近年アメリカでは、食生活の中心に「腸内環境を整える」という考え方が急速に浸透し、発酵食品がかつてないほど注目を集めています。背景には、健康志向の高まりだけでなく、免疫力の維持・ストレスケア・美肌効果など、腸と心身を結びつける“腸脳相関（Gut-Brain Axis）”への関心の高まりがあります。医師や栄養士が発酵食品を積極的に推奨するようになったことで、一般の消費者にも「毎日の食事で体調を整える」という考えが広がり、アメリカの食文化全体にウェルネスの視点が根付いてきました。
さらに、このムーブメントを後押ししているのがSNSです。TikTokでは「#guthealth」が100億回再生を超え、腸活レシピや発酵食品を使ったビューティー系投稿が人気を独占。YouTubeやInstagramでも、コンブチャの手作り、キムチの漬け方、味噌を使った高タンパクメニューの動画などがトレンド化し、若い世代ほど発酵食品を積極的に取り入れるようになっています。
もともとアメリカにはヨーグルトやチーズなどの発酵文化がありましたが、近年は韓国・日本・東南アジア・北欧など世界中の発酵食品が“新しいスーパーフード”として再発見される現象が起きており、食の多様性と健康ニーズの掛け合わせによって市場が大きく広がっています。
本記事では、アメリカで特に人気を集めている発酵食品を8つ厳選し、なぜ今注目されているのか、どんな健康効果が期待されるのか、どのように食べられているのかを分かりやすく解説します。ぜひご覧ください。
▼ランキング
（市場の人気をもとに）
- Kombucha
- Greek Yogurt
- Kimchi
- Sourdough Bread
- Tempeh
- Miso
- Kefir
- Sauerkraut
1.Kombucha
Kombucha＝コンブチャはアメリカで最も勢いのある発酵飲料で、腸活・免疫ケア・デトックスの観点から注目されています。紅茶や緑茶を糖と酵母で発酵させた微炭酸ドリンクで、GT's や Health-Ade など専門ブランドは全米スーパーで大規模展開。低カロリーで、ビタミンや有機酸、プロバイオティクスが摂れる点が健康志向層に刺さり、「朝のルーティン」「職場での健康ドリンク」として定着しています。
また、ベリー、ジンジャー、マンゴーなどフレーバーの種類が豊富で、飲みやすい点も人気の理由。ビーガン対応・無添加タイプもあり、食の制限がある人でも取り入れやすい飲料です。自然派志向・美容意識の高い層・若年層を中心に、今も急速に市場拡大しています。
2.Greek Yogurt
アメリカで「発酵食品」といえばまず挙がるのがGreek Yogurt＝ギリシャヨーグルト。一般的なヨーグルトより水分が少なく、高たんぱく・低脂肪・低糖質という3拍子がそろい、Chobani、Fage、Oikosなどのブランドは朝食市場を牽引しています。腸の健康を支えるプロバイオティクス食品として長年定番であり、フィットネス層から健康意識の高い家庭まで幅広く支持。
料理への応用度が高いのも特徴で、スムージー、ディップ、ドレッシング、デザートなど用途も多彩。近年は乳糖フリーや植物性ベースのヨーグルトも増え、アレルギーや食の制限がある層にも受け入れられています。“毎日続けられる発酵食品”として、アメリカ人の食卓に最も定着した存在です。
3.Kimchi
韓国料理ブームと腸活トレンドが重なり、キムチはアメリカで発酵食品の象徴となりました。トレーダージョーズやWhole Foodsでも常設され、乳酸菌・食物繊維・栄養価の高さが評価されています。Z世代・ミレニアル世代の支持が厚く、“腸の健康＝全身の健康”という考えの普及が人気を後押ししています。
酸味と辛味のあるフレーバーは料理にアクセントを加えやすく、サンドイッチ、炒飯、スープ、タコスなど幅広くアレンジ可能。また、ヴィーガン対応のキムチも増え、健康意識の高い層・植物性食品を好む層にも広がっています。発酵野菜カテゴリーの中でも圧倒的存在感を持ち、今後もアメリカ市場での需要が高まる発酵食品です。
4.Sourdough Bread
出典：AmazonのSourdough Bread商品ページ
Sourdough Bread＝サワードウはパンデミック時期の手作りブームで再注目され、その後も安定的な人気を持つ発酵食品です。天然酵母による発酵でグルテンが部分的に分解され、一般的なパンより消化に優しいとされる点が健康志向層に刺さっています。
ローカルベーカリーやクラフト系ベーカリーが提供する本格的なサワードウは“リアルフード（自然で加工が少ない食品）”として評価され、ハンドクラフト食品の象徴にも。外側のパリッとしたクラストと、中のしっとりモチモチ食感はサンドイッチやトーストに最適です。
また、家庭で生地を育てて焼く人が増え、「食べる」だけでなく「作る」楽しさを提供する発酵食品として定着しています。こうしてライフスタイルの一部になりつつある存在になっています。
5.Tempeh
Tempeh＝テンペはインドネシア発祥の発酵大豆食品で、アメリカでは“肉の代替にもなる発酵食品”として人気です。大豆を菌で固めたブロック状で、食べ応えがあり、たんぱく質・食物繊維・ミネラルが豊富。発酵により栄養価が高まり消化もしやすいため、栄養士やヴィーガン層から支持されています。
炒める・焼く・揚げるなど調理が簡単で、照り焼きテンペ、テンペタコス、サラダのトッピングなど料理への応用幅も広いです。Beyond MeatやTofuに次ぐ“次世代プラントベース食品”として注目され、健康志向・環境意識の高い若い世代からの支持が拡大。食べやすくヘルシーで、植物性発酵食品の代表的存在となっています。
6.Miso
味噌は日本の伝統的な発酵調味料ながら、アメリカの健康志向・プラントベーストレンドの高まりによって再評価されています。腸内環境の改善が期待されるプロバイオティクスと、大豆由来のアミノ酸が豊富。
味噌汁だけでなく、ドレッシング・グレーズソース・肉のマリネ・ヴィーガン料理の“うま味付け”として広く利用されています。特にホワイト味噌（甘め）や無添加味噌は人気が高く、Whole Foods の調味料棚では常に売れ筋。海外の料理研究家のレシピに採用されることも増え、“万能発酵調味料”としての地位を確立しつつあります。食の多様性に応じた活用ができる点もアメリカ市場での強みです。
7.Kefir
Kefir＝ケフィアはヨーグルトより多様な乳酸菌・酵母を含む発酵乳飲料で、近年アメリカで人気が急上昇しています。特に有名ブランドLifeway Kefirが腸活ドリンクとして定番化し、スーパーではKombuchaと並んで“腸の健康”カテゴリーに配置されるほど存在感があります。
飲むだけで栄養補給ができるため、忙しいビジネスパーソンや健康意識の高い層に支持され、朝食代わり・スムージーのベースとしても活躍。ストロベリー・ブルーベリーなどフレーバーも豊富で続けやすいのが特徴です。また乳糖不耐症対応や植物性ケフィアなど選択肢も広がり、多様なライフスタイルにマッチした発酵食品として成長を続けています。
8.Sauerkraut
Sauerkraut＝ザワークラウトはキャベツを乳酸発酵させた食品で、アメリカでは腸活ブームとクラフトフード人気の高まりにより再注目されています。BubbiesやWildbrineの“生・無添加”ザワークラウトは全米で人気。乳酸菌が豊富で低カロリーなうえ、肉料理・ホットドッグ・サンドイッチなどと合わせやすく、食卓に取り入れやすい点が評価されています。
発酵による酸味とうま味が料理に深みを与え、健康目的だけでなく味の観点でも支持される発酵食品です。またクラフトコンブチャや自家製キムチと同様、“加工度の低いリアルフード”として選ばれやすく、ローカル食品市場でも存在感を高めています。
まとめ
発酵食品は今、アメリカの食市場において単なる健康ブームを超え、日常のライフスタイルそのものへ深く浸透し始めています。腸内環境と心身の健康を結びつける「腸脳相関」の考えが一般的になり、消費者は体に良いだけでなく、続けやすく、美味しく、多様な食習慣に対応できる食品を求めています。その結果、コンブチャのような“手軽に飲める発酵ドリンク”から、サワードウやテンペなど食文化を象徴する伝統食品まで、さまざまな発酵食品が新たな価値を持って受け入れられるようになりました。
また、アメリカの食卓には世界中の発酵文化が混ざり合い、日本・韓国・東南アジア・ヨーロッパなどの食が自然に共存しています。発酵食品は味のバリエーションを広げるだけでなく、食の安全性・ナチュラル志向・プラントベーストレンドとも相性が良く、今後も成長が続くジャンルといえるでしょう。
今回紹介した8つの食品は、どれも健康・美容・味わい・ライフスタイルの観点から高い評価を得ており、日々の生活に取り入れやすいものばかりです。腸活を始めたい人も、食を豊かにしたい人も、自分に合う“発酵のかたち”からぜひ試してみてください。そして弊社IGNITEでは、こうした海外をターゲットしたビジネスのお助けを行っています。海外マーケティングに特化したプロフェッショナル・チームが、市場調査はもちろん、翻訳・ローカライズ、コンテンツ制作から、海外向け広告運用まで、総括的なサービスをお届けします。日本企業の海外進出を後押しする専門会社として、お客様の事業を多角的にサポート。まずはお気軽にご相談ください！
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