaScriptの使い方に関する記事も合わせてチェックしてください。
海外向けウェブサイト制作は自社対応と外注、どちらを選ぶ?
グローバルな展開を目指すための海外向けウェブサイト制作では、「自社で対応するか」「外部に依頼するか」の判断が成果を左右。コストだけでなく、対応範囲と求める成果レベルで判断することが重要です。
自社で進める場合に向いているケース
自社対応が向いているのは、以下のような条件がそろっている場合です。
- 対応言語・対象国が限定的
- 社内に語学力・海外マーケティングの知見がある
- 既存サイトをベースに小規模な多言語対応を行いたい
- 更新頻度が高く、スピードを重視したい
社内で進めることで、意思決定や修正が早く、コストも抑えやすい点がメリット。市場理解が浅いと成果につながりにくい点には注意が必要です。
外部に依頼した方が良いケース
外注を検討すべきなのは、以下のようなケースです。
- 複数言語・複数地域への展開を予定している
- 海外向けSEOやローカライズ設計まで含めたい
- UI・UX、コンテンツ、集客まで一貫して設計したい
- 社内に海外市場の知見が十分にない
海外向けサイトでは、「翻訳+デザイン」だけでなく、市場理解・検索行動・文化への配慮が不可欠。
専門知識を持つ外部パートナーを活用することで、失敗リスクを抑えながら成果を出しやすくなります。
制作会社・支援サービスを選ぶ際のポイント
海外向けウェブサイト制作を外部に依頼する場合は、制作実績の多さだけで判断するのではなく、その会社が海外市場をどこまで理解しているかを見極めることが重要です。
対象国・地域の検索行動や消費者の価値観を踏まえた提案ができるかどうかが、大きな判断材料となります。
海外向けSEOやローカライズを前提としたサイト構造の設計に対応できるかも確認しておきたいポイント。
市場やターゲットに応じて、コンテンツ構成や訴求軸を柔軟に見直す姿勢がある制作会社や支援サービスであれば、長期的な海外展開においても心強いパートナーとなるでしょう。
ターゲットに応じた言語対応や設計で海外向けウェブサイトを成功へ
海外向けウェブサイトで成果を出すためには、単に言語を切り替えるだけでは不十分です。ターゲットとする国・地域に合わせた文章量やレイアウト、多言語対応のUI、ビジュアル表現、SEOの考え方など、細部の積み重ねがユーザー体験や信頼性に大きく影響します。
公開後の集客と改善まで見据え、翻訳ではなくローカライズ前提で再設計する姿勢が重要。現地ユーザーにとって「使いやすく、分かりやすい」ウェブサイトを構築することが、海外ビジネスを成功へと導く近道といえるでしょう。
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