日本といえば?アメリカのZ世代が「日本でやってみたい」体験 5選

Z世代、すなわち1990年代後半から2010年代初頭に生まれた若者たちは、デジタルネイティブとして育ちながらも、リアルな体験や異文化への関心を強く持つ世代です。SNSやYouTubeなどの動画プラットフォームを通じて、日常的に世界中の文化に触れてきた彼らにとって、日本はとくに魅力的な存在となっています。アニメやマンガ、ファッション、グルメ、さらには伝統文化に至るまで、日本文化は彼らの日常に深く入り込み、「いつか日本を訪れてみたい」と思う若者も少なくありません。

しかし、彼らが日本で求めるものは、単なる観光地巡りではありません。むしろ「その場でしかできない体験」や「SNSで発信したくなる特別な瞬間」、「日本ならではの空気感」を重視する傾向があります。コンビニのおにぎりを食べる、温泉に浸かる、原宿で最新のファッションを体験する、京都で着物を着て散策するといった、日常と非日常が交錯するような体験に大きな魅力を感じているのです。

この記事では、旅行者向けサービスを手掛けるBounce の公式ブログ「The 2024 Gen‑Z Travel Index」、日本政府観光局(JNTO)による公式観光情報サイト「japan.travel」を参考に、アメリカのZ世代が日本に対してどのような憧れを抱いているのか、実際の体験例をあげながらランキング形式で紹介していきます。ぜひご覧ください。

▼ランキング

  1. アニメとマンガの聖地巡礼
  2. 伝統文化の体験
  3. 自然との触れ合い
  4. 現地の人々との交流
  5. 最新テクノロジーの体験

1.アニメとマンガの聖地巡礼

出典:ドラゴンボールオフィシャルサイト

アメリカのZ世代にとって、日本といえばまず思い浮かぶのがアニメとマンガの世界です。子どもの頃から『ドラゴンボール』や『ナルト』、『進撃の巨人』などの作品に親しみ、成長とともに『君の名は。』や『鬼滅の刃』といった感情豊かな作品に感動してきた世代にとって、アニメやマンガは単なる娯楽ではなく、人生の一部とも言える存在。そのため、彼らにとって日本を訪れることは「物語の舞台に自分自身が入り込む」ような体験であり、夢でもあります。

東京・秋葉原はその代表格。アニメショップ、メイドカフェ、フィギュア専門店が立ち並び、歩くだけでアニメの世界に入り込んだような感覚が味わえます。また、アニメ『ラブライブ!』や『STEINS;GATE』の舞台にもなっており、日本人と同じように実際のロケ地を訪れる「聖地巡礼」を楽しむファンも多くいます。さらに、地方にも多くの聖地が存在します。長野県諏訪市は『君の名は。』のモデル地とされ、映画の場面と重ねながら風景を楽しむ観光客が後を絶ちません。

Z世代はSNSとの親和性が高く、こうした巡礼体験を写真や動画で発信することで、同じ趣味を持つ人々とのつながりを楽しむ傾向もあります。単に「見る」「訪れる」だけでなく、「共感を共有する」ことが旅の目的に。アニメとマンガの聖地巡礼は、日本文化の魅力を深く味わえると同時に、個々の感情や記憶に寄り添った旅のスタイルと言えるでしょう。

2.伝統文化の体験

出典:日本遺産ポータルサイト

アメリカのZ世代にとって、日本の伝統文化はどこか神秘的で美しく、「本物に触れてみたい」と強く憧れる対象。グローバル化が進み、あらゆる文化がSNSや動画で手軽に視聴できる時代だからこそ、リアルな体験に価値を見出すZ世代は、実際に日本を訪れて「日本らしさ」を肌で感じたいと考えています。

茶道はその最たる例です。一つ一つの所作に意味が込められた茶道の体験は、「静けさの中にある美」を実感できる貴重な機会。スマホを置き、集中して一杯のお茶を点てる時間は、忙しい日常では得られない心のリセットのようなものです。他にも、書道、和菓子作り、陶芸体験など、伝統文化に触れるプログラムは各地で開催されており、言葉の壁を越えて感動を共有できる内容となっています。

また、京都や金沢などの歴史ある町では、着物を着て町を歩くだけでもタイムスリップしたような気分を味わえます。着物レンタルとプロによる着付けサービスは英語対応も進んでおり、Z世代の観光客にも人気。中には、神社での正式な参拝方法や、禅寺での坐禅体験に挑戦する若者もおり、日本文化の「精神性」に惹かれる人も少なくありません。

Z世代は「インスタ映え」だけを求めているわけではなく、むしろ本物の価値や意味に触れることを目的としています。日本の伝統文化は、そうした彼らの知的好奇心と感性を刺激し、「表面的な観光」ではない、深い学びと感動を提供してくれるのです。

3.自然との触れ合い

出典:富士登山オフィシャルサイト

自然とのつながりやサステナブルな生き方に強い関心を持っているアメリカのZ世代。デジタルに囲まれた生活を送りながらも、実際には「スクリーンの向こう」にある本物の自然を求め、日本の豊かな自然環境に強く惹かれています。日本での旅の中でも、「自然の中で心を解放する」体験は、Z世代にとって特別な意味を持っています。

中でも人気なのが、富士山登山。日本最高峰の山頂で見るご来光は、一生の思い出になるほどのインパクトがあります。登山を通じて自分の限界に挑みながら、自然の美しさと厳しさを全身で感じることができます。さらにZ世代の心を掴んでいるのが、嵐山の竹林や白川郷の合掌造りの村のように、静けさと神秘性に包まれた風景。そうした場所では、ただ風の音に耳をすませながら歩く体験だけでも、心に深く残るものがあります。

最近では、「自然の中でテクノロジーから離れる」ことを目的にした体験も注目されています。スマホやSNSから一時的に離れ、自分自身と向き合うリトリート型のプログラムや、山村でのボランティア滞在、農作業体験などは、自然と人間の本来のつながりを実感できる貴重な機会。Z世代の中には、「自然の中でしか得られない気づき」や「本当の自分を見つけたい」という思いから、こうしたを選ぶ人も増えています。

日本は、海・山・森・川といった多様な自然に恵まれ、四季折々の表情を見せてくれます。Z世代にとってその風景は、ただ美しいだけでなく、内面と向き合う時間、自己成長のきっかけとしても魅力的に映っているのです。

4.現地の人々との交流

出典:農泊サイト「Countryside Stay Japan」

アメリカのZ世代は、旅先での「本物の出会い」や「リアルなつながり」に価値を感じる傾向が強くあります。ただ観光地をめぐるだけでなく、現地の人々と直接触れ合い、その土地ならではの暮らしや文化に触れることを、旅のハイライトと考える若者が増えています。日本での体験においても、それは例外ではありません。

地方の農村で行われているボランティア型のホームステイやファームステイは、Z世代にとって非常に人気の高いプログラム。朝は地元の農家の方と一緒に畑を耕し、昼は地元食材で手作りの食事を楽しみ、夜は囲炉裏を囲んで人生の話を語り合う。そんな温かく濃密な時間を通じて、日本人の価値観や生活文化を肌で感じることができます。

地域のお祭りや伝統行事に参加することで、言葉が完璧に通じなくても、心の交流が生まれる瞬間も。太鼓を叩いたり、神輿を担いだりする体験は、ただ見学するよりも何倍も記憶に残り、写真や動画では伝えきれない「感情」を得ることができます。

さらに、Z世代は多様性や共感を重視する世代。異なる文化や価値観に対してオープンであり、対話を通じて理解を深めることは大きな意義だと感じています。日本の地域コミュニティとの交流は、そうした彼らの好奇心と感受性を満たす最高の場となるのです。

現地の人々との交流は、観光ガイドには載っていない「日本の本当の魅力」を教えてくれます。そしてそれは、Z世代の旅において、もっとも心を動かす体験の一つとなっています。

5.最新テクノロジーの体験

出典:チームラボ ボーダレスのホームページ

アメリカのZ世代にとって、日本は“未来がすでに存在する国”という印象があります。アニメや映画で描かれるサイバーパンクな都市風景、精密に動くロボット、そして世界最先端のゲーム文化、それらは単なるフィクションではなく、日本という国そのものに強く結びついています。だからこそ、実際に日本を訪れ、最新テクノロジーを「体験」することは、Z世代にとって刺激的で特別な旅の目的となっているのです。

東京・お台場の「チームラボ ボーダレス」では、アートとテクノロジーが融合した没入型デジタルアートがZ世代の心を掴んでいます。視覚、聴覚、空間感覚すべてを刺激する演出は、写真や動画では伝えきれない迫力で、「リアルのすごさ」を体感させてくれます。

また、秋葉原や渋谷の最先端のゲームセンターでは、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を使ったゲーム体験が大人気。アメリカにもゲーミング文化は根付いていますが、日本の「アーケード」はその空間そのものが非日常で、何時間でも滞在したくなる魅力があります。

さらに、東京・日本科学未来館やつくばのJAXA(宇宙航空研究開発機構)では、宇宙探査やロボティクスなど本格的な科学技術の世界を間近で学ぶことができます。Z世代の中にはSTEM教育に関心を持つ若者も多く、こうした施設は「遊びながら学べる」貴重な場でもあるのです。

テクノロジーとの触れ合いは、日本文化の「未来的側面」を象徴する体験です。そしてそれは、Z世代にとって「今」と「これから」を考えるヒントを与えてくれる、刺激的でインスピレーショナルな時間にもなっています。

まとめ

アメリカのZ世代にとって、日本という国は「多面性に満ちたリアルな冒険の舞台」です。アニメやマンガの聖地巡礼で憧れの世界に飛び込み、茶道や書道といった伝統文化に触れることで静かな美意識を感じ、富士山や竹林などの自然に包まれることで心を整える。そして、現地の人々と笑顔を交わしながら生きた文化を体感し、最先端のテクノロジーに触れて未来の可能性にワクワクする、これらはすべて、Z世代が「自分らしさ」と「世界とのつながり」を同時に求める世代であることの証です。

彼らの旅は、ただの観光では終わりません。一つ一つの体験が「学び」であり「問いかけ」であり、ときに人生の価値観を大きく揺さぶるような「気づき」となります。だからこそ、Z世代にとって日本は、写真を撮るための“映える”場所ではなく、自分を深め、広げてくれる“考えるための旅先”として選ばれているのです。

テクノロジーに囲まれた日常から少し離れ、自分の目で見て、肌で感じ、人と話すことで、Z世代は日本という国の奥深さと向き合っていきます。これまでを通して、Z世代の若者が何を求めているのかを知ることができたと思います。この価値観や考え方に沿って海外でマーケティングを行う際は、ぜひ弊社IGNITEにご相談ください。

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この記事を監修した人
Erika S
コンテンツクリエイター
日本のサブカルチャーのローカライズを得意とするJA/ENバイリンガル・コンテンツクリエイター。
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