Webサイトを翻訳する方法!翻訳時の注意事項も解説

企業の海外進出が加速し、国内にもインバウンドが増えている現代では、Webサイトの多言語対応は不可欠となっています。自社のWebサイトを海外向けに翻訳することで、海外の潜在的な顧客にアプローチすることができ、ビジネスチャンスを広げることに繋がります。

今回の記事では、そんなWebサイトを翻訳する手段や活用出来るツール、翻訳時の注意点について解説します。

Webサイトの翻訳は海外進出には不可欠?

国際化が進む現代において、サイトの多言語対応は企業の海外進出戦略に欠かせない要素となっています。2024年1月では、全世界でインターネットを使用している人は約53.5億人、またSNSを利用している人が約50億人となっています。

世界のインターネット及びSNS利用者数の表(2024年1月時点)
参考元:世界のデジタル人口 2024年 | Statista

この結果から、自社のWebサイトを翻訳することで、日本だけではなく海外の他言語を使用する顧客にリーチすることや、ブランド認知度の向上、ビジネスチャンスの拡大に繋げることができます。多言語対応は、国際的な競争力を高める上で重要な役割を果たすと言えるでしょう。

Webサイトを翻訳する手段

Webサイトを翻訳する手段には、自社でAI自動翻訳や人力翻訳、専門家に依頼するなどの主に3つの方法があります。

このセクションでは、それらWebサイトを翻訳する手段をご紹介します。

自社内で自動翻訳を活用する方法

Google翻訳やDeepLといった自動翻訳ツールを使用する方法は、短時間で大量のテキストを翻訳することができ、コストも抑えられる画期的な方法です。

しかし、自動翻訳は文脈やニュアンスを完全に捉えられないことがあるため、翻訳品質に課題が残る点には注意が必要です。

例えば、「ピリ辛な料理」と自動翻訳にかけると「spicy food」と出てきますが、これは日本語に直すと「辛い料理」になり、実際に伝えたい「マスタードや唐辛子などを使用したスパイスの効いた料理」というニュアンスに変換することは難しいです。

Google翻訳の翻訳ページ:ピリ辛な料理(日本語から英語)

このようにやはり、自動翻訳では文化的な背景や言葉のニュアンスを最適な表現することが困難なため、ネイティブスピーカーによるチェックなどは欠かせないものと言えるでしょう。

自社内で人力翻訳

社内の人材で翻訳を行う場合は、社内の語学スキルを持つ人材を見極めることが重要です。翻訳経験や専門知識を有するスタッフを選定し、品質管理のために翻訳ガイドラインや用語集を作成するといったレビュープロセスを設けるのも良いでしょう。

ただし、専門性の高い翻訳には、社内リソースだけでは対応が難しいケースもあります。例えば、工場で使用する部品などの説明などを翻訳する際に、少しのニュアンスや表現の違いでも顧客が勘違いしてしまうと、製品だけでなく企業の信頼を損なう可能性もあります。

自社の人材を活用した翻訳は、コスト面ではメリットがありますが、適切な人材の確保や育成、品質管理などが課題となります。

専門家に依頼する

翻訳の専門家に依頼する方法は、専門家の豊富な知識と経験で原文の意図を正確に理解し、適切な表現で訳文を作成することができるため、高品質な翻訳が可能です。また、専門用語や文化的なニュアンスの誤訳や不自然な表現を避けることもできます。

一方、デメリットはコストが高くなる点です。専門家の技術と時間に対する対価として、一定の費用が発生します。商品の説明や企業の重要な文面など、正確性と質の高さが求められる翻訳には、専門家に依頼することをおすすめします。

Webサイトの翻訳時に活用できる翻訳ツール

Webサイトの翻訳時には、いくつかの翻訳ツールを活用することができます。ここでは、具体的にGoogle翻訳、DeepL、そしてWeblio翻訳について解説していきます。

おすすめの翻訳ツール 1. Google 翻訳

Google翻訳:翻訳ページ画面
参考元:Google 翻訳

Google翻訳は、無料で手軽に利用できる自動翻訳サービスであり、100以上の言語に対応しているのが大きな特徴です。ウェブサイトやアプリで簡単に利用でき、テキストだけでなく音声入力や画像内のテキスト認識にも対応しています。

メリットとしては、幅広い言語ペアの翻訳が可能な点や無料で利用できる手軽さが挙げられます。機械学習により翻訳精度も向上しており、簡単な文章であれば十分に意味が通じるレベルの翻訳が得られます。

一方、デメリットとしては専門用語や複雑な文章、言葉の微妙なニュアンスなどを文脈に応じて変化させ、正確に翻訳することが難しい点があります。専門性が求められる分野や正確性を求めるのはやはり厳しい点もあるため、専門の翻訳者や人間によるチェックが必要となるでしょう。

おすすめの翻訳ツール 2. DeepL

DeepL翻訳:翻訳ページ画面
参考元:DeepL翻訳:高精度な翻訳ツール

DeepLは、ニューラルネットワークを活用した高精度な自動翻訳サービスで、現在は英語やフランス語、ドイツ語といった主要29言語に対応しています。他の翻訳サービスと比較して、より自然で文脈を考慮した翻訳結果が得られる点が大きな特徴であり、メリットと言えます。また、専門用語への対応も優れている場合が多く、ビジネスシーンでの利用も可能です。

一方で、無料版では月間の文字数制限があり、大量の翻訳を行う場合は有料プランへの移行が必要となるデメリットがあります。さらに、対応言語数がGoogle翻訳と比較しても少ないため、主要言語への翻訳のみの利用になります。

これらを全体的に見れば、翻訳品質の高さは他のサービスと比較しても高評価を得ており、世界の共通語の英語翻訳する上ではおすすめのツールと言えるでしょう。

おすすめの翻訳ツール 3. Weblio Webページ翻訳

Weblio翻訳:翻訳Webページ画面
参考元:ウェブページ翻訳 - Weblio 翻訳

Weblio Webページ翻訳は、URLを入力するだけでWebページ全体を翻訳できる便利なサービスです。手軽に利用できるため、外国語のWebサイトを閲覧する際に重宝します。また、翻訳精度も高く、内容を理解しやすいのがメリットです。

一方で、レイアウトが崩れてしまうことがあり、画像や表などが正しく表示されない場合があります。これはWebページの構造が複雑な場合に起こりやすくデメリットと言えるでしょう。また、翻訳対象の言語が英語、中国語に限られているため、対応していない言語のWebページは翻訳できません。

Weblio Webページ翻訳は手軽に利用でき、翻訳精度も高いサービスですが、レイアウトの崩れや対応言語の限界があることを理解した上で活用することが大切です。

Webサイト翻訳時の注意事項

Webサイトを翻訳する際には、文章の文化的な考慮やネイティブにとって自然な表現になっているか、また現地の表記や数値になっているかといったいくつかの注意点があります。

それでは、Webサイトを翻訳する上で注意するべき点をご紹介します。

文化的適切性の確保

ウェブ翻訳を行う際は、言語間の文化的差異に注意を払うことが重要です。その言語が使われている国や地域の文化的ニュアンスや慣習を理解する必要があり、宗教的・政治的に繊細なトピックについては、タブーや避けるべき表現があることを認識しておくべきです。万が一、不適切な表現を使ってしまうと、意図せずに相手を不快にさせたり、誤解を招いたりする恐れがあります。

例えば、アメリカとイギリスでは建物の階数の数え方が異なります。アメリカでは、日本と同じように下から「first floor(1階)、secound floor(2階)」と数えますが、イギリスでは1階を「ground floor」と表現し、2階から「first floor」と数えていきます。

アメリカとイギリスでは建物の階数の数え方の違い

このように翻訳者は、文章の意図を汲み取りつつ、ターゲットとなる言語圏の文化に合わせて表現を調整する能力が求められます。

ネイティブチェック

ウェブ翻訳を利用する際、翻訳品質を確保するためにネイティブチェックのフェーズを加えるようにしましょう。自動翻訳などの機械翻訳は、飛躍的に進歩していますが、文脈の理解や言葉のニュアンスの表現には限界があります。

ネイティブチェックでは、単語の選択や語順、文法の正確さだけでなく、文化的な背景を考慮した表現の適切さもチェックします。また、原文の意図を正しく反映しているか、読み手に誤解を与えないかという点も確認します。

AI翻訳は便利なツールですが、ネイティブチェックを組み合わせることで、より質の高い翻訳を提供することができるでしょう。

ローカライゼーションを徹底する

Webサイトを海外へ展開する際には、ローカライズの徹底は欠かせません。現地ユーザーに違和感を与えず、親しみやすく伝わるよう、細部までこだわることが求められます。

ローカライズ対象は言語だけでなく、色使いや画像、レイアウトなども含まれます。例えば、ヒンドゥー教では、牛が神様として扱われているため、牛肉はもちろん牛の肉汁を使用した加工製品なども食べることが禁止されています。そのため、インドやネパールではそれらの画像はタブーとなるため注意する必要があります。

宗教別の禁止されている食べ物

こうしたローカライズを徹底することで、サイトを観覧する顧客は親しみを持って見ることができ、ブランドの信頼感へと繋げることができるでしょう。

まとめ:Webサイト翻訳時はローカライズを意識した翻訳を!

ウェブサイトを翻訳する際は、言語の置き換えだけでなく、文化的な適切性とローカライズにも注意を払う必要があります。ターゲットとなる国や地域の文化や慣習を理解し、不適切な表現や画像を避けることを心がけましょう。

翻訳手段としては、AIの自動翻訳や社内の人材による翻訳、専門の翻訳会社への依頼などの中から予算や期間、求める品質によって最適な方法を選択しましょう。そして翻訳後は、ネイティブスピーカーによるチェックを行い、誤訳や不自然な表現がないか確認することをおすすめします。

文化的配慮とローカライズを徹底し、質の高い翻訳を行うことで現地のユーザーに適切にメッセージを伝え、海外市場へのアプローチの成功に繋げていきましょう。

この記事を監修した人
Daisuke K
マーケター、CMO
2021年にCMOとしてIGNITEのへの参加を果たした。以前からマーケティング業界での勤務経験を有し、IGNITEでは海外市場向けのマーケティング戦略を展開している。あらゆる国や地域からの、BtoB、BtoC案件を総監し、海外進出を検討する日本国内の企業から、日本への参入を希望する海外企業までのサポートを行っている。
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