カジュアル英語を使っても良い翻訳とフォーマルにすべき翻訳

翻訳は、異なる言語や文化間のギャップを埋める重要な役割を担っています。多様な背景を持つ人々が効果的にコミュニケーションをとり、互いの考えを理解することができるのです。一方で、翻訳をする際は、言語のトーンやスタイルを適切に選択することが最も重要となってきます。今回、このブログでは、翻訳におけるカジュアルな英語とフォーマルな表現の使い分け、そして、それぞれの適切な文脈についてご紹介します。

カジュアル英語を使っても良い翻訳とは?

カジュアル英語は、リラックスしたカジュアルなスタイルの英語を指します。例えば、日常会話、イディオム、略語、短縮形などを含みます。カジュアル英語の翻訳が使われる場としては、個人のブログ、SNS、動画字幕などの話し言葉を翻訳するときによく使われます。より会話的でフレンドリーなトーンなので幅広い読者層との距離感を縮めることができるでしょう。

例えばフォーマル英語では基本的に使うべきではないとされている一人称や二人称も、カジュアル英語では効果的に使ってユーザーに直接語りかけることもできます。さらに、慣用句や略語を取り入れることで、翻訳に味わいや親しみを与えることができるため、ターゲットとなる読者との繋がりを作るのに最適です。具体的には"we've" や"let's"のような短縮形も許容され、カジュアルで親しみやすいトーンに仕上がります。例えば、"Let's do it!" のような行動喚起の言葉を訳す場合、カジュアルな英語であれば、その熱意や動機が効果的に伝わり、聴衆に行動を促すことにも繋がるので、必要に応じて使用していくのがおすすめです。

フォーマル英語を使うべき翻訳とは?

一方、フォーマルな表現は、より専門的で体系的なスタイルに従ったもの。三人称を基本とし、受動態を用い、正確な用語を使用することが特徴的です。例えば、契約書や利用規約、販売規約、学術論文など、フォーマルな文書において使用されることが多いです。フォーマルな英語翻訳では、プロ意識と尊敬を込めた言葉を使うことが重要となります。主語は人ではなく物と定義することがほとんどで、非人間的な表現が用いられます。また、客観性や中立性を強調するため、直接的な表現よりも受動態の表現が望ましいです。

例えば、規約の中に「事前の書面による許可なく会社のロゴを使用することはできません」という項目があったとします。そのまま翻訳すると①のようになりますが、このような文脈では②のように翻訳することで中立性を保つことができます。

①「You must not use the company logo without prior written permission.」

(事前の書面による許可なく会社のロゴを使用することは厳禁です。)

②「The company logo must not be used without prior written permission.」

(事前の書面による許可なく会社のロゴを使用することは厳禁です。)

このようにフォーマルな表現を使用することで、プロフェッショナルな文脈に適した文章となります。特に法律などの分野ではこのような表現がより一般的に使われています。

ビジネストーンにすべき翻訳

ビジネスの世界では、効果的なコミュニケーションが欠かせません。社内での情報伝達や、クライアントや関係者への連絡など、翻訳に適切なトーンを使うことで、大きな違いが生じることを回避しなければなりません。このセクションでは、翻訳におけるビジネストーンについて、また、適切な形式について説明します。

ビジネストーンとは

画像引用元:Pixabay

まずはじめに、ビジネストーンとは、企業や公の場でのコミュニケーションに適した、プロフェッショナルでフォーマルな言語スタイルを表します。主語が人であることに変わりはありませんが、一人称代名詞の多用は避けた方がよいでしょう。その代わり、適切な距離を保ち、個人の意向よりも内容を優先させることに重点を置きましょう。

ビジネストーンでは、よりフォーマルな雰囲気を保つために、"we've" や "can't" などの短縮形の使用はできるだけ避けることがおすすめです。同様に、略語は控えめに、一般的に知られている、認知度の高い略語の場合にのみ使用するようにしましょう。そうすることで、翻訳に専門性と権威を持たせることができます。さらに、慣用句や口語的な表現、俗語は、ビジネストーンでは避け、意図したメッセージを正確かつ効率的に伝えるために、明確で簡潔な言葉を選ぶことを心掛けてください。

ビジネストーンに適した形式

ビジネストーンは、様々な専門的なビジネスシーンなどに適しています。例えば、会社のブログ記事では、読者との信頼関係を築くためにビジネストーンの使用が効果的です。また、プレスリリースや報告書、企画書などでは、フォーマルで権威のある表現が求められるため、ビジネストーンは非常に適しています。このような場面でビジネストーンを採用することで、こちらが意図する情報をより効果的に、かつ正確に伝えることが可能です。

明確で簡潔な表現とフォーマルな表現は、こちらが意図する内容の本質や重要性を伝えるのに非常に役立ちます。ビジネスシーンにおけるコミュニケーションでは、特定の対象者に合わせ、文脈や翻訳のトーンを調整することで、プロフェッショナルな印象を与えることができることをぜひ覚えておきましょう。

カジュアル英語を使っても良い翻訳

カジュアルな英語翻訳は、様々な文脈で使える汎用性の高い魅力的なスタイルとして使用されています。このブログでは、カジュアル英語の特徴や、どのような場面であれば使っても良いのかご紹介します。

カジュアル英語とは

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カジュアル英語は、その名の通りカジュアルなスタイルで、より会話的でフレンドリーな表現をする時に使用されます。一人称や二人称の代名詞、イディオム、略語、短縮形など、日常会話でよく使われる要素が盛り込まれているので、翻訳に色彩や表現力が加わり、文章の魅力がさらに高まります。また、「I'll」や「don't」などの略語や短縮形は、カジュアルな雰囲気を演出し、より会話的でフレンドリーな翻訳を可能にします。

カジュアル英語に適した形式

カジュアル英語の翻訳は、幅広い読者の関心を引きつけることを目的とした、さまざまな形式に適しています。例えば、個人のブログにて、体験談や意見、クリエイティブなコンテンツなどを紹介する場合など、親しみを持ってもらいやすい雰囲気を演出するために、カジュアルな英語を使用することが効果的です。

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また、カジュアル英語は、SNSの翻訳にも適しています。SNS上での投稿、コメント、キャプションなどにカジュアルな英語を使うことで、ユーザー同士の交流を促し、コミュニケーションの幅を広げることもできます。

その他にも、動画の字幕など、話し言葉を翻訳する場合にも、カジュアルな英語を使うことで、自然な話し方の流れが伝わりやすく、元のコンテンツの信憑性の保持にも繋がります。

このようにカジュアル英語を活用することで、フレンドリーで親しみやすい印象を与えることができるので、オーディエンスと効率よく関係性を築くことのできる、効果的な翻訳を実現することができます。

クライアントやチームと明確な意思疎通を図ることが重要

翻訳の分野では、関係者全員がプロジェクトの目的と期待を理解するために、明確なコミュニケーションが欠かせません。正確でまとまりのある翻訳を提供するためには、一貫した表現やスタイルを確立することが重要です。このセクションでは、クライアントや翻訳チームと明確な関係を保つための戦略について説明します。

  • フォーマル度を段階に分けて設定しておく
  • プロジェクトごとにチーム全体で共有
  • 複数人が関わる場合でもトーン揺れのリスクを抑えることができる

フォーマルの度合いレベルを段階ごとに設定する

混乱や食い違いを避け、一貫したトーンを維持するためには、翻訳プロジェクトごとに異なるフォーマルレベルを設定することが重要です。このためには、プロジェクトのガイドラインなどで、望ましいトーンやスタイルを明確に定義する必要があります。例文や参考資料を提供することで、チーム全員が順守すべき内容を理解し、翻訳に統一感を持たせることができるでしょう。

例えば、法律文書や契約書、学術論文などにはフォーマルな翻訳が必要で、マーケティング資料や社内コミュニケーションには、比較的カジュアルなビジネストーンの翻訳が適している、といったように、明確なガイドラインを設定することがおすすめです。そうすることで関係者全員が理解を深め、より目的に応じた適切な翻訳を行うことができます。

チーム全体で共有する

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効果的なコミュニケーションは、クライアントと翻訳者の関係にとどまりません。複数の翻訳者がプロジェクトに参加する場合、確立されたトーンとスタイルガイドラインをチーム全体で共有することが重要です。チームで共有することにより、翻訳全体の一貫性が保たれるので、翻訳者が変わった場合に、表現方法やスタイルが変わるリスクも回避できます。

具体的には、共有ドキュメントや専用チャンネルなど、コラボレーションツールやプロジェクト管理プラットフォームなどを使用すれば、チームメンバーがいつでも簡単にアクセスでき確認を行えます。

また、オープンなコミュニケーションを促し、説明の機会を設けることで、さらにメンバー内で理解を深め、意見の食い違いを最小限に抑えることができます。結論として、翻訳プロジェクトを成功させるためには、クライアントと翻訳チームの両方において、明確なコミュニケーションをとることも重要なポイントとなります。

そして、プロジェクトに応じた、様々なレベルの形式を設定し、ガイドラインを共有、一貫した表現方法を維持することで、翻訳の明確性と一貫性を維持し、最終的にクライアントの目的と期待に応えられるような結果を出すことに繋がるでしょう。

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