海外進出している日本企業から学ぶ!海外ビジネス成功のポイント

海外進出している日本企業から学ぶ!海外ビジネス成功のポイント

現在、日系企業の多くは中国、アメリカ、タイを中心に約138カ国へビジネスを展開しています。グローバル化が進む中で、国内市場のみならず、海外でのビジネス展開が企業の成長戦略として欠かせなくなっていることが分かります。

日本企業の現地法人が多い国ランキング
参考元:日本企業が進出している「国・地域」ランキング ベトナムへの進出が増加、中国は伸び悩む

海外進出にはメリットも多くありますが、もちろんリスクも伴うため、こうした他社の海外進出の経験か成功の秘訣や失敗事例をもとに、自社にあったビジネス戦略を気づいていくことが重要となります。

そこで、今回の記事では、海外進出で成功を収めている日本企業の事例や海外でビジネスを成功させるためのポイントについて解説します。

海外進出した日本企業

ジェトロが発表した「2023年度の海外進出日系企業実態調査」によると、83カ国へ約18,726社もの日系企業がビジネスを展開しています。今後の見通しでは、ブラジルやインド、ベトナムでは自動車事業や売り上げが増加傾向にある一方で、中国や香港では需要の減少等により、事業の縮小などが予測されています。

2023年の海外進出日系企業調査結果
参考元:海外進出日系企業実態調査|全世界編

それでは、具体的に海外進出に成功した日本企業の事例をみていきましょう。

ビューテック株式会社

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参考元:海外事業展開

ビューテック株式会社は、高品質な美容機器の製造・販売で知られる企業です。海外現地法人は、20社ほど開設し、主にアメリカやカナダ、中南米、アジアを中心に展開しています。

1986年にアメリカのケンタッキー州へ展開し、現地のトヨタ自動車向けに、ドアガラスやサンルーフの販売を始めました。早くから海外市場の可能性に着目し、現地のニーズに合わせた製品開発ときめ細やかなアフターサービスを武器に世界中で高い評価を得ています。

また、海外拠点は本社と連携しつつ自立的に事業を推進し、事業機会の発見や新事業創出の機能を担っています。こうした適切な役割分担と連携、そして海外経験豊富な経営陣の現場感覚と理解の高さがビューテックの海外事業成功の要因と考えられます。

ダイキン工業株式会社

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参考元:Daikin

空調機器で世界的なシェアを誇るダイキン工業は、海外展開の成功例として知られています。具体的には「市場最寄化戦略」と称して、ターゲットにあった製品機能や電力消費、価格のローカライズを行っています。こうした取り組みから、顧客のニーズに迅速かつ柔軟に対応できていると言えます。

また、現地で生産から提供を行うなど、SDGsなどの環境問題へも積極的に取り組み「サステナブル社会」を目指して、地域に根差したマーケティング活動を展開しています。ダイキン工業はこうした取り組みにより、世界各地で高いブランド力と市場シェアを獲得しています。

パナソニック ホールディングス株式会社

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参考元:Panasonic Holdings Corporation

パナソニックは、家電分野で1959年からグローバル展開を進めてきた企業の一つです。パナソニックホールディングスの強みは、現地のニーズを的確に捉えた製品開発力とブランド戦略にあります。2023年に行われた「Best Global Brands 2023」では、90位とブランドのイメージも年々上昇傾向にあります。

また、地域に合わせた戦略の展開しており、インドへ進出した際には、資源の調達を現地の事業に譲渡し、現地の生活様式に合わせて商品やサービスも現地化するといったように地域への適応力に長けていると言えます。

海外でビジネスを成功させるポイント

海外でのビジネス展開を成功させるには、いくつかのポイントが必要となります。日本国内とは異なった、商品やサービスの需要や戦略、文化や価値観の異なるターゲットへのアプローチなど配慮する点は数多く存在します。現代では、ウェブを活用し情報を発信していくことも重要です。

ここでは、そんな海外向けビジネスにおける成功させるために必要なポイントを一気にご紹介します。

1. 海外進出に向いているのか自社製品・サービスについて分析

海外進出の成否を分ける重要な要素の一つが、自社の製品やサービスが現地の市場ニーズに合致しているかどうかです。競合他社との差別化ポイントを明確にしながら、自社の強みを生かせる市場を見極めることが肝要です。

例えば、洗濯機を例に出します。日本では、お風呂の残り湯用のホースがついていたり、自分流やドライ、ソフト、お急ぎなどができるボタンが沢山あります。一方で、アメリカでは基本的にシャワー文化のため洗濯機の水は蛇口から直接ですが、その代わりにお湯の温度が調節できたり、ボタンは5つ程しかなくとてもシンプルです。

【アメリカ版】

アメリカ向け洗濯機
参考元:https://americanfood-info.com/washing-machine/

【日本版】

日本向け洗濯機
参考元:https://resources.realestate.co.jp/ja/living/how-to-use-a-japanese-washing-machine

このように、文化や生活スタイルが違うことから、いくら品質の良い日本の製品でも需要に当てはまらない場合があるため、注意する必要があります。

2. 具体的な戦略を起案

海外市場に進出する際には、現地の文化や消費者の嗜好を深く理解し、それらを考慮に入れたマーケティング戦略を立案することが非常に重要です。

現地の市場環境や競合他社の動向を踏まえた上で、自社の強みを活かした差別化戦略を打ち出すことが求められます。現地の競合社が50ドルで販売しているものを100ドルで売り出しても、見合った価値が生み出せなければ顧客に手に取ってもらえません。

価格設定においては、現地の所得水準や購買力、競合製品の価格帯などを考慮しながら、最適な価格ポジショニングを決定する必要があります。

3. 詳細なターゲット設定

製品やサービスを購入してもらいたい顧客層を具体的に特定し、ターゲットを絞り込むことが求められます。ペルソナをいくつか作成するなど、ターゲット像を明確にすることで効果的なアプローチが可能になります。

具体的には、30〜40代の韓国人女性、職業は飲食業、趣味は写真を撮るなど、その他には現在どのような環境で生活していて、どのような悩みを持っているか、というように想像力を膨らませ、より詳細なターゲット像を設定します。こうすることで、効果的な戦略起案やアプローチ方法を導くことに繋がります。

例えば、そのターゲット像に商品を購入してもらうために、SNSマーケティングを行うことになった場合、その年齢層の人が多く使用しているKakaoTalkやYoutube、Facebook、Instagramなどを候補としてあげることができます。、その結果、写真を載せることができるInstagramでユーザーにアプローチする、という案を選択することができます。

このように、詳細なターゲット設定をすることで、顧客理解を深めることができ、ターゲットに合わせた最適なアプローチを行うことが可能になります。

4. ローカライズを徹底する

言語の壁を越えるだけでなく、現地の文化や慣習に配慮することが、ローカライズには欠かせません。ウェブサイトの現地語化では、単なる直訳ではなく、文化的なニュアンスまで汲み取った表現が求められます。価格や数値、サイズの表記も国によって異なります。

国別の洋服のサイズの表記の違い

可能であれば、対象国の言語のネイティブにチェックを依頼することをお勧めします。例えば、日本語でいう「椅子」は、英語で「armchair」、「bench」、「stool」、「couch」のように表現が出来ます。これらの違いを、全てを理解することやニュアンスを汲み取ることはとても難しいことです。プロに依頼することで、正確にローカライズすることができるでしょう。

5. ウェブマーケティングを活用する

今や、ウェブマーケティングは海外向けに発信するためのに欠かせない戦略です。現地の人々がよく利用するSNSの活用や、SEO対策、コンテンツマーケティングの実践など、オンラインの力を最大限活用することが重要です。

現在は、世界で最も使用されているSNSプラットフォームはFacebook、そしてYoutube、WhatsAppと続いています。日本と比べても異なるため、しっかりリサーチをしてから取り組むことが大切です。

世界で人気のSNSランキング

6. 他企業の事例を分析する

前述で挙げているような海外進出で成功を収めている企業の事例は、自社の参考になるはずです。

市場調査方法や参入方式の選択、製品やサービスのローカライズ戦略、現地の法規制や商習慣への対応方法、人材採用や組織体制、マーケティングの構築方法といったこれらの観点から先行企業の事例を分析し、自社の強みや弱みを踏まえて、自社に適した海外進出戦略を策定することが重要です。

また、先行企業の成功事例だけでなく、失敗事例からも学べることが多くあります。そのため、こういった他社の海外進出した記録や結果、そのプロセスなどを分析して、良い点や改善点をもとに自社に合わせた最適な戦略を考えると良いでしょう。

まとめ:海外進出し成功している日本企業からノウハウを学びましょう

海外でビジネス展開を成功させるには、ターゲット国の文化や習慣、ニーズを深く理解し、それに合わせた製品やサービスを提供することが重要となります。詳細なターゲット設定を行い、自社の強みを生かしつつ、現地の声に耳を傾けたフィードバックを取り入れながら継続的な改善を図ることが成功への鍵となります。

また、何度も現地市場の動向やターゲット層の嗜好を詳細に分析し、効果的なマーケティング戦略を立案、そして実行することも欠かせません。SNSを活用したウェブマーケティングや、そのローカライズも忘れないようにしましょう。

海外進出はリスクを伴う一方で、大きなチャンスでもあります。こうした他社の海外進出の事例から学び、自社の強みを最大限に生かしながら、現地の市場特性を的確に捉えた戦略で海外ビジネスを成功に導きましょう。

この記事を監修した人
Daisuke K
マーケター、CMO
2021年にCMOとしてIGNITEのへの参加を果たした。以前からマーケティング業界での勤務経験を有し、IGNITEでは海外市場向けのマーケティング戦略を展開している。あらゆる国や地域からの、BtoB、BtoC案件を総監し、海外進出を検討する日本国内の企業から、日本への参入を希望する海外企業までのサポートを行っている。
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