パンフレットの翻訳は難しい?翻訳時のNG事項とは

最近では、AIの自動翻訳も著しく発達しており、あっという間に短時間で翻訳をすることが可能です。しかし、直訳の文になってしまっては顧客にパンフレットの内容や伝えたいことも正確に伝わらず、パンフレットの意味がなくなってしまいます。加えて、パンフレット翻訳で最も重要な点は、PDFで作成するというところです。万が一、印刷後にミスが発覚なんてことになれば、大惨事に発展しかねません。

この記事では、そんな事態にならないためにも、パンフレット翻訳の重要なポイントやNG事項を詳しくご紹介していきます!

▼パンフレットに限らず、海外向けに多言語で翻訳を行う際のポイントについて知りたいという方は、以下の記事もご覧ください。

https://igni7e.jp/blog/translation-for-overseas

パンフレット翻訳のポイント

それでは、まずはじめにパンフレット翻訳をする上での重要なポイントをご紹介します。

1. スペルや文法を正確に翻訳

どの翻訳にも言えることですが、スペルや文法の正確性はとても重要なポイントと言えるでしょう。英語では、1文字でも間違っていると意味が全く異なってしまう場合も多くあります。例えば、「carve」と「curve」です。スペルも読み方もとても似ていますが、「carve」は彫刻するという意味で「curve」は曲線、曲げるといった意味になります。

このように、スペルミスによって文章が全く別の意味になってしまったり、同じ意味でも場面によって使い方が変わる単語もあるため、細心の注意が必要です。せっかく手に取って読んでくれる読み手の信頼を裏切らないためにも、しっかり確認をしてミスを防ぐよう心がけましょう。

2. 専門用語は統一した翻訳を心がける

そして、単語の言い回しを統一することで一貫性のある翻訳にすることができます。専門的な分野の場合、繰り返し同じ単語が多く使われることもあります。

例として「漫画」のことについてのパンフレットがあるとします。英語では「Manga」や「Comic book」、「Cartoon」と訳すことが出来ます。ところが、パンフレットの中にこれら全ての単語が入っていると、統一感がなく読みにくい文章になってしまします。

そこで、例えば、漫画を表す全ての単語を「Manga」に揃えて文章を作成することで、パンフレット全体に一貫性が生まれ、読み手にも伝わりやすくなります。また、アメリカ英語とイギリス英語でも違うように同じ英語でも国によって、単語が変化する場合もあるためネイティブに確認してもらいながら翻訳すると良いでしょう。

3. ターゲットの文化や習慣も考慮する

パンフレットを翻訳する上で、ターゲットを理解することは必要不可欠です。国によって、文化や宗教が異なるため、読み手の価値観にあった翻訳をする必要があるからです。数字を例に挙げると、イタリアでは「17」、アメリカでは「13」が不吉な数字とされています。

反対に、ラッキーセブンとも言われる「7」やスペインでは「15」はいい数字とされています。これらは、宗教や政治の関係によって変わるイメージですが、こうした文化的背景も理解することで読み手に不快感を与えることなく、伝えたい内容にフォーカスすることが出来ます。

4. ネイティブスピーカーを確保する

より正確なパンフレット翻訳を行うには、言語やその国のことについて理解しているネイティブチェックを依頼することをおすすめします。やはり、他国の言語学習者ではその国の文化や習慣などを配慮して、ニュアンスや単語選びをすることは難しい場合もあります。

例えば、イスラム教徒が多い言語への翻訳では、宗教的な配慮も欠かせません。ここでは「豚肉」という言葉は忌避されるため、「豚」を避けた表現を用いる必要があることに気づくことが出来ます。このように、ネイティブスピーカーに依頼することで伝えたい内容を正確に分かりやすく翻訳するだけでなく、文化的配慮にも繋げられるでしょう。

▼翻訳におけるネイティブチェックの重要性やポイントについて、もっと知りたいという方は以下の記事もご覧ください。

https://igni7e.jp/blog/translation-native-checking

パンフレット翻訳の重要性について

パンフレットは、会社のイメージを作る営業マンとも言える存在です。自社のことを知ってもらう大切な営業マンだからこそ、たとえコストがかかっても確実に伝わるクオリティにこだわることは、長期的な視点から見ると当然のことでしょう。さらに、伝えていきたい内容やコンセプトを理解し、ターゲットに伝わる表現力とライティング能力を兼ね備えた人材を選定することも重要になってきます。

パンフレット翻訳時のNG事項

続いては、パンフレット翻訳でやってはいけないNG事項をご紹介します。

自動翻訳に頼りすぎてしまう

AIを使えば簡単に翻訳ができますが、これらに全て頼ってしまうのは危険と言えるでしょう。自動翻訳は、まだ表現によっては正確に表示されない用語や文化的背景を配慮した文面などは構成できないため、そのまま利用してしまうとトラブルに繋がる可能性もあります。日本のことわざを例に出すと、「豆腐で歯を痛める」という表現があり、これは「現実ではありえないこと」という意味になります。

しかし、このことわざを英語自動翻訳にかけると「Tofu hurts  your teeth」のように直訳で出てきます。これでは本当の意味が伝わらないため、その場合は「It can't be real.」といったように意味に似ている言葉に訳すことで伝わる翻訳にすることができます。このように、必ず人間の目で確認と修正を行うことはとても重要となります。

参考元:https://www.deepl.com/ja/translator

専門用語の誤用

固有の専門用語の誤用には十分に注意しましょう。これは、専門家やユーザーからの信頼を損なう原因になってしまいます。例えば、生活習慣病の一種としてよく聞かれる「糖尿病」という疾患は、日本の医療従事者の間では「Diabetes Mellitus」を略して「DM」と呼ばれています。

しかしアメリカでは「Diabetes」と呼ぶことが一般的であるため、「DM」と言っても通じません。「DM」という呼称は日本でのみ使用されている和製英語なのです。このように日本語で当たり前に使われている専門用語が、海外では異なる言い回しで呼ばれていることも多いため、正確にパンフレットの内容を伝えるためには、専門用語の翻訳時に、最新の注意を払う必要があります。

また、忘れてはいけないのが、パンフレットは印刷物だということです。そのため万が一、間違っている状態のまま印刷されてしまうと修正ができないため、全て処分となり、会社にとっても大きな損害となってしまいます。そんな最悪な状況にならないためにも、しっかりチェックする体制を整えることが重要です。

パンフレットの翻訳は自社で対応しても問題ないのか

パンフレット翻訳を自社で行うこと自体は問題はありません。

しかし、ネイティブスピーカーがいない場合は、必然的に翻訳の質が下がってしまうリスクがあることは覚えておきましょう。そのため、クオリティを確保するのであれば専門家やプロへ依頼することをおすすめします。その場合は、PDFのレイアウトなどを含めて変更できるのかも確認するといいでしょう。

まとめ:質の高いパンフレット翻訳を希望するなら、まずは専門家に相談を!

パンフレット翻訳では、いかに読み手にとって読みやすく伝わりやすい文章になっているかがとても大切です。またスペルミスや誤訳を防ぐためには、入念なチェックをして正確性を確保しなければなりません。しかし、これには多くの時間と労力が必要不可欠です。これらを考慮すると、パンフレットに限らず、翻訳を行なう場合には、対象言語の国の文化に関する知識と、ブランドやターゲットを意識した魅力ある言葉を使いこなす専門家やプロに依頼することがベストだと言えるでしょう。

この記事を監修した人
Daisuke K
マーケター、CMO
2021年にCMOとしてIGNITEのへの参加を果たした。以前からマーケティング業界での勤務経験を有し、IGNITEでは海外市場向けのマーケティング戦略を展開している。あらゆる国や地域からの、BtoB、BtoC案件を総監し、海外進出を検討する日本国内の企業から、日本への参入を希望する海外企業までのサポートを行っている。
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