Uber Eatsだけじゃない!アメリカの主要フードデリバリーアプリ4選

近年、日本でもフードデリバリーサービスが日常に定着し、多くの企業が市場に参入しています。特に都市部では、Uber Eatsや出前館といったアプリの利用が急増し、消費者のライフスタイルも変化してきています。こうした動きはアメリカでも同様で、フードデリバリー市場は急成長を続けており、企業間の競争も激しくなってきています。海外市場への進出やグローバルなマーケティング戦略を考える際に、フードデリバリー市場は各国のライフスタイルやデジタル消費傾向を映し出す重要な指標の一つです。そこで、本記事ではアメリカ市場における主要フードデリバリーアプリのランキングをご紹介します。このランキングを通じて、アメリカのフードデリバリー市場の最新のトレンドを知ることができます。海外マーケティング戦略のヒントを得るために、役立つ情報を提供しておりますので、ぜひご覧ください。
▼ランキング
2024年3月Statista調べ 市場シェアが高い順
- DoorDash
- Uber Eats
- Grubhub
- Postmates
1. DoorDash

出典:ttps://www.doordash.com/?srsltid=AfmBOorjVqwWpOCvxabV7yG8RFWwCQoNImR2aty5D1GhtWO45OCzDnvF
市場シェア67%(2024年3月時点)
基本情報
・設立:2013年
・本社:カリフォルニア州サンフランシスコ
現在アメリカで最も人気のあるデリバリーサービスの一つで市場シェアにおいて圧倒的なトップランナーです。DoorDashのサービス内容としては、最もよく知られているフードデリバリーの他に、Groceries(食料品)の配送やConvenience Store Items(日用品や簡単な食品)の配送にも対応しています。また、特定の地域ではアルコール類の配達も行なっています。圧倒的なシェアを誇るDoorDashは大きく4つの強みがあります。1つ目は、広い地域展開です。アメリカ国内で最も多くの都市にサービスを提供しており、50州以上に対応しています。2つ目は「DashPass」プログラムと呼ばれる月額料金サービスがあげられます。これは、月額料金を支払うことで、配達手数料が割引されるプログラムで頻繁に注文する顧客にとっては、大きなメリットと言えます。3つ目は、多様なパートナーシップです。DoorDashは、レストランの他にも、コンビニやスーパー、さらにはペットショップや映画館などとも連携し、配達品目の選択肢を広げています。小売業者や高級レストランとの提携に力を入れている点も、他と差別化されるポイントです。最後に4つ目は、他のデリバリーサービスに比べて迅速な配達を提供しており、配達員は近隣エリア内で素早く配送できるように最適化されています。注文後15〜30分で配達されることが多く、短時間で温かい料理を楽しむことができます。
2. Uber Eats

市場シェア23%(2024年3月時点)
基本情報
・運営会社:Uber Technologies,Inc
・設立:2014年
・本社:カリフォルニア州サンフランシスコ
最近は日本でも馴染みのあるUber Eatsですが、元々はライドシェアサービスUberの拡張サービスとして始まりました。Uber Eatsも単なるレストランの料理配送にとどまらず、食料品、日用品、アルコールの配送も行っています。WalmartやCostcoなどの大手スーパーと連携しており、食材・生活必需品の注文も可能です。このようにUber Eatsはアメリカでは、「フードデリバリーアプリ」から「総合デリバリーサービス」へと進化しています。Uber Eatsでも、「Eats Pass」という月額サブスクリプションサービスを提供しており、月額$9.99(日本円で1500円弱)で配達手数料が無料になる、特定のレストランで割引が受けられる、Uberのライドシェア割引も併用可能といった特典を受けることができます。特にライドシェアを利用するユーザーにとっては、Uber Eatsと合わせて使うことでお得感が増すため、都市部のユーザーに人気があります。1位のDoorDashが地方エリアを強化しているのに対し、Uber Eatsはニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴなどの大都市圏を重視しています。また、McDonald’s、Starbucksなどの大手チェーンと独占契約を結び、競争率を高めています。このようにDoorDashとの差別化を図りながら、シェアを拡大しています。
3. Grubhub

市場シェア8%(2024年3月時点)
基本情報
・設立:2004年
・本社:イリノイ州シカゴ
・親会社:Just Eat Takeaway
Grubhubは、上位2つのアプリに比べシェア率が低くはなっていますが、ニューヨークやシカゴなどの一部の都市では一定のシェアを維持しています。特定のエリアに強いのもGrubhabの特徴です。そのエリアの一つが、大学キャンパスです。多くの大学と提携し、学生向けのデリバリーサービスを展開しています。学食の注文や、大学周辺のレストランとの提携が強みです。学生は学食プランをGrubhub経由で利用が可能です。全米250以上の大学で利用されています。またランチタイムのオフィス街でも法人向けの食事デリバリーが充実しています。Uber EatsやDoorDashよりも職場での団体注文といった企業に特化したサービスも提供しています。Gurbhubは、レストラン側の手数料が比較的安いことも魅力です。他のフードデリバリーサービスの手数料が20~30%なのに対し、Grubhubは10~20%に抑えられている場合が多いです。そのため、個人経営や小規模レストランが利用しているケースが多いです。GrubHubも、サブスクリプションサービスを提供しています。GrubHub+(月額$9.99)では、$12以上の注文で配達手数料が無料、特定のレストランでの割引特典が受けられます。また、Amazonと提携しているため、Amazon Prime会員は無料でGrubHub+を利用することができます。
4. Postmates

出典:https://postmates.com/?ps=1
市場シェア2%(2024年3月時点)
基本情報
・設立:2011年
・本社:カリフォルニア州サンフランシスコ
・Uber Eatsに統合済み
Postmatesは、もともとDoorDashやGrubHubと競争していましたが、2020年にUber Eatsが買収し、2021年以降はほぼUber Eatsブランドに統合されました。買収前のPostmatesの特徴としては、他のデリバリーアプリと異なり、「なんでもデリバリー」を強みにしていました。他でもよくあるコンビニやスーパーマーケットの商品はもちろん、Apple StoreやH&Mとも提携し洋服や雑貨などの注文も可能でした。この、フードデリバリー+日用品・雑貨の宅配というスタイルが、他のサービスと差別化されていました。Postmatesは、2020年の7月にUberに$2.65B(約2,650億円)で買収されました。この買収には、DoorDashにシェアを奪われているUberがシェアを拡大する狙いがありました。また、Postmatesの「なんでもデリバリー」モデルを活用することでUber Eatsも単なるフードデリバリーではなく、総合デリバリーサービスへと進化しました。2024年時点で、Postmatesのブランドはほぼ消滅しています。アプリは一部地域で利用可能ですが、実質的にUber Eatsと同じとなっています。配達員もUber Eatsの配達員ネットワークに統合されました。現在は、Postmatesの名前で独立したサービスはほとんど存在せず、Uber Eatsの一部として運営されている状態です。現在でも2%のシェアがあり、完全に消滅していない理由としては、一部の都市ではPostmatesのアプリがまだ動いているケースがあるからです。既存のPostmatesユーザーがまだアプリを使い続けているため、市場シェアとして残っている可能性が高いです。今後は、Uber Eatsのブランドがさらに浸透することで、Postmatesのシェアはさらに縮小し、完全にUber Eatsに吸収される可能性が高いと言えます。
まとめ
アメリカのフードデリバリー市場は、地域特化型の戦略やパートナーシップによって競争が激しくなっている市場です。DoorDashの広域な展開や、Uber Eatsの都市戦略、Grubhubの大学特化などそれぞれの強みが異なります。この市場の動向は、海外進出を目指す企業にとって重要なヒントを与えます。どの市場でどのターゲットに向けて、どのような戦略をとるべきなのかを理解することが、成功のカギと言えます。弊社IGNITEでは、市場調査からターゲット分析など日本企業が海外へ進出するために必要な様々なサービスをワンストップで提供しています。「海外市場の最新動向を知りたい」「競争環境を把握し、戦略を立てたい」「海外進出に向けたマーケティング支援を受けたい」など、こうしたニーズがあり海外市場で成長を目指す企業様は、ぜひご相談ください。
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