【調査データ公開】海外BtoB取引で信頼されるWebサイト制作のポイント

新たなビジネスチャンスを求め、海外に進出する日本企業が増加する今。海外企業とのBtoB取引において、企業のWebサイトは単なる情報発信の場ではなく、「信頼できる取引先かどうか」を判断される重要な評価軸となっています。

海外市場では、対面での接点が限られる分、Webサイトが最初であり、かつ最も重要な接点になるケースも少なくありません。

本記事では、海外BtoB企業を対象とした調査データをもとに、実際に「信頼されているWebサイト」の共通点を整理。BtoB企業をターゲットにした海外向けWebサイト制作・改善において押さえるべきポイントを具体的に解説します。

海外展開でBtoB企業がWebサイトを強化すべき理由

海外向けのBtoBビジネスでは、企業のWebサイトが「信頼できる取引先かどうか」を判断する重要な材料に。対面の機会が限られる海外取引において、Webサイトは営業活動を支える基盤として、これまで以上に役割を増しています。

海外進出におけるWebサイトの役割

海外の取引先やパートナー候補にとっては、企業の姿勢や実態を見極めるための「公式な判断材料」になります。

海外ユーザーが最初にチェックするポイント

  • 企業概要や事業内容が分かりやすく整理されているか
  • 製品・サービスの強みや用途が具体的に説明されているか
  • 実績や導入事例が確認できる情報が掲載されているか

海外向けWebサイトは情報発信の場であると同時に、企業の信頼性・専門性・継続性を可視化する役割を担っています。海外市場においては、Webサイトそのものが営業活動の一部として機能しているといえるでしょう。

BtoB取引では「最初の接点」がWebサイトに

海外のBtoB取引では、商談や問い合わせに至る前の段階で、企業Webサイトが確認されることケースが多く見られます。

展示会や紹介をきっかけに興味を持たれた場合でもまずWebサイトを通じて企業情報が判断されるでしょう。BtoB取引においてWebサイトは、「最初の接点」であると同時に、信頼構築の出発点でもあります。

そのため、海外展開を進める企業にとって、Webサイトの質は営業活動の成果や企業評価に直結する重要な要素の1つとなります。

【調査結果】BtoB取引で最も信頼される情報源は企業Webサイト

海外BtoB取引において、どの情報源が最も信頼されているのか。最新の調査データからは、企業Webサイトが他の情報源を大きく上回る存在であることが明らかになりました。

調査概要と対象ユーザー

本記事で紹介するのは、最新の調査「International B2B Marketing Survey:Insights for Japanese Market Entry」の結果です。本調査は、海外企業が日本企業とのBtoB取引を検討・実施する際に、どのような情報源を重視しているのかを明らかにすることを目的として実施されました。

調査対象は、日本企業との取引経験、もしくは取引を検討したことのある海外企業のBtoB担当者で、業種や企業規模は多岐にわたります。

なぜ企業Webサイトが最も信頼されるのか

企業Webサイトが最も信頼される最大の理由は、企業自身が直接管理・発信する公式情報源である点にあります。

調査では、「ビジネスパートナーを選定する際、どの情報源を最も信頼しているか」という設問を設け、複数の選択肢から回答を得ました。

約40%の回答者が「企業Webサイト」を最も信頼できる情報源として選択。営業担当者からの説明や展示会、第三者メディア、SNSなどを上回る結果となっており、海外BtoB企業の情報収集行動において、企業Webサイトが中心的な役割を担っていることがうかがえます。

海外のBtoB取引では、製品やサービスの内容だけでなく、企業概要や実績、理念、サポート体制といった情報を総合的に確認したうえで、取引の可否が判断されます。

企業Webサイトは、こうした情報を一箇所で網羅的に確認でき、かつ最新情報が常に反映されている点から、高い信頼性を持つ判断材料として重視されています。

一方で、情報が不足していたり、更新が滞っているWebサイトは、企業の実態が見えにくく、取引リスクが高いと判断されがちです。

そのため海外のBtoB取引において、企業Webサイトは信頼性を測る最重要の判断材料の1つとなっています。

海外のBtoBユーザーがWebサイトに求める情報5選

調査結果からは、海外のBtoB企業がWebサイトに対して「最低限確認したい情報」が明確に存在していることが分かりました。以下では、重視されている5つの情報カテゴリについて解説します。

① 製品・サービスの詳細情報(仕様・強み・用途)

海外のBtoB企業が最も重視しているのが、製品・サービスに関する具体的で正確な情報です。概要説明だけではなく、仕様、機能、用途、導入によって得られる効果などが、できるだけ具体的に示されていることが求められます。抽象的な表現だけでなく、技術的な仕様や活用シーンを明示することで、検討段階を一段進めることができます。

② 企業概要・実績・信頼性を示す情報

海外のBtoB企業にとって、製品やサービスの内容だけでなく「どんな会社が提供しているのか」も大切な判断ポイントです。会社の概要や歴史、事業内容、拠点の情報が分かりやすくまとめられていると、会社の実態や長く続いている企業であることが伝わります。

また、これまでの取引実績や導入企業、業界内でのポジション、受賞歴や認証などは、会社の信頼性を支える重要な情報です。

③ 価格・取引条件に関する情報

海外のBtoB企業は、価格が全く分からない状態を「不透明」「リスクが高い」と感じる傾向があります。すべての価格を明示することが難しい場合でも、料金体系の考え方や、見積もりまでの流れ、最低発注条件などが説明されていることで、検討のハードルを下げることができます。

④ 導入事例・ケーススタディ

導入事例やケーススタディは、海外のBtoB企業が製品やサービスの活用イメージを具体的に理解するために重要な情報です。

課題と解決内容、成果を分かりやすく示すことで、価値が伝わりやすくなります。海外向けWebサイトでは、業界別・用途別に整理された事例や、数値を用いた成果の提示がおすすめです。

⑤ 多言語対応・サポート体制に関する情報

多言語対応されたWebサイトは、海外のBtoB企業にとって「海外顧客を本気で想定している企業か」を判断する重要なポイントです。

対応言語やサポート体制を明示することで、取引への安心感と信頼性が高まります。
対応言語に加えて、問い合わせ対応の言語やサポート体制、対応時間も明示されていれば、取引後の不安を減らし、信頼性を高めることにつながるでしょう。

海外向けBtoBサイトで多言語対応とローカライズが必要な理由

海外BtoB取引において、多言語対応は利便性の問題だけではありません。Webサイトの言語設計そのものが、企業姿勢や取引への本気度を判断されるポイントとなっています。

日本語のみのWebサイトが海外BtoB取引で不利になる理由

調査結果から、日本語のみで構成されたWebサイトは、海外のBtoB企業にとって大きなハードルとなっていることが分かっています。

海外の企業にとって、日本語だけのWebサイトは、以下のような印象を与えてしまうことがありあります。

  • 海外との取引を考えていない会社なのでは?
  • サポートが十分ではないかもしれない

たとえ製品やサービスに魅力があっても、言葉の違いが原因で、信頼を持ってもらえないケースもあるでしょう。多言語対応は、情報を伝えるためだけのものではありません。

「海外のお客さまを受け入れる準備ができている会社です」という姿勢を伝える、大切な役割も持っています。

翻訳では不十分な理由

多言語対応というと、既存の日本語コンテンツをそのまま翻訳すればよいと考えられがちですが、それだけでは十分とはいえません。多言語翻訳には、気をつけるべきポイントが多々。海外のBtoB企業は、製品仕様や取引条件を細かく確認する傾向があり、曖昧な表現や分かりにくい説明は信頼低下につながります。業界理解を前提とした翻訳や、現地の商習慣・文化を踏まえたローカライズが不可欠です。

翻訳に関しては、マーケティング翻訳を機械だけで終わらせてはいけない理由を解説した記事も合わせてご確認ください。

調査から見るBtoB Webサイトの信頼性を高める共通ポイント

調査結果を分析すると、海外のBtoB企業から信頼されているWebサイトには、いくつかの共通した要素が存在します。

企業情報・実績・事例の見せ方

信頼性の高いWebサイトに共通しているのは、企業情報や実績が分かりやすく整理されている点です。企業概要、事業内容、拠点情報といった基本情報に加え、具体的な取引実績や導入事例が明示されています。

海外ユーザーは、「どのような企業と、どのような取引を行ってきたのか」を重視。事例を単なる紹介で終わらせず、課題・解決策・成果といった流れで整理することで、信頼性と説得力が大きく高まります。

専門性と安心感を伝える情報設計

海外向けBtoB Webサイトでは、専門性と安心感を同時に伝える情報設計が求められます。専門用語や技術情報を正確に掲載することは重要ですが、それだけでは不十分です。

問い合わせ方法やサポート体制、セキュリティ対策、取引プロセスなどを明確に示すことで、「取引後も安心してやり取りできる企業」であることが伝わります。調査からは、こうした情報が不足しているWebサイトほど、検討段階で離脱されやすい傾向が見られました。

専門性と分かりやすさ、安心感のバランスを意識した情報設計が、海外BtoB取引における信頼構築のポイントとなります。

海外向けBtoBのWebサイトを改善する3つの戦略

海外のBtoB企業がWebサイトを通じて「企業を評価し、取引可否を判断している」という事実を踏まえた、海外向けBtoBのWebサイト改善のための3つの戦略を解説します。

戦略1. コンテンツ設計で検討度を高める

海外向けBtoB Webサイトでは、「情報量を増やすこと」よりも、「検討段階に応じた情報設計」が重要です。初期検討のユーザーには企業概要や強みが分かる情報を、比較検討段階のユーザーには製品仕様や導入事例、取引条件などを提示することで、自然に検討度を高めることができます。

海外の企業は、短時間で必要な情報を把握したいと考えているため、情報の整理や構造化が欠かせません。必要な情報にすぐアクセスできる状態をつくることが、問い合わせや商談につながりやすいWebサイトにつながります。

戦略2. 信頼を損なわない導線・UX設計を行う

信頼性の高い情報を掲載していても、導線やUX(ユーザー体験)が不十分であれば、評価は大きく下がってしまいます。

問い合わせ方法が分かりにくい、ページ構成が複雑、モバイルで閲覧しづらいといった点は、検討離脱の原因に。言語切り替えの分かりやすさや、ページ読み込み速度なども、海外ユーザーにとっては重要な評価ポイントです。

戦略3. データを活用して継続的に改善する

海外向けBtoBのWebサイトは、一度作って終わりではありません。市場や競合、ユーザーの行動は常に変化しており、それに合わせた継続的な改善が求められます。

アクセス解析や行動データを活用することで、どのページがよく見られているのか、どこで離脱が起きているのかを把握することが可能。データをもとに、コンテンツの見直しや導線改善を行うことで、Webサイトの信頼性と成果を段階的に高めていくことができます。

海外向けBtoB Webサイト成功のポイントとなる「信頼設計」

海外市場では、Webサイトが単なる情報掲載の場ではなく、取引判断を左右する重要な評価軸として機能。海外のBtoB企業は、製品・サービスの内容だけでなく、企業の姿勢や体制、継続性までをWebサイトから読み取っています。

海外向けBtoBのWebサイト成功のポイントは、デザインや機能だけでなく、「この企業は信頼できるか」を一貫して伝える信頼設計にあります。調査データと実務視点を踏まえ、自社のWebサイトを改めて見直すことが、海外市場での競争力強化につながるでしょう。

本記事とあわせて、海外向けサイトに最適なデザインを解説した記事も参考にしていただくと、グローバル展開成功へのヒントが得られるはずです。

この記事を監修した人
Daisuke K
マーケター、CMO
2021年にCMOとしてIGNITEのへの参加を果たした。以前からマーケティング業界での勤務経験を有し、IGNITEでは海外市場向けのマーケティング戦略を展開している。あらゆる国や地域からの、BtoB、BtoC案件を総監し、海外進出を検討する日本国内の企業から、日本への参入を希望する海外企業までのサポートを行っている。
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