海外進出時にサポートを依頼したい!サポート会社の選び方
海外進出を検討している企業にとって、現地でのサポート体制は欠かせません。しかし、数多くのサポート会社の中から自社にとって最適なパートナーを選ぶことも、また容易ではありません。そこで、本記事では、海外進出時にサポート会社を選ぶ際の重要なポイントを解説します。海外進出を成功に導くための、サポート会社選びのコツをぜひ参考にしてください。
海外進出の進め方とは
まずは、海外進出をすることを決定した後、どのような流れで進めていけば良いのでしょうか。簡単にまとめると以下のような手順で進めていくことがおすすめです。
- 海外市場に関するリサーチ
- ターゲット設定と計画作成
- パートナー選び
- 具体的な戦略起案(実施する内容も含む)
最初のステップでは、海外市場のリサーチが必要です。市場分析を行い、現地のビジネス環境や顧客の要望を理解しましょう。これにより、自社がその市場で事業を行う可能性を判断できます。
次に、ターゲット設定とビジネス計画の作成を行いましょう。特にターゲット設定はより詳細に決めることで、効果的な戦略起案にも繋がります。
その後、信頼性の高いパートナーを選び出します。自社の分野に精通したコンサルティング会社を選定することで、海外展開をスムーズに進めることができます。
戦略起案する際には、リスクを評価し、それに対する対策を講じることが成功への鍵となります。適切なコンサルティングと計画をベースとして進めることで、海外展開のリスクや問題を解決できます。
例えば、日本で事業展開しているベッドなどの寝具を扱う家具屋がアメリカへの進出を検討している場合、
- アメリカ人はどのような寝具を使用しているのか
- 寝具にかけるコスト
- 買い替える頻度
などの市場リサーチを行った上で、寝具にある程度のクオリティを求める層や買い替えることが多い世代などをターゲットと設定すると良いでしょう。そうすることで、より効果的にアプローチでき、購入に繋がる確率も上がる可能性があります。そのような背景からターゲット設定や戦略起案、適切なパートナーを選定することは重要だと言えます。
海外進出時にサポート会社へサポートを依頼するメリット
海外進出時にサポート会社へサポートを依頼することで、多くのメリットを享受できます。
まず、現地の市場知識や文化的理解、法規制の専門性など、海外ビジネスで成功するために必要な知見を得ることができます。これにより、自社単独で情報収集や分析を行うよりも、効率的かつ効果的に海外市場に参入できます。
例えば、上記であげた事例の場合、アメリカでの寝具販売を成功させるためには、アメリカ人の寝具に関する情報をまず知る必要があります。当然、日本語でリサーチしてもアメリカの現地の声は入ってこないため、英語でリサーチしなければなりません。なおかつ、アメリカでよく利用されている競合となる寝具を扱う会社をチェックし競合リサーチを行い、情報収集をするために適しているSNSやプラットフォームを活用しながら、リサーチすることがポイントとなります。
以上のようなプロセスを進めることは、日本のみで展開してきた企業にとって、言語を始めとした、いくつもの壁が発生します。そこで、英語対応しておりアメリカ文化やビジネスに精通しているサポート会社へサポートを依頼することで、正確な情報を効率良く得ることができるのです。
また、サポート会社は現地のネットワークを持っているため、パートナー企業や海外販売サイトの開拓にも役立ちます。さらに、サポート会社に業務の一部を委託することで、自社の時間と労力を節約し、コア業務に集中することができます。海外進出のリスクを最小限に抑えながら、ビジネスチャンスを最大化、そしてより早く成果を出したい場合はサポート会社のサポートは欠かせません。
海外進出時にサポート会社へサポート依頼をするデメリット
海外進出時にサポート会社へサポートを依頼する際には、いくつかのデメリットが発生することも考慮する必要があります。
まず、第一にサポート会社への委託料としてのコストが発生します。海外進出には多額の投資が必要となるため、コスト管理は重要な課題です。ただし、安価なサービスが必ずしも良いとは限りません。一方で、高価なサービスが常に優れているとも言えません。自社のニーズに合ったサービスを、適切なコストで提供してくれる会社を選ぶことが重要です。
他のデメリットとして、サポート会社に自社のビジネスモデルやプロジェクトの詳細を理解してもらうためには、時間と労力を費やすこともあるということがあげられます。頻回なコミュニケーションを維持し、プロジェクトの進捗状況を常に把握しておく必要があるでしょう。
さらに、サポート会社に過度に依存すると、自社の海外ビジネスに関する知見やノウハウが蓄積されにくくなる傾向があることも否定できません。長期的な視点で、自社の海外ビジネス能力を向上させるためには、サポート会社が行っている内容を把握し、自社でも活かせるように進めることがポイントです。
海外進出サポート会社の選び方
では、ここからは海外進出時にサポート会社選定のポイントとなる項目を具体的にご紹介します。
1. 事業理解と経験
- 業界知識: 自社の業界に精通しているか、同様の業界での成功事例があるかを確認する。
- 経験値: 対象とする市場での実績が豊富かどうかを確認する。
まず、サポート会社が自社の業界や事業について深く理解しているかを確認しましょう。同業界での成功事例があるかどうかも重要なポイントです。業界知識が豊富なサポート会社であれば、的確なアドバイスを得られる可能性が高くなります。
また、ターゲット国に関連する実績の有無も確認しましょう。現地での豊富な経験を持つサポート会社であれば、市場の特性や商習慣などを熟知しているはずです。
2. 提供サービスの範囲
- 包括的サポート: 市場調査、戦略起案、コンテンツ作成など、海外進出に必要なサービスをワンストップで提供しているかを確認する。
- カスタマイズ可能性: 自社のニーズに合わせてサービスをカスタマイズできる柔軟性があるかを確認する。
次に、サポート会社が提供するサービスの範囲を確認しましょう。海外進出には、市場調査、戦略策定、ウェブマーケティングの運用、人材確保、販路開拓など、多岐にわたる課題があります。これらの課題に対して、包括的なサポートを提供できる会社を選ぶことが重要です。
例えば、市場調査、戦略の起案までは行っているが、ウェブマーケティングの実施は異なる会社と提携を組んでいる場合、戦略を練ったあと、ウェブマーケティングの開始が遅くなったり、施策内容の思い違いなどが発生する可能性もあります。その点、ワンストップで行っている企業であれば、進行状況に透過性があり、問題が発生した場合も迅速に対応することが期待できます。
また、自社のニーズに合わせてサービスをカスタマイズできる柔軟性も重要なポイントです。画一的なサービスではなく、自社の状況に合わせたサポートを提供してくれる会社を選びましょう。
3. コミュニケーションとサポート体制
- 言語能力: 自社の母国語はもちろん、対象国の言語でのコミュニケーションが可能かを確認する。
- サポート体制: 現地でのサポート体制が整っているか、また、緊急時の対応能力があるかを確認する。
サポート会社とのコミュニケーションは、プロジェクトの成否を左右する重要な要素です。そのため、サポート会社の言語能力やサポート体制を確認することが大切です。まず、自社の母国語だけでなく、対象国の言語でもコミュニケーションが取れる会社を選ぶことがおすすめです。
しかし、実際には完璧に多言語を扱うサポート会社を見つけることは難しいです。そのため、自社がターゲットとする国の言語の対応がある程度でき、その他にもしっかりコミュニケーションを取ることができる会社なのか、真摯的な態度は見られるかどうかもポイントです。仮に言語的な面は優れていても、サポート体制に不備がある場合、海外進出を成功させることは難しいため、言語能力のみでなく、それ以外のポイントも判断基準に加えましょう。
また英語圏への海外進出を検討している場合は、英語にも種類があることを理解しておきましょう。つまり国により使用する英語は少し異なるということです。
例えば、アメリカではアメリカ英語、イギリスではイギリス英語が使用されます。さらに細かく分類わけすると、同じ北米でもアメリカで使われている英語とカナダで使われている英語は、言い回しや表現が少し違うこともあります。「炭酸飲料」という単語を翻訳する場合、アメリカでは”soda”、カナダでは”pop”、イギリスでは”fizzy”という単語が使用されます。その他にもスペルや単語が異なるものを以下の表にまとめました。
このように、英語ひとつを取っても、国や地域によってスペルや言い回しが異なるため、サポート会社それらを理解し対応できる能力があるかどうがも判断基準となります。
また、現地でのサポート体制が整っているかどうかも重要なポイントです。特に、緊急時の対応能力は欠かせません。問題が発生した際に、迅速かつ的確に対応してくれる会社を選ぶことが重要です。
▼海外向けの翻訳を行うポイントについて知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
https://igni7e.jp/blog/translation-for-overseas
4. 成功事例とクライアントの評価
- 実績: 成功事例や過去のクライアントからの評価を確認する。
- 透明性: 過去のプロジェクトの詳細や成果についてオープンにしているかをチェックする。
サポート会社の実績も重要なポイントです。過去の成功事例やクライアントからの評価を確認しましょう。成功事例を見ることで、サポート会社の能力や専門性を判断することができます。また、クライアントからの評価や口コミを見ることで、対応力やコミュニケーション能力を知ることができます。
ただし、成功事例やクライアントの評価だけでなく、過去のプロジェクトの詳細やプロセス、成果についても確認することが重要です。サポート会社が透明性を持ち、情報を開示しているかどうかも、選定の際の重要なポイントと言えるでしょう。
5. コストと契約条件
- コストパフォーマンス: 提供されるサービスの内容とコストのバランスを分析する。
- 契約の柔軟性: 契約条件が自社のニーズに合っているか、長期的なパートナーシップを築ける条件かを検討する。
サポート会社を選ぶ際は、コストと契約条件も重要な判断材料になり、提供されるサービスの内容とコストのバランスを見極めることが大切です。ただし、低コストだから良いというものではありません。コストが抑えられるからと、低価格の会社へ依頼した結果、ほとんど成果が出ず、利益が得られなかったという話もあります。
例えば、サポート会社Aは総額20万円でコンサルティングを依頼できるか、内容としてはマーケティング実施後の改善作業が含まれていない、一方、サポート会社Bは費用が100万円発生するものの、マーケティング実施後の改善作業も提供している、その2社にサポート依頼をしたと想定します。
その結果、初期費用がコストがかかるが、サポート体制がしっかりしているサポート会社Bのコンサルティングを受けた場合の方が、サポート会社Aと比較し1年後の利益が約100万円の得られる場合があります。これは例え話ですので、必ずこのような結果になるとは限りませんが、価格が安すぎる場合、落とし穴があることも稀ではありません。
しかし反対に、高い価格でサポート提供しているからと言って、必ずしも高品質なサービスを受けられるかどうかも分かりません。その見極めをするために、サポート会社の情報収集をした上で、しっかり検討することが重要となります。検討する際は、費用対効果を考慮し、長い目で見てどのくらいのコストを費やすか決定するようにしましょう。
また、契約条件も確認しましょう。自社のニーズに合った条件になっているか、長期的なパートナーシップを築ける条件になっているかを検討することが大切です。
6. 文化的適応性と柔軟性
- 文化的理解: 対象国の文化やビジネス慣習に対する深い理解があるかを確認する。
- 変化への対応: 市場や法規制の変化に柔軟に対応できる体制があるかを確認する。
ターゲット国の文化やビジネス慣習に対する深い理解は、プロジェクトの成功に欠かせません。現地の文化を理解し、それに適応できるサポート会社を選ぶことが重要です。また、市場や法規制の変化に柔軟に対応できる体制も必要となります。海外進出には様々な不確定要素がつきものです。それらの変化に迅速かつ的確に対応できるサポート会社を選ぶことが、プロジェクトの成功につながります。
利用できる行政からの支援について
海外進出を検討する企業は、行政機関からの支援を活用することで、リスクを軽減し、成功の可能性を高めることができます。
例えば、日本貿易振興機構(JETRO)は、世界中に展開し、幅広い支援を提供する日本最大の海外進出支援機関で、海外市場調査、現地法人設立支援、ビジネスマッチングなど、幅広いサービスを提供しています。「新輸出大国コンソーシアム」プログラムを通じて、企業は無料で海外展開のアドバイスや専門的なサポートを受けることが可能であり、政府の支援により、海外マーケット進出に必要なノウハウを無償で得られます。
その他にも、行政が提供している様々な海外進出支援にあります。それらの行政機関の支援策を有効に活用することで、海外進出に伴う初期コストを抑え、リスクを最小限に抑えることができます。また、行政機関が主催するセミナーや相談会に参加することで、海外ビジネスに関する知識やノウハウを習得することもできます。海外進出を検討する際には、これらの支援策を積極的に活用し、成功の可能性を高めていきましょう。
参考元:https://workshift-sol.com/lp/view/business_overseas_support
▼自社で海外進出を検討している方は、業種や自治体により、インバウンド補助金の対象になる場合があります。詳細について以下の記事で紹介しているので、ご覧ください。
https://igni7e.jp/blog/inbound-tourism-subsidy
まとめ:海外進出を成功させるなら、適切なサポート会社を選択しましょう
海外進出は、企業にとって大きなチャンスであると同時に、多くのリスクを伴う挑戦でもあります。新たな市場で成功するためには、現地の文化や習慣、法規制などに関する深い理解が不可欠です。また、現地のパートナー企業や販売チャネルの開拓、マーケティング戦略の立案など、多岐にわたる業務が必要となります。これらの課題を効果的に解決するために、海外進出のサポートを専門とする会社の力を借りることがポイントとなります。今回、ご紹介したポイントを参考に、自社に合うサポート会社を検討ください。
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