外国へのビジネス参入を検討する際に気になるのが、その国に関する情報、土地や言語、文化などの基本情報はもちろん、主流となっている広告媒体や連絡ツールなど、広告戦略を立てる際に役立つ情報も収集することが大切です。
今回は、日本でビジネスを始めたい方が知っておくべき基本知識について、それぞれデータを交えながらご紹介していきます。
※こちらは弊社の英語記事を日本語に翻訳した内容になります。
ビジネス的視点で見た日本の特徴
まずは言語・地域など、ビジネス的視点でみて、知っておきたい日本の特徴についてご紹介していきます。
言語の特徴:日本は英語力が低い
世界各国の英語力を数値化した「EF EPI能力指数」では、日本は世界112ヶ国中78位、アジア諸国24カ国中13位で、中国や韓国、香港、ベトナムよりも低い順位です。
日常生活において英語をあまり使う機会がないから順位が低いのではないかとも考えられますが、日本と同様に日常生活で英語を使う機会が少ない韓国は、アジア諸国で5位という上位に位置しています。
これらのことから、日本は先進国であるにもかかわらず、学校の授業などを除くと、英語を自発的に学ぼうとする人や、英語力を上げてビジネスに生かそうとしている人が少ないとも捉えることができます。
英語力が低い日本に、海外から参入できるのかと躊躇する企業もあるかと思いますが、言い換えればこの英語と日本語の壁さえ超えることができれば、日本でのビジネス成長に大きく近づくともいえます。
人口の特徴:東海道に人口が集中
日本の領土の総面積は約37万8,000平方キロメートルで、その中の約22万8,000平方キロメートルは、東京や大阪、名古屋など東海道エリアを含む本州です。
また、国勢調査によると都道府県別の人口分布のトップ5は東京、神奈川、大阪、愛知、埼玉となっており、大阪〜東京間をつなぐ東海道エリアに人口が集中していることがわかります。
出典:令 和 2 年 国 勢 調 査(6ページ)
日本では、首都・東京を囲む関東地方(グレーター関東)、第二の都市・大阪を囲む近畿地方(グレーター関西)に人口が集中しているという特徴があります。
日本へビジネス参入するのであれば、関東もしくは関西への参入は絶対条件ともいえます。関西は、関東と比較すると人口は少ないものの、すでに多くの企業が関東、特に東京都内に集中していることから、今後は関西がマーケットとして非常に魅力的なエリアになると予想することができます。
日本在留外国人の特徴:中国をはじめとしたアジア諸国が大半
出入国在留管理庁の調査によると、令和3年6月末時点で約282万人の外国人が在留しており、そのうち男性が49.4%、女性が50.6%と男女比に大きな差はありません。
また、在留外国人の出身国籍は、中国が全体の26%を占め最も多く、次いでベトナム、韓国、フィリピン、ブラジルが挙げられます。したがって、日本はアジア諸国出身者が多く在住している国だと言えるのです。
出典:令和3年6月末現在における在留外国人数について | 出入国在留管理庁よりIGNITEが作成
日本の総人口と在留外国人とを比較してみると、全体の約2%を在留外国人が占めていることになりますので、日本へのビジネス展開時には、日本人はもちろん、アジア諸国の在留外国人もターゲットとして視野に入れておくと良いかもしれません。
情報通信機器の特徴:スマホの世帯保有率は8割超
パソコンやスマホといった情報通信機器の世帯保有率に関しては、モバイル端末の保有が96.1%となっており、ほぼ全ての世帯で保有しているといえます。
また、パソコンの保有率が69.1%であるのに対し、スマホは83.4%と8割を超え、モバイル端末でダントツのトップシェアであることがわかります。
2016年を境にパソコンとスマホの保有率が逆転していることから、現在ではパソコンよりスマホでの閲覧をベースとしたWeb広告の出し方を考えていくほうが効果的です。
出典:総務省HPより抜粋
もう少しスマホについて掘り下げてみていきます。
スマホのOSシェアはiOS:Android=64.8%:35.1%となっており、日本では圧倒的にAppleユーザーが多いことがわかります。
世界ではこの比率が逆転しているため、日本ならではの特徴として把握しておくことをお勧めします。
一方で、現在日本では円安の影響もあり、Apple製品の値上げが話題に上がっています。
しばらくは比率が大きく変わらないとはいえ、Androidユーザーが今後増加する可能性が考えられるため、動向はこまめにチェックしておくと良いでしょう。
日本のインターネット広告における特徴
続いて、いざ日本でビジネスを行うとなった際に必ず必要になるのが「広告」に関する知識です。日本における広告市場・広告媒体の特徴について知っておくべき知識を順にみていきます。
日本はインターネット広告が伸びている
まず、日本の広告費についてのデータをみていきます。
2021年の総広告費は6兆7,998億円にまで増加しており、これは前年比110%の成長です。日本ではデジタル化に伴いインターネット広告の普及が加速しているため、全体の広告費も増加したと考えられます。
インターネット広告費は、今まで圧倒的な力をもっていた「マスコミ四媒体(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)」の広告費を抜き2兆7,052億円にのぼり、今や日本の広告業界を牽引する存在となっています。
出典:2021年 日本の広告費 - News(ニュース) - 電通ウェブサイト
これらのことから、インターネット広告によるプロモーションは、今後日本でビジネスを始める上で必要不可欠なものだといえます。
検索エンジンはGoogleかYahoo!
では実際にインターネットを使用する際に用いる検索エンジンのシェア状況をみていきます。
パソコンにおけるシェア状況は、Googleが77%と断トツに多く、次いでYahoo!が14%、Bingが8%を占めています。
また、スマホにおいてはGoogleが75%、Yahoo!が25%となっており、これらのことから日本ではGoogleとYahoo!が強いことがわかります。
検索エンジンについては、海外でGoogleに次いでよく利用されているBingが、日本ではYahoo!に及ばないという点が海外との大きな違いです。
▼海外向け広告の運用について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
https://igni7e.jp/blog/advertisements-for-overseas
SNSは年代によって利用状況が異なる
日本では、SNS利用者のほぼ大半はLINEアプリを使用しています。また、全世代において利用率が高く、家族や友人との連絡手段として使用されることが多いです。
一方、年齢層によってLINE以外のコミュニケーションツールとして活用するSNSが異なるという特徴もあります。
10代・20代の若年層では、友人の近況確認やコミュニケーションにInstagramやTikTokを活用する傾向が、中年層ではFacebookでコミュニケーションをとる傾向がみられます。
Facebookではビジネス関連のコミュニケーションツールとして使用されることがあり、海外で主流のLinkedinは日本国内ではほぼ使われていないことがポイントです。
広告媒体はターゲットごとに選別を
最後に、広告媒体についてみていきます。
広告媒体としてまずメインで使用されるのは、Google、Yahoo!、Facebook(Instagram)、LINE、Twitterです。検索エンジンとして主流の2社に加え、人気のSNSでの広告出稿が主流になります。
出典:【2022年1月更新!】データからみるTwitterユーザー実態まとめ
そして、これらは対象としたいターゲットごとに分類されます。
BtoBでの広告出稿で主流なのは、Google、Yahoo!、Facebook。
検索エンジン2社に加え、ビジネスのつながりで利用する中年層が多いFacebookもBtoBと親和性が高いSNSです。
一方BtoCで主流なのは、Twitter、Instagram、TikTok。
より個人にフォーカスを当てたSNSアプリで、趣味嗜好に合わせた広告出稿をすることで高い効果が見込めます。
なお、日本でメインのコミュニケーションツールであるLINEは、個人・企業どちらにおいても主流のSNSであるといえます。
▼海外向けSNSのマーケティング戦略について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
https://igni7e.jp/blog/how-to-successfully-market-sns
言葉や文化の特徴を理解し、日本にビジネス参入を
日本ならではの特徴はさまざまですが、特にビジネス参入する際に把握しておくべき特徴をまとめてご紹介しました。
基本的に、これらの特徴は理解・把握しておけば対応できますが、一つ大きな壁として立ちはだかるのが「言葉の壁」です。
日本語が話せないから英語サイトでビジネスをしたいと思っても、先述したとおり日本人の英語力は低いため、英語のみでビジネスを行うのは決して簡単ではありません。
重要なのは、日本語と英語を話せる人材の確保。ターゲットとなる日本人との架け橋になれる人があいだに入ることで、一気に事業を始めやすくなります。
IGNITEでは、日本語と英語のバイリンガルメンバーが在籍しており、このような不安を抱えている企業様のあいだに入って事業のサポートを行います。
もし今、言葉の壁にぶつかっているのであれば、ぜひお気軽にご相談ください。
他にも英語圏の企業が日本に参入すべき理由を書いた記事がありますので、そちらも参照下さい。
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