悩みがあるなら頼ってみるのもあり?アメリカで利用されているオンラインカウンセリングサービス5選

近年、アメリカではオンラインによるメンタルヘルスケアの需要が急速に高まっており、カウンセリングサービスのデジタル化が進んでいます。新型コロナウイルスの影響で対面診療が難しくなったことを契機に、Zoomや専用アプリを通じた遠隔カウンセリングが一般化し、今や多くの人々がスマートフォンやパソコンを通じてセラピストにアクセスするようになりました。
忙しい日常の中でも自分のペースで相談できる利便性や、場所を選ばない柔軟性が支持され、特に若年層や地方在住者に広く受け入れられています。さらに、精神的な健康に対する社会的な関心も高まっており、企業による導入も進んでいます。
本記事では、Forbes Healthに掲載されているオンラインセラピーに関する記事を参考に、アメリカで実際に利用されている代表的なオンラインカウンセリングサービス5つを紹介。それぞれの特徴や強みをお伝えします。ぜひご覧ください。
▼ランキング
- BetterHelp
- Regain
- Faithful Counseling
- Online-Therapy.com
- Teen Counseling
1. BetterHelp

BetterHelpは、2013年にカリフォルニア州マウンテンビューで設立され、2015年にTeladoc Healthの傘下となった、アメリカ最大級のオンラインカウンセリングサービス。全米50州および200か国以上で提供され、2025年現在でユーザー数は500万人以上、セラピスト登録数は3万4000名を超える大手サービスとなっています。
特徴として、初回アンケートに基づく迅速なマッチングが可能で、最大48時間以内に専門のセラピストが紹介されます。利用者は「メッセージ」「チャット」「音声」「ビデオ」の4通りのコミュニケーション方法から選べ、週1回程度のライブセッションに加え、無制限のテキストサポートやグループセミナー、ワークシート、ジャーナル機能などが含まれています。
料金は月額サブスクリプション制で、週あたり約70〜100ドルで4週間ごとに請求され、月額240〜400ドルほどで地域や需要により変動。保険適用はなく自己負担が基本ですが、学生・退役軍人・低所得者向けの最大40%オフの財政支援制度があり、新規利用者向けの割引も用意されています。
メリットとしては、利便性や価格の分かりやすさ、セラピストの質の高さがあり、全員が国家ライセンス保持、応募者のうち15~25%のみを採用していることなどが挙げられます。一方で、需要に応じた「サージ価格制度」による費用変動、保険未対応、薬物治療・診断・緊急対応などの重症例には不向きという制約も。
また、2023年にはFTC(米連邦取引委員会)から、利用者の敏感な健康情報がFacebookやSnapchatなどに共有されたとして780万ドルの制裁を受け、プライバシー管理に改善要求が出ました。その後セキュリティ向上策を実施したものの、情報共有の透明性については依然懸念が残ります。
BetterHelpは「忙しい現代人向けの柔軟で質の高いオンラインカウンセリング」として高い評価を得ていますが、費用やプライバシー、重篤なメンタルヘルスへの対応という点では限界も見えています。海外展開を志す企業にとっては、標準的なオンライン精神医療モデルとして学ぶべき点が多く、一方でプライバシー保護や価格設定の倫理感にも目を配る必要がありそうです。
2. Regain

出典:Regain公式サイト
ReGainは、アメリカ発のオンラインカウンセリングサービスで、特にカップルの関係性に特化した点が大きな特徴。BetterHelpの姉妹ブランドとして2016年にスタートし、現在は全米および海外にも展開しています。ReGainの最大の強みは、恋愛や夫婦関係など「人間関係の悩み」に焦点を当てている点で、カップル2人での利用はもちろん、1人で関係性について相談することも可能。セラピストは全員、臨床心理士や結婚家族療法士などの国家資格を有し、実務経験も豊富です。
サービスの利用は、登録後にいくつかの質問に答えることで最適なセラピストがマッチングされ、基本的に48時間以内にはカウンセリングがスタートできます。利用者は専用のプライベートルームでテキストで相談ができるほか、ビデオ通話、音声通話、ライブチャットなど複数の方法から自由にセッション形式を選べる点もユーザーに好評です。料金は週70〜100ドル程度のサブスクリプション形式で、保険は適用されませんが、場所を選ばずいつでも相談できる手軽さが評価されています。
特に、遠距離恋愛中のカップルや共働きで多忙な夫婦など、時間や場所の制約がある人々から支持を集めており、関係の質を高めたいというニーズに応えるサービスとして注目されています。一方でアカウント共有機能の使いづらさや、解約手続きの煩雑さなど、システム面での課題を指摘する声も。またプライバシー管理の面では、匿名での利用は可能である一方で、個人情報の取り扱いには細心の注意が求められます。
ReGainは関係性の課題に特化したオンラインカウンセリングの成功事例であり、専門性と柔軟性を両立したサービスとして、今後も注目される存在です。
3. Faithful Counseling

Faithful Counselingは、キリスト教の信仰を重視する人々のために設計された、アメリカ発のオンラインカウンセリングサービス。BetterHelpの姉妹ブランドとして運営されており、臨床的な専門性と宗教的価値観の融合を特徴としています。登録されているセラピストは全員、米国の州認可を受けた心理士やセラピストであると同時に、自身がクリスチャンであることを明示しており、相談者の信仰や霊的価値観に寄り添ったカウンセリングが可能。
Faithful Counselingでは、最初にユーザーが抱える問題や信仰のスタイルに関する簡単なアンケートに答えることで、自動的に相性の良いセラピストがマッチングされます。やり取りは専用のプライベートルーム上で行われ、テキストメッセージは24時間いつでも送信可能です。さらに、週に1回のペースでビデオ通話、音声通話、またはライブチャットによるセッションが受けられます。これらすべてがスマートフォンやパソコン上で完結するため、仕事や家庭で忙しい利用者にも非常に使い勝手の良いサービスになっています。
料金は週あたりおよそ40〜100ドルで、利用期間や地域によって変動します。保険適用はありませんが、経済的困難を抱える人に向けた割引制度も整っています。また、ユーザーは匿名で登録・利用でき、過去のやり取りの削除機能など、プライバシーへの配慮も徹底されています。
実際の利用者からは、「信仰と専門知識の両面から支えられた」「自分の価値観を尊重してくれる」といった高い評価が寄せられており、特にキリスト教的な視点を持つ人々から厚い支持を受けています。信仰を大切にしながら心のケアを求める人にとって、Faithful Counselingは非常に有効な選択肢の一つとなっています。
4. Online-Therapy.com

Online-Therapy.comは、認知行動療法(CBT)に特化したオンラインカウンセリングサービスで、2009年にスウェーデンで設立されて以来、アメリカをはじめとする世界中のユーザーに利用されています。その最大の特徴は、従来の対話形式だけでなく、構造化されたセルフガイド型プログラムを中心に据えている点にあります。利用者はオンライン上で8つのセクションからなるCBTプログラムを進めながら、動画、音声、ワークシート、ジャーナル、アクティビティプランといった多彩なツールを活用して、自らの思考や行動パターンを見直すことができます。
サービスは3つの料金プランに分かれており、ベーシックプランではワークシートとメッセージサポートを中心に、スタンダードプランでは週1回のライブセッション、プレミアムプランでは週2回のセッションが受けられます。セラピストとのやり取りは、チャット、音声、またはビデオ通話で行うことができ、メッセージへの返信は通常24時間以内に行われるため、スムーズな会話が可能。また、プログラム内にはヨガや瞑想の動画も含まれており、心と体の両面からのケアが可能となっています。
利用料金は週あたり48〜96ドル程度で、月単位での請求となります。医療保険の適用はありませんが、FSAやHSAカードによる支払いに対応しており、割引キャンペーンや経済的支援制度も用意されています。さらに、登録後はダッシュボード上でセラピストの変更も簡単に行えるため、自分に合った専門家を見つけやすい点も魅力です。
利用者からは、「ワークシートを通じた自己理解が深まった」「柔軟に使えて続けやすい」といったポジティブな評価が多く寄せられており、特に不安や軽度のうつ、不眠などに効果的だとされています。一方で、診断や薬の処方といった医療的アプローチには対応しておらず、重度の症状を抱える人には不向きとされます。全体として、Online-Therapy.comは、日常的なストレスや不安のセルフケアを希望する人にとって、コストパフォーマンスに優れた有力な選択肢となっています。
5. Teen Counseling

Teen Counselingは、13歳から19歳までのティーンエイジャーを対象とした、オンライン特化型のカウンセリングサービス。BetterHelpの姉妹ブランドとして展開されており、思春期特有の不安やストレス、人間関係の悩みなどに寄り添うサポートを提供しています。スマートフォンやパソコンからアクセス可能なため、学校や家庭と両立しながら自分のペースでカウンセリングを受けられる点が、大きな魅力です。
サービスの利用はとてもシンプルで、まず保護者がアカウントを作成し、カウンセリングを希望する子どもの情報を登録します。その後、数日以内に臨床心理士やライセンスを持つセラピストがマッチングされ、専用のチャットルームが開設されます。利用者はこのルームを通じてテキストメッセージのやり取りができ、必要に応じてビデオ通話や音声通話、ライブチャットによるセッションも受けることができます。メッセージは24時間いつでも送ることができ、セラピストからの返信は通常1営業日以内に届く仕組みです。
Teen Counselingに登録しているセラピストは、すべて州のライセンスを持ち、青少年のメンタルヘルスに関するトレーニングと実務経験を積んでいる専門家です。不安やうつ、自己肯定感の低下、いじめ、家庭内問題、学業のプレッシャーなど、ティーン世代が直面する多様な問題に対応。また、セッションの内容は基本的に保護者に共有されず、利用者のプライバシーが守られる設計となっており、安心して本音を話せる環境が整っています。
料金は週あたり70〜100ドル程度で、月単位のサブスクリプション形式。医療保険の適用はありませんが、経済的な支援制度も用意されています。Teen Counselingは、思春期の子どもたちにとって、信頼できる大人とつながり、自分の感情を整理する機会を提供する重要なプラットフォームです。家族だけでは対処しきれない複雑な感情や悩みを抱えるティーンにとって、有効かつ柔軟なサポート手段となっています。
まとめ
アメリカで展開されているオンラインカウンセリングサービスは、その多様性と専門性の高さにおいて、従来の対面式カウンセリングとは異なる新たな選択肢として定着しています。BetterHelpをはじめとする主要サービスは、利便性、匿名性、アクセスのしやすさを武器に、多忙な現代人や地方在住者、若年層、さらには信仰や家族関係など個別ニーズを持つ人々に寄り添った支援を提供。それぞれのサービスが明確な専門性や対象を持ち、例えばReGainはカップル向け、Faithful Counselingは信仰を大切にする人向け、Teen Counselingは思春期の若者向けというように、利用者の背景に応じた最適な支援を受けられます。また、認知行動療法に特化したOnline-Therapy.comのように、セルフガイド型の取り組みを重視するスタイルも支持を集めています。こうした多様なオンラインサービスの登場は、今後のメンタルヘルス支援における重要な進化の一つになるかもしれません。デジタルの力を活用した柔軟なアプローチは、心のケアをより身近なものとし、これまで支援を受けにくかった層にも新たな選択肢を提供しています。海外でこのようなサービスを展開していきたいとご検討されている場合、ぜひ弊社IGNITEにご相談ください。
メールマガジン登録
海外マーケティングに関するノウハウをメルマガで配信いたします
