インバウンド(訪日外国人観光客)の波が、かつてない勢いで日本に押し寄せています。観光庁の発表によれば、2023年の訪日外国人旅行消費額は過去最高の5兆円を突破し、日本経済を牽引する重要な存在となっています。特に、日本の「食」は、海外からの旅行者にとって最大の魅力の1つ。多くの飲食店がこの巨大な市場に魅力を感じ、「外国人観光客を取り込みたい」と願っていることでしょう。
一方で、「どうすれば効果的に集客できるのか?」「競合も増える中でどう差別化すべきか?」といった悩みを抱えているのではないでしょうか。
その解決策の鍵を握るプラットフォームこそが、世界最大の旅行サイト「トリップアドバイザー」です。
この記事では、トリップアドバイザーがインバウンド集客の必須ツールである理由を深掘りし、他の飲食店との差がつくソリューションをご紹介します。
トリップアドバイザーの活用でインバウンド集客の差がつく3つの理由
トリップアドバイザーへの参入が必須なのは、単にユーザー数が多いからではありません。インバウンド観光客の「検索行動のリアル」から、その本質を紐解きます。彼らが何を求め、どのように情報を見つけているのかを理解することが、成功への第一歩です。
① 海外旅行者の「食」への圧倒的な影響力
トリップアドバイザーは、世界中の旅行者が旅の計画を立てる際に最も信頼されるプラットフォームの1つです。特に飲食店選びにおいては、とても大きな影響力を持ちます。
世界的なユーザー数
トリップアドバイザーは、平均して月間4億5千万人もの人々が訪れる巨大プラットフォームです。これは、世界中の人々が旅行先での食事場所を探す際、多くがトリップアドバイザーをチェックする可能性があるということ。あなたの店舗がここに掲載されていれば、それだけで潜在顧客にリーチできる可能性が飛躍的に高まります。
「信頼されている情報源」としての地位
トリップアドバイザーは、ユーザーのリアルな口コミと評価で成り立っています。旅行者は、広告や宣伝文句よりも、実際に利用した他の旅行者の「生の声」を何よりも信頼します。特に初めての土地で言語や文化が異なる環境では、トリップアドバイザーの評価は「失敗したくない」という心理に強く働きかける重要な情報源。Google検索結果においても、トリップアドバイザーのページが上位に表示されることが多く、その信頼性と権威性が確立されていることを示しています。
② 日本の飲食店の多くが掲載されていない現状が「チャンス」に
日本では、飲食店の多くがトリップアドバイザーに掲載されていないか、掲載されていている情報が非常に不十分な状態です。この状況は、競合との差別化を図るチャンスでと言えるでしょう。
「掲載なし=存在なし」という現実
海外の旅行者にとって、トリップアドバイザーに掲載されていない店舗は、文字通り「存在しない」に等しいと認識されます。どれだけ美味しい料理を提供していても、どれだけ魅力的な店舗であっても、情報にたどり着けなければ来店には繋がりません。これは、インバウンド集客において最も大きな機会損失の1つです。
過去のGoogleビジネスプロフィール開拓と酷似する現状
かつて、多くの日本の企業や店舗が、Googleビジネスプロフィールの重要性を見落としていました。その結果、競合に先を越され、今では上位表示のために多大な労力を費やしているケースが散見されます。
トリップアドバイザーの場合でも、同じ道を辿る可能性が高いでしょう。今、このプラットフォームに早期に参入し、対策することが、未来のインバウンド市場で優位性を確立するチャンスなのです。
③ 差別化をするなら参入が必須
インバウンド集客市場が拡大するにつれ、競合も増加します。差別化するには、観光客に見つけてもらい、興味を持ってもらえるような効果的なアプローチが必要です。
- トリップアドバイザー参入による差別化
まずはトリップアドバイザーに掲載されていること自体が、他店との差別化に繋がります。特に、まだ多くの競合が参入していない地域やジャンルであれば、その効果はさらに高まるでしょう。そして、単なる掲載に留まらず、詳細な情報と魅力的なコンテンツで最適化することで、他の掲載店舗とも一線を画すことができます。
- 海外観光客からの信頼の向上
充実したプロフィール情報、魅力的な写真、そして何よりも「質の高い口コミ」は、海外観光客からの信頼を飛躍的に高めます。口コミを通じて、あなたの店舗が「外国人フレンドリーである」「期待を裏切らない体験ができる」というメッセージを伝えることができれば、不安なく来店してもらえるでしょう。これにより、単なる「通りすがりの客」ではなく、「明確な目的を持って選んでくれる客」を獲得できるようになります。 - 「選ばれる理由」の創出
トリップアドバイザーは、単に情報を提供するだけでなく、旅行者が「この店に行きたい」と強く感じる「選ばれる理由」を創出する場です。独自の強みや魅力が、多言語で、視覚的に、そしてユーザーのリアルな声と共に伝えられることで、あなたの店舗はインバウンド市場において、明確な「主役」としてのポジションを確立できるのです。
【まずはここから】トリップアドバイザーオーナー登録方法
トリップアドバイザー登録初期設定
こちらのURLよりオーナー登録が行えます。
①検索窓からオーナー登録をする施設を検索します。
②ご自身の施設が見つかったら、「オーナー登録」ボタンをクリック。
③オーナーとして必要な情報を入力してください。
④担当される方の役職を選択してください。
⑤次にプランを選択します。ここでは「ベーシック無料」を選択いただければCPC運用が可能になります。
⑥電話番号を入力し、認証を行います。
⑦認証した電話にかかってくる番号を入力か、SMSのコードを入力して送信してください。
インバウンド集客を最大化する「戦略的最適化」4つのポイント
①プロフィール情報の設計
トリップアドバイザーのプロフィール情報は、ただの店舗紹介ではありません。これは、海外旅行者の検索行動を意識した「インバウンドSEO」の最前線です。
多言語対応とキーワード戦略
- 店名・説明文: 英語はもちろん、主要なインバウンド客が多い言語(中国語、韓国語など)での対応を検討しましょう。説明文にはまず、料理のジャンル(例: Izakaya Dining)、店舗の雰囲気(例: Traditional Japanese Interior)を具体的に表記。
そして「Family Friendly」(家族連れ歓迎)「Halal Available」(ハラル食対応)「Vegetarian Options」(ベジタリアン対応可能)など、外国人観光客が検索しそうなキーワードを自然な形で盛り込みます。
- 所在地: 具体的な最寄りの駅名やランドマークを英語で記載することで、地理的な検索からの流入を促します。
外国人ニーズへの詳細な対応表示
- 無料Wi-Fiの有無
ほとんどの外国人観光客にとって、Wi-Fiは必須です。有無を明確に表示しましょう。 - 食事制限対応
ハラル、ベジタリアン、ヴィーガン、グルテンフリー、アレルギー対応の有無。対応可能であれば、具体的にどのようなメニューがあるのかを記載することで、大きなアドバンテージとなります。 - 英語メニューの有無: 英語メニューがあることを示唆するだけでも、旅行者の安心感は大きく変わります。
- 予約可否、テイクアウト可否、座席の種類(カウンター、テーブル、個室)なども詳細に記載します。
これらの情報は、外国人観光客が店舗選びをする上で非常に重要な判断材料となります。
②ビジュアルの活用で魅力を可視化
言葉の壁があるからこそ、視覚的な情報は海外旅行者にとって絶大な影響力を持ちます。高品質な写真や動画は、あなたの店舗を「選ばれる店」にするための強力な武器です。
- 料理のクオリティを伝える写真
美味しそうな料理の写真は、来店への一番の動機付けとなります。自然光で撮影された、料理の色合いや質感が伝わる高解像度の写真を用意しましょう。
単に料理を写すだけでなく、器とのバランスや盛り付けの美しさも意識することで、店舗での食事体験を想起させやすくなるでしょう。
- 店舗の雰囲気・内装
清潔感があり、店舗の雰囲気が伝わる写真を複数掲載しましょう。カウンター席、テーブル席、個室など、利用シーンが想像できる写真も効果的です。
- メニューの写真と英語表記
料理名だけでは内容が伝わりにくいことが多いため、メニューごとの写真と、その説明を英語で併記した画像もアップロードすることで、注文時のハードルを下げることができます。
メニューの翻訳では、機械翻訳だけでなく適切なローカライズをすることもポイント。慣れない日本での食事に対するハードルを、ぐっと下げてくれます。
③「口コミSEO」で信頼に基づいた集客を実現
トリップアドバイザーにおいて、口コミは単なるお客様の意見ではなく、お店の宣伝につながるリソースです。質の高い口コミが継続的に投稿されると、検索結果の上位に表示されやすくなります。
口コミを獲得する
- 来店客への積極的な依頼
食事の終わりや会計時に、「Enjoyed your meal? Please share your experience on TripAdvisor!」といったレビューを促すメッセージと共に、店舗のトリップアドバイザーページへ直接アクセスできるQRコードを提示しましょう。
- インセンティブの検討
ドリンクサービスや次回来店時に使える特典など、法的な範囲内で口コミ投稿のインセンティブを設けることも有効です。ただし、口コミの公平性を損なわない範囲で行うことが重要です。
口コミへの多言語での返信
- 感謝の表明: ポジティブな口コミには、具体的に何が良かったのかを繰り返しながら感謝の意を伝えましょう。これが、他の潜在顧客に「この店は顧客を大切にしている」という印象を与えます。
- ネガティブな口コミへの誠実な対応: 批判的な口コミに対しても、感情的にならず、誠実に、かつ迅速に返信することが重要です。改善策を提示したり、謝意を伝えたりすることで、店舗の真摯な姿勢を示すことができます。
- 翻訳ツールの活用: 英語だけでなく、投稿者の言語に合わせて返信を試みることで、よりパーソナルな印象を与え、顧客満足度を高めます。
④Googleビジネスプロフィールとの戦略的使い分け
Googleビジネスプロフィールは、場所や営業時間、電話番号といった「店舗の基本情報」を検索する際に非常に強力です。一方、トリップアドバイザーは、「どんな体験ができるか」「他の旅行者がどう感じたか」といった、より深い「体験価値」を求める際に利用されます。例えば、旅行者はまずGoogleマップで現在地周辺の飲食店を探し、興味を持った店舗について、トリップアドバイザーで口コミや写真を詳しく確認し、最終的な訪問を決定するという行動パターンが多く見られます。両者を適切に連携させ、それぞれのプラットフォームで最適な情報を提供することが、集客最大化の鍵となります。
まとめ:トリップアドバイザーを制し、あなたの飲食店をインバウンド市場の「主役」に!
インバウンド集客は、もはや「あればラッキー」なボーナスではありません。海外観光客が経済の大きな柱となりつつある今、飲食店の「選ばれる理由を創出する」のがトリップアドバイザーです。
インバウンド向けのSNSビジネスをお考えの方は、弊社IGNITEにご連絡ください。グローバル市場に精通したプロフェッショナル・スタッフが、お客様の海外マーケティングをお手伝いします。
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