アメリカの食品市場において、「グルテンフリー」はもはや一過性の流行ではなく、ライフスタイルとして根付いてきています。調査によると、2025年時点でアメリカのグルテンフリー食品市場は500億ドル規模に達すると予測されており、消費者の関心はアレルギー対応だけでなく、美容・健康・ダイエットの観点からも拡大しています。
そんな中で注目を浴びているのが、日本発の食材「米粉（Rice Flour）」を使用したスイーツ。米粉はグルテンを含まず消化しやすい上に、もちもち・ふんわりとした独特の食感を生み出すことから、欧米のベーカリーシーンで急速に浸透しつつあります。さらに、アジア食材や和スイーツへの関心が高まる中で、抹茶や黒ごま、きな粉を使った米粉スイーツが「ヘルシーでおしゃれ」としてSNSで話題に。ここでは、アメリカのグルテンフリー層を中心に注目を集める米粉スイーツ8選をご紹介します。
▼アメリカで話題の米粉スイーツ8選
（市場の人気をもとに）
- 米粉ブラウニー（Rice Flour Brownies）
- 米粉パンケーキ（Gluten-Free Rice Flour Pancakes）
- 米粉クッキー（Rice Flour Cookies）
- 米粉シフォンケーキ（Rice Flour Chiffon Cake）
- 米粉マフィン（Rice Flour Muffins）
- 米粉ドーナツ（Rice Flour Donuts）
- 米粉チーズケーキ（Rice Flour Cheesecake）
- 米粉クレープ（Rice Flour Crepes）
1.米粉ブラウニー（Rice Flour Brownies）
米粉を使ったブラウニーは、アメリカのグルテンフリー市場で最も注目されるスイーツの一つです。濃厚なチョコレートの風味を楽しみつつ、米粉特有の軽やかでしっとりした口当たりにより、従来の小麦粉ブラウニーよりも「罪悪感なく食べられる」として支持を集めています。
Simple MillsやKing Arthur Baking Companyといった自然派ブランドが展開するブラウニーミックスは、Whole FoodsやTargetなど大手スーパーでも手に入り、家庭で気軽に焼けることから人気急上昇中です。アーモンドフラワーやココナッツシュガーと組み合わせた商品も登場し、グルテンフリーだけでなく「クリーンイーティング」や「低糖質志向」にも対応。健康志向と嗜好性を両立する新しいスイーツとして、多くの消費者に受け入れられています。
2.米粉パンケーキ（Gluten-Free Rice Flour Pancakes）
アメリカ人の朝食に欠かせないパンケーキは、グルテンフリーブームの中で米粉を使ったレシピが大きな注目を集めています。Bob’s Red Millが販売するグルテンフリーパンケーキミックスは特に人気が高く、Whole FoodsやTrader Joe’sといったスーパーの定番商品。米粉を使うことで軽くふわふわした食感が実現し、ベリーやナッツ、メープルシロップを添えると「インスタ映えするヘルシーブランチ」として若い世代からも支持を獲得しています。
さらに、チェーンレストランのIHOPでもグルテンフリーパンケーキが導入され、外食の場でも手軽に楽しめる環境が拡大。米粉パンケーキは、健康志向、食物アレルギー対応、さらには見た目の美しさまで兼ね備えた“次世代の定番朝食”としての地位を築いています。
3.米粉クッキー（Rice Flour Cookies）
サクサクと軽い食感が特徴の米粉クッキーは、アメリカのグルテンフリー市場で急成長しているカテゴリーです。Partake Foodsなどブランドは、米粉をベースにチョコチップやオーツ、ナッツを組み合わせたアレルゲンフリークッキーを展開し、子どもから大人まで安心して楽しめるおやつとして高い評価を得ています。米粉を使うことで小麦に敏感な人でも食べられるだけでなく、ほろほろと崩れる独特の食感が新鮮な魅力に。
近年ではプロテインやスーパーフードを加えた機能性クッキーも登場しており、「健康的なおやつ」としても人気が高まっています。学校のランチボックス用スナックとしても重宝され、アメリカの家庭に浸透しつつあるのが米粉クッキーです。
4.米粉シフォンケーキ（Rice Flour Chiffon Cake）
出典：Lady Mの公式サイト
ふわふわと軽やかな食感のシフォンケーキは、米粉を使用することでさらにエアリーな仕上がりになり、アメリカでも高い人気を得ています。ニューヨークやロサンゼルスに展開する日系カフェやパティスリーでは、抹茶や黒ごま、ゆずなどのアジアンフレーバーを取り入れた米粉シフォンが話題に。
代表例はLady Mで、米粉を使ったスポンジが特徴のアジアンテイストのケーキが若い世代を中心にSNSで拡散されています。Z世代は「ヘルシーでおしゃれ」なライフスタイルを重視しており、グルテンフリーとアジアンフードブームの両方を満たす米粉シフォンはまさに時代のニーズにマッチ。デザートの新定番として都市部のベーカリーで急速に広まっています。
5.米粉マフィン（Rice Flour Muffins）
米粉を使ったマフィンは、アメリカの朝食や軽食として欠かせない存在になりつつあります。Trader Joe’sではブルーベリーやパンプキンを使ったグルテンフリーマフィンが人気商品として販売され、自然派志向の消費者に支持されています。米粉マフィンはしっとり感ともっちり感を兼ね備え、食べ応えがありながらも胃にもたれにくいのが特徴。
さらに、チアシードやプロテインパウダーを加えた機能性マフィンも登場し、フィットネス層やダイエット志向の層からの需要も増加しています。スーパーだけでなくカフェのメニューにも取り入れられており、「健康的でエネルギーになる朝食」として米粉マフィンは急速に市民権を得ています。
6.米粉ドーナツ（Rice Flour Donuts）
出典：Erin McKenna’s Bakeryの公式サイト
アメリカ人の定番スイーツであるドーナツも、グルテンフリートレンドに適応して進化しています。ニューヨーク発のErin McKenna’s Bakeryでは、米粉を使った焼きドーナツやヴィーガンドーナツが看板商品となり、地元客や観光客から高い評価を受けています。米粉を使うことで油を多く吸わず、もちっとした食感と軽さを両立。
シナモンシュガーやチョコレートコーティングなどアメリカ人好みの味付けが施されつつ、ギルトフリーなスイーツとして健康志向の若者に人気です。ドーナツ文化の根付いたアメリカで、米粉ドーナツは新しい世代のスイーツとして注目度を増しています。
7.米粉チーズケーキ（Rice Flour Cheesecake）
チーズケーキはアメリカを代表するスイーツの一つですが、米粉を使うことでより軽やかで消化に優しいスタイルが支持を集めています。特にKatz Gluten FreeやWhole Foodsのベーカリー部門では、タルト生地部分に米粉を使用したチーズケーキが展開され、グルテンフリー層を中心に人気を博しています。
濃厚でありながら後味が軽いため、ダイエット中やフィットネス志向の消費者から「罪悪感なく楽しめるチーズケーキ」として定評があります。ニューヨークチーズケーキの新しいバリエーションとして浸透しつつあり、今後さらに需要が高まると見られています。
8.米粉クレープ（Rice Flour Crepes）
米粉を使ったクレープは、もちもちとした独特の食感が楽しめると同時に、スイーツ系から食事系まで幅広くアレンジできる点がアメリカで人気を集めています。西海岸のカフェチェーンCafé GratitudeやCrepeVineでは、米粉をベースにしたグルテンフリークレープを提供しており、ベリーやチョコレートを使った甘い系から、アボカドやチキンを使ったヘルシーランチまで選択肢が豊富です。
グルテンフリー、ヴィーガン、オーガニックなど複数のトレンドに対応していることから、特にロサンゼルスやサンフランシスコの若者層に強く支持され、SNSでのシェアを通じてさらに人気が拡大しています。
まとめ
アメリカにおけるグルテンフリー市場は年々拡大を続けており、「健康的で美味しい」という両立を実現した商品が消費者に強く求められています。そんな中、米粉スイーツは、小麦粉の代替品ではなく、新しい味覚体験を提供する存在として注目を集めています。SNSを中心にアジアンフードや和スイーツへの関心が高まっていることも追い風に。米粉ブラウニーや米粉パンケーキなどは定番化しつつあります。
また、オーガニック・ナチュラル志向のスーパーが米粉スイーツを積極的に展開している点も市場拡大の背景にあります。これからは「米粉×スーパーフード」「米粉×高たんぱく」など、健康や美容を意識した新しい組み合わせがさらに進化していくことが予想されます。米粉スイーツは、アメリカのグルテンフリー層だけでなく、幅広い消費者層に受け入れられる“次世代スイーツ”として定着していくでしょう。
弊社IGNITEでは、こうした海外をターゲットしたビジネスのお助けを行っています。海外マーケティングに特化したプロフェッショナル・チームが、市場調査はもちろん、翻訳・ローカライズ、コンテンツ制作から、海外向け広告運用まで、包括的なサービスをお届けします。日本企業の海外進出を後押しする専門会社として、お客様の事業を多角的にサポート。まずはお気軽にご相談ください！
.avif)
.avif)
.avif)
メールマガジン登録
海外マーケティングに関するノウハウをメルマガで配信いたします
