LinkedInは、ビジネスに特化したソーシャルメディアプラットフォームとして世界中で利用されています。Facebookとは異なり、LinkedInはキャリアアップやビジネスパートナー探しが主な目的です。現在では、世界で10億人以上のユーザーが利用しており、日本でも今後さらに普及していくと期待されています。
参考元:Twitter超えのユーザー数を誇る「LinkedIn」とは? ビジネス特化型SNSで、何ができる?
そんなLinkedInにおいて、企業が存在感を示すためには、企業アカウントを作成して効果的に運用することが重要です。この記事では、LinkedInの企業アカウントについて詳しく解説し、作成方法や管理のポイントについてご紹介します。
LinkedInの企業アカウントとは?
LinkedInの企業アカウントは、アカウントというより「会社ページ」というものを作成することができ、会社のブランディングなどに非常に役立つツールです。
企業は、自社の製品やサービス、企業文化、求人情報などの情報を発信することができ、LinkedIn内で他のユーザーと繋がり、エンゲージメントを高めることで、潜在的な顧客や優秀な人材を獲得することが可能となります。
このように企業アカウントを通じて、企業はグローバルなビジネスネットワークに参加することで世界規模での企業の認知度向上とビジネスチャンスの拡大をすることができます。
LinkedInの企業アカウントを開設するメリット
LinkedInで企業アカウントを開設することで、日本だけではなく世界中のビジネスマンにリーチできる点や企業同士の繋がりから高品質なリードの獲得ができる点といった様々なメリットがあります。ここでは、その中でも特に重要な4つのメリットについて詳しく説明します。
グローバルなリーチが可能
LinkedInは、2024年5月では世界200以上の国と地域で約10億人を超えるユーザーに利用されており、日本国内のユーザー数は300万人以上(2023年8月時点)に達しています。
特に北米、ヨーロッパ、アジア、ラテンアメリカなどで広く利用されているため、日本企業はLinkedInを通じて海外市場へのアクセスが可能になります。グローバルなビジネスチャンスを探している企業にとって、LinkedInは非常に有効なプラットフォームと言えるでしょう。
参考元:About Us
ビジネスに関心あるユーザーが多い
LinkedInはビジネスに親和性の高いプラットフォームであり、より多くの購入決定者に企業やビジネスをアピールすることができる優れたソーシャルメディアです。
そしてユーザーは、ビジネスに関する目的を持っている人が多く、積極的に情報を収集しています。そのため、企業がLinkedInで情報発信することで、潜在的な顧客やパートナーとの繋がりを築くことができるのです。
結果としてLinkedInは、ビジネスに特化したプラットフォームとして企業にとって非常に価値のあるツールと言えるでしょう。
企業におけるキーパーソンとの繋がりを築くきっかけになる
LinkedInには、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツやイギリスのVirgin Groupの創業者リチャード・ブランソンといった多くの企業のキーパーソンが登録しており、ビジネスの意思決定に関わる重要な人物と直接繋がることができます。
その中で、企業アカウントを作成することで、これらの国内だけでなく海外のキーパーソンとも繋がりを築くきっかけになり、新たなビジネスチャンスを獲得できる可能性があります。また、キーパーソンとの接点を通じて、業界の最新トレンドや市場動向を把握することもできるでしょう。
高品質なリードの獲得が可能
LinkedInを利用するユーザーは、前述でも述べたようにビジネス意識が高く、企業にとって高品質なリードを獲得するためには絶好の機会と言えるでしょう。LinkedInを通じて自社の製品やサービスを効果的にアピールすることで、潜在顧客の関心を引き付け、ビジネスへの理解を深めてもらうことができます。
また、LikedInのユーザにはIT系やメディア、プロフェッショナルサービスといった様々な職業の人がいるため、広告機能を活用して業種や職種、関心事項などを基にターゲットを絞り込んだリード獲得が可能です。これにより、自社の製品やサービスに対して高い関心を持つ見込み客に効率的にリーチできる点でもLinkedInの魅力的だと言えます。
参考元:LinkedIn(リンクトイン)ユーザーはどのような属性が多い?独自に集計した結果を公開(2022年10月時点) - 株式会社フラグアウト(FLAGOUT,Inc.)
LinkedInのプランについて
LinkedInには、無料のBasicアカウントと有料のPremiumプランがあります。Premiumプランは、1ヶ月間無料で試すことができます。それでは、それぞれのプランについて詳しくご紹介します。
Basic(無料)アカウントについて
Basicアカウントは、LinkedInの基本的な機能を無料で利用できるプランです。具体的には、プロフィールの作成、繋がりの追加、メッセージの送受信、求人検索などが可能です。
また、企業ページの作成や投稿の公開も無料で行えます。ただし、一部の機能に制限があり、検索結果の表示件数やメッセージの送信件数などには上限があります。
Premiumプランについて
Premiumプランは、LinkedInの高度な機能を利用できる有料プランです。Basicアカウントの機能に加えて、以下のような機能が利用できます。
【Career】
キャリアアップを目指すユーザー向けのプランです。非公開の求人への応募や求人アラートの設定ができ、効率的に求人を探せます。応募状況の確認や無制限のプロフィール閲覧で就職活動を有利に進めることが出来ます。
【Business】
Businessプランは、ビジネス展開や営業活動を加速させるための強力なツールです。無制限のフルプロフィール閲覧により、潜在顧客の詳細な情報を入手できます。拡張検索機能を活用するとターゲットとなる企業や人物を効率的に見つけ出すことが可能です。さらに、リードリストの作成機能で有望な見込み客を管理し、効果的なアプローチを行えます。
【Sales Navigator Core】
営業担当者向けのSales Navigatorプランは、リードの検索・管理機能や詳細な見込み客情報の閲覧により、効率的な営業活動をサポートします。セールスインサイトの取得で的確なアプローチが可能となり、営業成果の向上に繋げることが出来ます。
【Recruiter Lite】
中小企業の採用を強力にサポートするRecruiter Liteプランは、高度な人材検索機能が特徴で、の自社に最適な人材を見つけ、InMailで直接アプローチに繋げることが出来ます。シンプルで使いやすく、求職者のプロフィール閲覧履歴や応募状況も把握でき、採用活動を効率に進めます。
Premium会社ページ
Premium会社ページは、企業の魅力を存分にアピールできるカスタマイズ性の高い企業ページを提供しています。特に動画コンテンツの埋め込みにより、求職者に臨場感のあるメッセージを届けることも出来ます。また、アナリティクス機能で求職者の行動を分析し、採用戦略の最適化も可能です。
LinkedInラーニング
参考元:LinkedIn Learning
LinkedIn Learningは、16,000以上のコースを提供するオンライン学習プラットフォームです。ビジネススキル、クリエイティブスキル、テクノロジースキルなどの幅広い分野の学習コンテンツを通じてスキルアップを支援します。各専門のエキスパートによる質の高い講座を自分のペースで学ぶことができるのも魅力の1つです。
LinkedInで企業アカウントを作成する方法
それでは、実際にLinkedInで企業アカウント(会社ページ)を作成するには、どのように行ったら良いのでしょうか。
ここからは、企業アカウントの作成手順をご紹介します。
1. 個人アカウントの作成
LinkedInの登録ページにて、本名を入力して個人情報の登録ページに移動します。そこで、個人プロフィールに必要な情報(勤務先、役職、業種、学歴、スキルなど)を登録していきます。
【個人アカウント:基本情報登録画面】
参考元:LinkedInアカウントを作成する - LinkedInのチュートリアル
その後、メールアドレスとパスワードを設定し、登録したメールアドレスに届く承認コードで承認手続きを行います。個人アカウント登録後に、顔写真やバックグラウンド画像などをカスタマイズしてより魅力的なアカウントにすることが可能です。
2. 企業アカウントの開設
個人アカウントでログインした状態で、ホーム画面右上の「ビジネス向け」アイコンをクリックし、表示されたメニューから「会社ページを作成」を選択します。
【企業アカウント:個人アカウントのホーム画面】
次に、会社の規模に応じて「スモールビジネス」または「中規模以上の企業」のいずれかを選択し、会社名、業種、従業員数、本社所在地などの基本情報を入力します。企業名を入力すると、自動的にページのURLに反映されますが、万が一、他の会社と被ってしまっている場合には変更が必要となります。
【企業アカウント:会社情報登録画面】
会社の事業内容や強み、企業文化などは、潜在的な顧客や求職者に対して会社の印象を左右する要素となるため、魅力的に伝えることが重要です。
また、会社ロゴやカバー画像をアップロードすることで、ビジュアル面でのアピールも可能です。ロゴは会社の顔となるため、認知度の高いデザインを使用しましょう。画像はjpg、jpeg、pngのフォームでアップロードが可能です。
【企業アカウント:ロゴアップロード】
最後に、入力した内容を確認画面でチェックし、問題がなければ「ページを作成」をクリックして完了です。
3. 企業ページの充実
スーパー管理者ビューやコンテンツ管理者ビューを使用してページを充実させます。
さらに業種や会社規模、組織の使命や目的を含む概要、写真、企業の取り組みなどの情報を正確に記載することで信憑性にも繋がり、読んでもらいやすくなります。
ウェブサイトURL、場所の追加、カスタムボタン設定(お問い合わせ、ウェブサイトに移動など)、ハッシュタグの追加などを行います。
【企業ページ:カスタムボタン設定画面】
企業ページのフォロワーを増やすため、社員やつながりにページをフォローするよう促します。
4. 企業情報の最適化
LinkedInで企業情報を正確に入力し、関連ページをフォローして投稿活動を開始していきます。特に、企業の取り組みや新製品・サービス、業界の動向、社員の声などを定期的に発信することで企業のプレゼンスを高められます。
フォロワーとのエンゲージメントを重視し、戦略的にLinkedInを活用することで、優秀な人材の獲得や企業ブランディングにも大きく貢献できるでしょう。
参考元:「会社ページの作り方 - LinkedIn」の動画チュートリアル
LinkedIn会社ページの管理ガイド
LinkedInの会社ページは、複数の管理者で運用されることが一般的です。管理者を追加する前に、適切な役割と権限を設定する必要があります。このセクションでは、管理者の追加手順についてや管理者の種類についてご紹介します。
管理者の追加手順
- ページの特権管理画面に移動し、左側のメニューで「設定」を選択します。
- 「管理者の管理」をクリックし、「保留中の管理者要」 セクションまでスクロールします。
- リクエストを行ったメンバーの名前の右側にある 「役割を割り当てる」ボタンをクリックします。
- 「割り当てるロールを選択」ドロップダウンをクリックし、「スーパー管理」、「コンテンツ管理者」、「キュレーター」、また「アナリスト」を選択後、管理者の追加ボタンをクリックします。
管理者の種類
LinkedInの会社ページには、スーパー管理者、コンテンツ管理者、編集者とアナリストの4つの種類があります。ここからは、それぞれの管理者についてご紹介します。
【スーパー管理者】
スーパー管理者は、ページを作成した人に自動的に割り当てられます。ページの全ての設定を変更することができ、他の管理者の追加・編集・削除も可能です。ページを適切に管理するために、少なくとも1人のスーパー管理者が必要とされています。
【コンテンツ管理者】
コンテンツ管理者は、ページの投稿を作成・編集・削除する権限を持っています。また、アナリティクスにアクセスし、ページのパフォーマンスを分析することができます。さらに、スポンサー投稿を作成し、ページの収益化に貢献することも可能です。
【編集者】
編集者は、ページの投稿を作成・編集する権限を持っています。また、アナリティクスを閲覧することができ、ページのパフォーマンスを把握することができます。ただし、投稿の削除やページ設定の変更はできません。
【アナリスト】
アナリストは、ページのアナリティクスを閲覧する権限を持っています。ページのパフォーマンスを分析し、改善点を提案することができます。ただし、投稿の作成・編集・削除やページ設定の変更はできません。
企業アカウント作成のポイントを抑えてLinkedInで企業の存在感を高めましょう
LinkedInの企業アカウントは、企業が世界中のユーザとのビジネスネットワークに参加し、ブランドを構築するために非常に有効なツールです。企業アカウントを開設することで、国際的なリーチやビジネスに関心のあるユーザーとの繋がり、キーパーソンとのネットワーク構築、高品質なリードの獲得などのメリットを享受できます。
企業アカウントの作成は、比較的簡単で個人アカウントから始められます。また、会社ページの管理は、複数の管理者で行うことが一般的で、そのためには適切な役割と権限の設定が重要となります。これらのポイントを押さえて、LinkedInの会社ページを生かして企業のブランド認知度向上、そして顧客獲得に生かしましょう。
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