Youtubeを海外向けに翻訳するなら、まずは英語にするべき理由
YouTubeを海外向けに発信して、再生回数や収益性をアップさせたいと考える人が増えています。
いまやYouTubeは日本国民で見たことがない人はいないと言えるほど、見られている媒体となりました。テレビでもYouTubeの単語を聞かない日はありません。YouTuberは小学生のなりたい職業ランキング1位を獲得しました。若い世代ではテレビに出ている芸能人よりも、YouTuberの方が有名といったことも少なくありません。
これほどまでに日本で見られているYouTubeですが、なぜ海外向けに発信したと考える人がいるのでしょうか?
世界のYouTube市場は、日本の20倍もの市場がある
実は全世界に対して、日本でのYouTubeの視聴比率はわずか5.2%です。
もっとも多く見ているのはアメリカで、1日あたり15.6%。その次にインドの9.9%となっています。
引用元:https://www.alexa.com/siteinfo/youtube.com
つまり、日本のYouTubeは日本以外の94.8%にリーチできる可能性があります。
日本のYouTubeのユーザー数は毎年伸びていますが、それに伴いチャンネル数が増えています。芸能人や芸人、スポーツ選手など、すでに知名度がある人がこぞってYouTubeに参入したことで、可処分時間の奪い合いが起きています。
パイの奪い合い状態なので、再生回数や視聴数も過去と比べて伸び悩みがちなのは言うまでもありません。
引用元:https://thebridge.jp/2020/05/kamui-tracker-more-than-10000-youtube-channels-up-50-from-last-year
可処分時間とは、個人が自由に使える時間を指す。 所得のうち自由に使える金額を示す可処分所得の考え方を時間に当てはめたものだ。 具体的には、1日24時間のうち睡眠や食事、仕事(通勤)といった、生活に欠かせない時間を差し引いた残りの時間がこれに相当する。
そこで日本国内だけでなく、海外向けにYouTubeを発信する人が増えてきました。国内だけで戦ってもパイに限りがありますが、海外にYouTubeを発信するとまだまだ伸びる余地があります。
YouTube 海外向け
YouTube 翻訳
日本人YouTuberによる海外向けチャンネルの代表的なもの
代表的なチャンネルでいうと、JunsKitchenさんです。
引用元:https://www.youtube.com/channel/UCRxAgfYexGLlu1WHGIMUDqw
日本のコンテンツを海外向けに発信することで、再生回数を拡大。チャンネル登録者数も530万人となっています。
逆に、海外向けとはいえど、インド向けにYouTubeを発信していたKOHさんの事例を見てみましょう。
引用元:https://www.youtube.com/channel/UCmcf8go4k_ChyMve-9sORZQ
インド向けのチャンネルのYouTubeでは246万人もの登録者数がいるそうです。しかし、KOHさんはインド向けのYouTube動画を減らすと発表しました。日本で246万人の登録者といえば、上位1%にも入る規模のチャンネル登録者数です。
その撤退理由を収益性の低さと言っています。
引用元:https://twitter.com/kohei_tktk
ではなぜ同じ海外向けのYouTube動画なのに収益性が違うのでしょうか?
YouTubeの収益性は、視聴者の広告単価が左右する
そもそもYouTubeの広告は下記の図のように、
クリエイター、視聴者、広告主で成り立っています。
広告主が設定する価格で、クリエイターが作った動画に広告を出稿し、それを視聴者が閲覧することで成り立つビジネスモデルです。
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=WPR9PCoeqog
広告単価は以下の要因で決定されます。
- チャンネルに記載されている地理的な場所
- 視聴者の年齢
- YouTubeにおける業界
- 業界における季節性
- 動画に掲載される広告の種類
- 子供向けコンテンツ
- 動画の安全性について
YouTubeで流れる広告は、表示課金式のCPMで課金されています。CPMとは広告主が1,000回再生するごとに支払う金額のことです。
例えば、YouTube動画が10万回再生で、CPMが8.50ドルの場合、その動画の総収入は850ドルです。(100,000再生/CPM(1000回再生)xCPM単価8.50ドル)で
850ドルの収入から税金が差し引かれた分が着金します。
つまり、どこの国のどういう人が動画を視聴しているのかというのがCPMを決める重要な要素となります。
CPMは一人当たりGDPと相関関係にある
なぜ国によってCPMが違うのでしょうか?
その答えは一人当たりGDPです。どれだけ再生回数を稼ごうが、一人あたりGDPが低い国の再生の収益は低くなってしまいます。
YouTubeの仕組み上、広告主が広告を出稿する金額がCPMを左右します。
インドで高い広告費を支払う広告主にメリットはありません。適正な金額で広告出稿した結果、CPMが安くなり、結果的に広告収益も減少してしまうのです。
下図に平均CPMと一人当たりGDPを記載しました。正の相関が見られます。つまり、一人当たりGDPが高い国=CPMが高い国=1再生あたりの収益が高い、といえるでしょう。
そして国別のView数を足したグラフがこちらです。
アメリカは平均CPMも一人当たりGDPも高くなっています。
カナダとイギリスと日本が被ってしまって見辛いのですが、データで出すとこのようになっています。
CPM:https://blog.silvermouse.com.my/2019/09/countries-ranked-by-youtube-cpm-for-content-creators.html
一人当たりGDP:https://www.worldometers.info/gdp/gdp-per-capita/
人口:https://www.worldometers.info/world-population/population-by-country/
View数:https://backlinko.com/youtube-users
YouTubeにアクセスしている言語の66%が英語
アメリカやイギリスのYouTubeの閲覧数は多いですが、さらに注目すべきはYouTubeで使われている言語です。YouTubeにアクセスしている言語の内66%が英語と言われています。
英語圏であるアメリカやイギリス、カナダなどの国のView数を足しても66%には届きません。つまり、普段から英語に慣れ親しんでいるヨーロッパ圏やインド圏も英語で検索しているといってもいいでしょう。
EFの世界の英語力調査によると、青や濃緑の国々が第二言語でも英語を流暢に使いこなしています。さらに、ヨーロッパではほとんどの国が英語を使いこなします。
薄緑の国のインドやロシア、中国、韓国も英語をある程度使いこなしている国々です。
それらの国がYouTubeで英語を使って検索することもあるため、YouTubeで使用言語が英語であるというデータにも合点がいきます。
引用元:https://www.efjapan.co.jp/epi/
YouTubeの翻訳をするなら、まずは英語だけでいい
まとめると、YouTubeの翻訳をするなら、まずは英語への翻訳をしっかりすることが重要です。
理由は
- 英語圏はインターネット人口が多いので、再生回数を期待できるから
- 一人あたりGDPが高い国が多いので、広告収益を期待できるから
だからです。
翻訳といっても留意点があります。
- 短く翻訳する
- わかりやすくローカライズする
- YouTube SEOを意識する
- タイトル・説明文にキーワードを入れる
YouTube翻訳をするなら、まずはしっかり英語で翻訳しませんか?
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