アメリカで“働くロボット”が活躍するサービス業界5選【2025年版】

テクノロジーの進化は、私たちの日常生活に様々な影響をもたらしています。日本でも、料理を運ぶロボットを見かけたことがある人が多いのではないでしょうか。猫型の配膳ロボットが店内を動き回る姿に、最初は驚いたものの、今ではすっかり見慣れたという人も少なくないはずです。昔は人間が行っていた作業も、今ではロボットが代わりにこなしている場面も多くなりました。

こうした導入は、日本だけでなく、アメリカのサービス業でもどんどん進んでいます。ScienceDirectのウェブサイトによると、ソーシャルロボットは、旅行や観光、ホテル・飲食業、教育、医療、小売、エンタメなど、幅広い業界で活用が進んでおり、市場全体は2028年までに年平均32.4%のペースで成長すると予想されています。本記事では、Probotcorpの情報を元にアメリカでロボットが活躍しているサービス業に注目し、どのような場面で導入されているのかを、ランキング形式で紹介していきます。

▼ランキング

(ロボットを導入しているサービス業 Probotcorp参考)
1.ヘルスケア業界
2.飲食業界
3.物流業界
4.小売り業界
5.清掃業界

1.  ヘルスケア業界

Intelでは、医療現場に初めてロボットが導入されたのは1980年代であり、その時代は患者さんの手術をサポートするロボットアームが使用されていたと紹介されています。それから技術が進歩し、人工知能(AI)や画像認識、データ分析などが取り入れられることで、医療ロボットの活用は広がりを見せています。今では手術室だけでなく、病院の様々な場所でロボットが使われるようになり、医療スタッフの仕事を助けたり、患者さんへのサービスを向上させたりしています。

例の1つとして、AIを搭載したロボットは、患者の部屋を自動で掃除したり準備したり、薬を正確に届ける手助けをしたりします。また、人とコミュニケーションができるソーシャルロボットは、患者さんの心のケアをしたり、病院に来る人に道案内をすることもあります。こうしたロボットの働きによって、医師や看護師はより多くの時間を患者さんと向き合うことが可能に。研究所では、かつて手作業で行っていた単純作業を自動化することで、より重要な作業に集中できる環境作りができるようになっています。AdventHealthによると、 世界の医療用ロボット市場は、2025年までに127億ドルに達すると予測されています。2020年時点では、病院での導入が最も多く、市場の大きな割合を占めていました。1980年代に登場した当初はシンプルな機能に限られていましたが、医療用ロボットは現在、様々な医療の場面で手術や業務のサポートに活用されるまでに発展しています。

ヘルスケア業界で活躍するロボットには様々な種類があり、それぞれが異なる役割を持っています。たとえば、手術サポートロボットは、医師がより正確に手術できるように助けてくれるロボットで、関節の手術やお腹を大きく切らない手術などで使われています。リハビリ用ロボットは、外骨格のように体に装着して、麻痺や怪我からの回復をサポートする事が可能です。更に患者さんの動き方を記録したり、回復のようすをチェックすることもでき、サービスロボットは、スタッフの代わりに物品の補充やシーツの運搬、部屋の準備など、病院内でのくり返し作業をこなし、終わった作業を自動で報告する機能もあります。また、モバイルロボットのように決められたルートを移動して仕事をするロボットや、自律型ロボットのように医師が遠隔で操作できるロボットも使われています。

2. 飲食業界

Forbesのウェブサイトによると、利益率が低いとされる飲食業界では、コストを抑えて営業することが重要視されているため、現在ではテクノロジーやロボットの導入が進んでいると紹介されています。ロボットやAIシステムの導入には、1台あたりにかかるコストが高額であり、初期費用は大きな負担です。しかし長い目で見れば、業務の効率化や人件費の削減、そしてお客さんの満足度アップにつながると考え、ロボットに投資を決めているレストランも多くあります。特に、コロナ禍以降は多くの飲食店が人手不足で悩まされてきたため、ロボットの技術は人手が少なくても営業し続ける事ができる1つの手段として注目を集めています。

Food&Drink DIGITALの調査によると、実際にロボットの技術を活用している飲食店は数多く存在。具体例として、ドミノピザ、マクドナルド、Chick-fil-Aなどが挙げられます。ドミノピザは、ピザの無人配送でテクノロジーを導入。2019年に自動配送ロボットを開発するNuro社との提携を発表し、2021年には正式に公道でのロボット配送を開始しました。この配送には、米国運輸省の承認を受けた完全自律型ロボット「R2」が使用されています。

マクドナルドは、2023年時点で書かれたFood&Drink DIGITALによると、テキサス州で初のロボットレストランの試験運用を行っていると紹介されています。このテイクアウトおよびドライブスルー専門の店舗は完全に自動化されており、お客様の満足度の向上を目指す戦略の一環です。Chick-fil-Aは、2022年自律走行型配達ロボットのプロトタイプを発表しました。カリフォルニア州、テキサス州、フロリダ州の一部店舗にて、自律走行ロボットを活用した配達の実証実験を実施。将来的には、このテクノロジーの導入が、コストを抑えながら従業員の作業効率を高めると見込まれています。

3. 物流業界

物流業界では、ネット通販の拡大によりスムーズに商品をお客様に届ける事が非常に重要になっています。HowToRobotによると、新たな取り組みとして配達ロボットの導入による自動化が進められているといいます。配達ロボットとは、短距離で荷物を効率的に運ぶことを目的に開発された自律型のロボットのこと。ロボットの形や機能には様々あり、配達する場所や目的に合うように最適なタイプが選ばれます。車輪付きの地上型のロボットは、街中の道路や歩道を走行しながら商品をデリバリー。一方、ドローンのような空中型ロボットは、上空を飛行して目的地に荷物を運ぶことに適しています。こうした様々なタイプが存在することから、各企業がそれぞれの目的に適したものを導入することで、配送の効率化を目指す事ができます。

更に、最新のロボットには、GPSやセンサー、カメラ、AIといった最新の技術が使用されています。これらの技術を使って、ロボットは道を判断したり、走行を妨げる物にぶつからないように避けたりしながら、安全に荷物を届ける事が可能です。また、LIDAR(光による検知と距離の測定)やカメラの映像をもとに、周りの地図を作って動くことができるため、街中のような少し複雑な場所でも、決まったルートでも問題なく動くことができます。

配達ロボットのもたらす大きなメリットの1つは、効率の良さです。人間と違い、ロボットは24時間稼働することが可能なので、配達のスピードが上がり、1日に対応できる件数が増えます。それに加えて、配達ロボットを使用することで、車での配達が少なくなれば、街の中の交通の混雑も緩和。交通量が減り、道路がすいて動きやすくなるだけでなく、自然にも優しい環境作りの一歩に繋げることができます。

4. 小売り業界

テクノロジーの導入は、小売業界にも様々な変化をもたらしています。Realmanのウェブサイトによると、ロボットを使用することで、小さなお店から大手チェーン店まで、業務の自動化や効率化がこれまで以上に簡単にできるようになっていると紹介されています。主な内容は、商品の梱包やパレット積み、棚への補充や仕分けなど様々です。

小売業界で活躍するロボットには、先ほど紹介したもの以外にも、在庫管理ロボット、配達ロボット、店内ロボットなどがあります。在庫管理ロボットは、棚の商品を読み取ったり、在庫状況を記録したり、倉庫内の整理を行うロボット。正確な在庫把握が可能になることで、品切れや在庫過多といったリスクを抑え、在庫管理の効率化につながります。このロボットは、梱包や荷積みを行う他のロボットと連携して活用することもできます。配達ロボットは倉庫の中を動いたり、更にはお客様の元まで商品を届けたりする仕事を行うケースも増えていると紹介されており、こちらは、今後も成長することが期待されています。そして、店内ロボットは、まだ開発途中の技術ですが、店内で商品がどこにあるかを案内したり、その場で在庫を確認したりできます。たとえば、アメリカのホームセンターLowe'sでは、来店したお客様をサポートしながら、在庫の管理も同時に行うロボットが導入されています。

5. 清掃業界

ロボットの導入は、清掃業界にも拡大しています。Pioneerのウェブサイトによると、この業界での主なロボットの使用例は、床や窓の清掃、ごみ処理、消毒作業など。床や窓の清掃は、主に空港やショッピングモール、オフィス等で自律型の床洗浄機や掃除ロボットが活躍しており、人の手作業なしで、効率よく床を清掃してくれます。商業施設や工業施設では、AIを使用したロボットがごみの分別や管理を行う取り組みが行われています。消毒作業では、UV-Cライトや静電スプレーを活用する消毒ロボットが活用されており、病院や学校などの広範囲な公共スペースを短い時間で消毒し、ウイルスや菌が拡散されることを防ぐ役割を担っています。

清掃業界でのロボットの導入でもたらされる効果は、効率の向上、環境への配慮、安全性の確保が挙げられます。効率の向上としては、単純な作業をロボットに任せることで人間はより複雑な作業に取り掛かれるという利点があります。また、多くの清掃ロボットが水や洗剤を節約できる設計になっているという点から、環境にあまり負担をかけない運用が可能に。危険な作業現場での清掃活動をロボットに代わりにしてもらうことで、作業する人の活動エリアが安全に保たれます。

まとめ

今回は、アメリカでロボットを導入しているサービス業ランキングを紹介しましたが、いかがでしたか?テクノロジーの進化により、アメリカのサービス業では業務の効率化や人手不足の解消、安全性の向上など、様々な面でロボットの活用が広がっています。今回の記事で紹介した身近な業界5つでも、ロボットがあたりまえのように働く時代が近づいている事から、今後もロボットの活躍はますます広がっていくのではないかと考えられます。

テクノロジーの導入で効果的な結果を得るためには、それぞれ自社の特性にあったものを選らぶ事が非常に重要です。より専門的な意見のためコンサルティングが必要な方は、是非弊社IGNITEにご相談ください。

この記事を監修した人
Erika S
コンテンツクリエイター
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