海外向けに事業展開を検討している方や訪日インバウンドに向けて情報発信を検討している方は、自社Webサイトの多言語化が必須となります。そんな中で、最近ではWebサイトの翻訳サービスを利用する企業が増えてきました。
しかし、様々な種類のサービスがある中で、どのようなことに注意して選択するのが良いのでしょうか。
そこで、今回の記事ではWebサイト翻訳サービスの選び方について、そして選ぶ際のポイントを解説します。
Webサイト翻訳サービスとは?
Webサイト翻訳サービスとは、Webページのテキスト内容を自動で異なる言語に変換するツールやサービスを指します。人力で翻訳しなくても、既存のサイトを多言語化できるため、時間とコストを大幅に削減できるメリットがあります。
また、専門用語の登録や特定の業界に特化した翻訳精度の高さなどの機能を備えているサービスも存在します。
Webサイト翻訳サービスを選ぶポイントとは?
適切な翻訳サービスを選ぶことはとても重要ですが、数多くのサービスの中から自社に最適なものを見つけるのは容易ではありません。翻訳品質や料金体系などの基本的な要素に加え、専門用語への対応力、ローカライズ機能の有無など様々な観点から比較検討する必要があります。
それでは、はじめにWebサイト翻訳サービスを選ぶ際に押さえておくべき大切なポイントを解説します。
翻訳精度の見極め
翻訳サービスを選ぶ際は、翻訳精度が最も重要な要素です。サービス提供会社の公式ウェブサイトや利用者の口コミを参考に、一度に翻訳できる文字数や所要時間、翻訳の正確さを入念にチェックしましょう。
また、サービスの対応言語数や、専門用語への対応力も見極めることが大切です。
参考元:導入事例 | WOVN.io | Web サイト多言語化・翻訳対応ソリューション
中には、こうした事例をあげている企業も多くあるため、自社にあった最適な翻訳サービスを選択する上でこれらを参考にすると良いでしょう。
どのような機能があるのか
Webサイト翻訳サービスの中には、単なる翻訳だけではなく他に機能を備えたものもあります。例えば、SEO対策機能を搭載し、翻訳文のキーワード最適化やメタデータの自動生成などができるツールもあります。これはユーザーからサイトを見つけてもらいやすくなるため、とても良い機能でしょう。
自社のニーズに合わせて翻訳品質の向上だけでなく、作業効率化やウェブサイトのSEO対策にも役立つ多機能な翻訳ツールを選ぶことが重要です。
有料プランの内容
無料プランを利用する際は、使用できる機能やサービスに制限があるため有料プランの利用を検討することをおすすめします。
参考元:ご利用の流れ / 料金プラン | Myサイト翻訳
しかし、有料プランへの移行を検討する場合は、提供される機能とサービスの内容を十分に吟味して、料金プランに見合った価値があるかどうかを見極めましょう。コストパフォーマンスを意識し、賢明な判断を下すことが求められます。
専門的な内容に対応しているか
専門用語を含む文章の翻訳には、高い精度が求められます。
しかし、専門分野に特化した翻訳ツールを見つけるのは容易ではないため、可能な限りで専門用語に正確に対応できるサービスを選ぶことが重要です。専門用語の誤訳は、内容の誤解を招く恐れがあり慎重に翻訳をする必要があります。
信頼できる翻訳サービスを見極めるためには、サービスの実績や評判、サポート体制などを総合的に判断することが求められるでしょう。
お試し期間がある場合は使用してみる
新しいサービスを導入する際は、無料トライアルやデモの有無を確認することが重要です。実際に使うことで、サービスの品質や使い勝手を肌で感じられ、自社にマッチしているかどうかも的確に判断できます。
また、トライアル期間中にサポート体制の充実度もチェックできるでしょう。導入前に、十分な検証を行うことで、コストをかけすぎずに最適なサービスを選択できます。
おすすめのWebサイト翻訳サービス
最近では、優れたWebサイト翻訳サービスが数多く提供されています。翻訳済みのコンテンツを自動的にWebサイトに反映してくれる機能や、翻訳の進捗状況を管理できるダッシュボードを備えたサービスもあるなど、運用面でも非常に便利なものもあります。
このセクションでは、現在利用できる主要なWebサイト翻訳サービスをご紹介します。
1. WEB-Transer@ホームページ AI
参考元:WEB-Transer@ホームページ AI - アクセリア株式会社
- WEB-Transerの特徴:自動翻訳で高速かつ高精度な23カ国語に対応した翻訳が可能
- 無料プランの有無:無料プランあり
- 有料プランの価格:問い合わせ要
- 有料プラン機能・内容:文字数無制限、WAFやCDNによる海外配信、カスタマイズ機能
WEB-Transer@ホームページ AIは、最新のAI翻訳エンジンを活用し、高品質な多言語ページを自動的に作成できるサービスです。手動での翻訳作業や管理にかかる時間とコストを大幅に削減できるだけでなく、WAFとCDNを組み合わせることで最適な海外配信を実現します。
また、定額料金制のため予算管理もしやすいというメリットがあります。
2. WOVN.io(ウォーブン)
参考元:WOVN.io
- WOVN.ioの特徴:サイト丸ごと翻訳可能で、翻訳精度もSEO対策も高評価
- 無料プラン有無:無料プランあり
- 有料プラン価格:問い合わせ要(対象サイト、ページ数、言語数、PV数)
- 有料プラン機能・内容:無制限の言語と翻訳文字数、JSPやASPへの対応など
WOVN.ioは、専門用語の設定が可能で機械翻訳の精度向上でき、それから人の手で修正するという点で高品質な翻訳が期待できます。また、SEO対策や多言語化に必要な機能を包括的に提供しているのが特徴です。
導入もタグ設置やWordPressプラグインなどの方法があり、比較的簡単に行うことができます。
3. Myサイト翻訳
参考元:Myサイト翻訳
- Myサイト翻訳の特徴:131言語対応が可能で専門用語も正確に翻訳できる
- 無料プランの有無:2週間の無料トライアルあり
- 有料プランの価格:13,200円〜/月
- 有料プラン機能・内容:訳質チェックサービス、単語登録、画像制作
Myサイト翻訳は、株式会社高電社が提供する多言語対応のWebサイト自動翻訳サービスです。131言語の対応が可能で、「AI翻訳」と「文法翻訳」の2つの翻訳方式を提供しており、31分野の専門用語辞書を搭載しているなど高い翻訳精度を実現しています。
また、料金プランは6種類用意されており、AI翻訳とより低価格の文法翻訳から選択可能です。
翻訳サービスを利用する上での注意点
翻訳サービスはとても便利ですが、いくつかの注意点があります。まず、機械翻訳には限界があり、完璧な翻訳は難しいことを理解しておきましょう。そのため、質の高い翻訳のためには、ネイティブチェックが欠かせないものとなります。使用されている単語やその表現が、適切かどうかを正確に確認しなければ、意味のない翻訳になってしまいます。
例えば、「満身創痍」という四字熟語を例に挙げます。これには、外傷的も精神的にも傷だらけといった意味がありますが、DeepLで機械翻訳にかけると「having wounds all over one's body(全身が傷だらけ)」といったような表現になっています。この表現でも意味は伝えることができますが、ネイティブスピーカーが変換すると「beaten to a pulp」といった表現になり、より自然で伝わりやすくなります。
また、SEO対策も重要となります。SEO対策を考慮せずに単純に翻訳をしてしまうと、ユーザーが検索しているキーワードに対してウェブサイトが引っかからない可能性が高くなります。つまり、検索結果ページにおいて上位を狙うことが難しく、ユーザーの流入も期待できず、結果的にコンバージョン率を上げることも困難になってしまいます。
そのため、UbersuggestやAhrefsなどの、SEO対策にまつわる情報分析が可能なツールを使用し、実際に検索されているキーワードなどを分析し、合わせて検索ボリュームを調べるといった作業が必要です。そしてそこで得た情報を翻訳に活用、反映することがポイントとなります。
機械翻訳を利用する際は、こうした機械の機能の限界を理解して、AIに頼りすぎず、ネイティブチェックやSEO対策を行うことでクオリティの高い翻訳を行いましょう。
まとめ:質の高い翻訳を望む場合は、専門の業者に依頼することも検討しましょう
Webサイト翻訳サービスは手軽で比較的簡単に行うことができますが、その反面SEO対策が難しく集客面では課題があります。高品質な翻訳を求めるなら、Webサイトの目的を明確にし、専門の翻訳者に依頼することも検討しましょう。
また、専門家による翻訳は質は高いものの、コストがかかります。自社の目的や予算、求める品質を見極め、最適なサービスを選ぶことが重要です。自社のニーズと予算に合ったサービスを選ぶことが、Webサイトのグローバル展開の成功のカギです。
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