日本の移民の現状とは?在日外国人向けビジネスのヒントも

日本への移民が年々増えていることをご存知でしょうか?実は日本は世界第4位の移民大国なのです。日本へ移住する外国人が増えているなかで、課題も多く存在します。本記事では、日本の移民の現状や日本に住む外国人が抱える悩み、また在日外国人向けビジネスのヒントをご紹介します。

  • 日本の移民について詳しく知りたい
  • 在日外国人向けビジネスを検討している
  • 日本に住む外国人の課題を解決したい
  • 海外ビジネスを展開させたい

上記に当てはまる方はぜひ参考にしてください。

移民とは

移民とは移住の理由や法的地位に関係なく、自らの意志で他国へ在留している人を指します。移民となる人は、

  • 今よりも良い環境で働きたい
  • もっと良い教育を受けたい

などの、ポジティブな理由で海外で生活することを決めた人が多いのが移民の特徴です。

一方、よく同義で用いられる「難民」とは、迫害や紛争など国際的な保護の必要性がある状況が理由で出身国から逃げた人のことを指します。移民と難民は同義として用いられることも多いですが、実は全く異なる意味を持つのです。

日本への移民は増え続けている

日本はGDP(国内総生産)世界3位の経済大国であり、治安も比較的安定していることから海外から移住を考える人が増えています。では、どれほど多くの外国人が日本に移住しているのでしょうか?ここでは日本の移民数や外国人労働者数を紹介します。

日本は世界第4位の移民大国

日本は世界第4位の移民大国

(出典:西日本新聞

経済協力開発機構(OECD)加盟国が調査した外国人移住者統計では、2015年度の日本への流入者が前年比約39万人と公表されました。これは第4位に該当し、日本は事実上の移民大国といえます。日本の移民数は年々上昇しているため、今後も増えていくと予測できます。

これだけ日本への移民が増えているなかで、日本政府は移民の存在を積極的に認めていません。移民にとって日本はメリットや魅力が多い国ですが、日本の行政にとって移民の受け入れは、未だ様々な障壁があり具体的な政策が行われていないのが実情です。

外国人労働者数

一方、外国人労働者に対しては2019年に特定技能制度を始めるなど、日本政府は積極的な取り組みを見せています。様々な政策により、日本で働く外国人労働者数は年々増加しています。以下は厚生労働省が令和3年10月に公表した、在留資格別外国人労働者数の推移を表したグラフです。

外国人労働者数

(出典:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)

令和3年10月時点での日本で働く外国人労働者数は約173万人であり、年々増加していることがわかります。

外国人雇用を検討している方は、外国人を雇用する魅力や注意点などについて詳しく解説しているこちらの記事もぜひ参考にしてください。

https://igni7e.jp/blog/explanation-hiring-foreigners

日本への移住者ランキング

日本への移住者ランキング

(出典:厚生労働省「国籍別外国人労働者の割合

国籍別に見ると、外国人労働者で最も多いのはベトナム(約45万人)であり、次いで2位が中国(約40万人)、3位がフィリピン(約19万人)と、アジアが多くの割合を占めています。

日本政府が外国人労働者を積極的に受け入れる背景には、日本の少子高齢化による労働力不足が挙げられます。国内の労働力が見込めないことで、日本政府は外国人労働者の受け入れを積極的に行うようになったのです。

外国人が困っていること

外国人労働者や移民が増えている一方で、日本での生活に問題を抱える外国人も少なくありません。日本に滞在する外国人はどのようなことに困っているのでしょうか?ここでは4つの問題をご紹介します。

文化や言語の違い

在住外国人が最も困っていることに必ず挙げられるのが、日本との文化や言語の違いです。日本語は多くの外国人にとって難しい言語のひとつ。ひらがな、カタカナ、漢字と、文字の種類が他の国よりも多いことや、地域によって方言があることが大きな理由でしょう。さらに敬語のような、日本ならではの文化に馴染めない外国人も少なくありません。

外国語で日本の情報を取得するのが難しい

日本人の英語力はアジアで最低レベルといわれています。世界最大の英語能力指数ランキング「EF EPI」での日本の英語力は、112か国・地域中第78位でした。能力レベルは5段階中4番目の「低い」と認定されています。

外国語で日本の情報を取得するのが難しい

(出典:EF EPI 第2021版「世界最大の英語能力指数ランキング」

多くの日本人が英語を苦手とするなかで、海外の人は外国語で日本の情報を取得するのが難しい現状があります。例えば最近では徐々に増えているものの、外国語メニューを置いている店舗や英語が話せるスタッフもまだまだ多いとはいえません。母国語が通じない環境で生活するのは想像以上の大変さがあるでしょう。

パワハラや職場の嫌がらせ

会社の環境や働き方に困っている外国人もいます。東京都産業労働局の調べによると、2022年には外国人から2,512件もの相談が寄せられたそうです。相談内容で最も多いのが、「退職(14.7%)」次に多いのが「賃金不払い(13.2%)」、「休業(9.2%)」と、いずれも雇用に関する悩みが寄せられています。(出典:東京都産業労働局 令和2年外国人労働相談

実際に2019年には、神奈川で悲しい事件が起こりました。神奈川県横浜市に事務所を構える行政書士事務所が、雇用しているフィリピン人労働者のパスポートや卒業証書を取り上げ、さらに数十万円もの賃金を未払いにした深刻な事件が起きたのです。

(出典:Yahoo!ニュース「早くパスポートを返してほしい」実質的「強制労働」が可能になるシステムとは

非常に残念ですが、このような被害の他にも長時間労働や不当解雇などの問題に苦しんでいる外国人労働者は数多く存在するのです。

賃貸契約が難しい

住宅に関して頭を抱えている外国人も少なくありません。外国人の賃貸契約が難しいとされている理由には、

  • 言葉が通じずコミュニケーションが取れない
  • 連帯保証人が立てづらい
  • 住まいのルールや文化に違いがある

などが挙げられます。

とくにある程度の日本語ができなければ、何かトラブルが起きた際に上手くコミュニケーションが取れないのではないかと不安に感じている大家さんが多いようです。

在日外国人向けビジネスのヒント

在日外国人向けビジネスのヒント

数多くの外国人労働者や移民が日本で暮らすなかで、外国人にとってデメリットもあり、まだまだ住みやすい環境が整っているとはいえないでしょう。ここでは在日外国人の助けにもなるような、ビジネスヒントをご紹介します。

コミュニティを活用する

2019年に観光庁が行った調査によると、外国人が出発前に得た旅行情報源で最も役に立ったものは「SNS(24.6%)」、次に多かったのが「個人のブログ(24.4%)」、3番目が「自国の親族・知人(19.6%)」でした。

(出典:観光庁 訪日外国人の消費動向

TwitterやInstagram、YouTubeなどのSNSや個人ブログなどを活用し、情報収集を行う外国人は多くいます。しかし、これらを集客ツールとするのは時間とコストもかかります。そこでおすすめなのが、比較的効果が早く出てコストもかからない口コミ対策です。コミュニティを活用した口コミ対策を積極的に活用することで、在日外国人だけでなく、インバウンド対策にもなります。

外国人目線に立つ

日本人にとっては当たり前の情報も、外国人にとってはそうでないケースが多くあります。在日外国人が見るメディアでは紹介されていなかったり、多言語に対応していなかったりするためです。そのため外国人がまだよく知らないサービスを外国人目線に立ってプロモーションすることで、利用率が大きく伸びる可能性があるといえるでしょう。

まだまだ外国人に知られていないサービスがあることを前提に、外国人が求めている情報を届けられればそこにビジネスチャンスが転がっているかもしれません。また外国人が知らない情報をわかるように発信することは、日本で困っている外国人の助けに繋がる可能性もあります。

多言語対応

どんなサービスにおいても、多言語対応は外国人が日本で快適に過ごすためには重要な要素のひとつ。店や施設ならメニューへの外国語表記や外国語対応が可能なスタッフの常駐が、ホームページやSNSでは適切な翻訳や表示言語を選べる機能の導入などが必要です。

外国人にとって、日本語は最も難しい言語のひとつといわれています。多言語対応をしていなければ、それだけで外国人に利用を避けられてしまうケースも少なくありません。まずは多言語対応を行うのが、在日外国人の心を掴むファーストステップといえるでしょう。

訪日観光客や在日外国人向けのサービスはまだまだ成長の余地がある

少子高齢化が進み近い将来働き手が減ることが予測されている日本で、外国人労働者は欠かせない存在です。今後も訪日観光客や在日外国人が増えていくなかで、まだまだ外国人向けのサービスは成長の余地があるといえるでしょう。

多くの訪日外国人の悩みは言語の壁です。まずは外国人向けの多言語サービスに目を向けてみませんか?グローバルビジネスの拡大における様々なサービスを行っているIGNITEでは、海外市場向けのマーケティングや多言語サービス、外国人雇用に関するサポートなどを実施しております。興味がある方は、ぜひお気軽にお問合せくださいませ。

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