AI翻訳のポストエディットにおいて、いくつかの重要なポイントがあることをご存じでしょうか?これらのポイントを理解することで、ポストエディットプロセスにおける効率と精度を高めることができます。
事前にどのくらいの精度を希望するのか決めておく
ポストエディットを行う前に、翻訳に必要な精度を見極めることが肝心です。意味が伝わればいいのか、もしくは、ネイティブ並みの英語力が必要なのか。この点をクライアントと明確にすることで、より具体的な期待値を設定し、それに応じてポストエディットの作業を効率化することができます。
AI翻訳でよくある間違いを知っておく
画像引用元:Pixabay
AI翻訳は素晴らしいものですが、欠点がないわけではありません。AIがやりがちな、よくあるミスを事前に把握することで、ポストエディット時に即座にミスを特定し修正することができます。ここでは、気をつけるべき問題をいくつか紹介します。
1. 文の欠落
特に長い文章をAIで翻訳する場合、文章が丸ごと省略されることがあるので、欠落している文章がないか訳文を注意深く確認しましょう。
2.時制の誤り
日本語と英語の文法構造の違いから、AIが文の時制を誤認し、不正確な表現になることがあります。動詞の形に注意し、こちらの意図した意味と一致していることを確認してください。
3.主語の間違い
日本語では主語が省略されていることが多いことから、AIが正確に主語を割り当てて翻訳することが困難な場合があります。必ず主語が正しく認識されているかどうかを確認し、必要に応じて調整することがポイントとなります。
このようなミスは、翻訳前のプリ・エディット段階で翻訳しやすい文章にすることで大幅に防ぐことができます。こちらのブログ記事でプリ・エディットに使えるソフトウェアをまとめているのでぜひご覧ください。
4.固有名詞の大文字表記
AIは、製品名などの固有名詞を認識できないため、大文字で表記していない場合があります。大文字表記や独自の表記が必要な単語がないか確認し、必要に応じて修正を行いましょう。
5.翻訳の一貫性
AIを使って翻訳すると、元の単語が同じでも、文脈によって異なる訳語が使われることがあります。翻訳された文章には適切な用語が使われているか、また内容が一致しているか確認するよう留意してください。
6.和製英語
カタカナで書かれた言葉は、和製英語である可能性があるため注意が必要です。AIはカタカナで書かれた言葉をそのまま英語にすることが多いですが、それが必ずしも正しい翻訳だとは限りません。適切な英語表現が反映されていることを必ず確認してください。
プリ・エディットをしっかり行っておく
プリ・エディットとは、翻訳にかける前にAIが認識しやすいよう原文を編集することです。AIが理解しやすい文章にすることで、翻訳の品質をより高めることができます。ここでは、プリ・エディットの際に使えるテクニックをご紹介します。
1.主語と時制を明確にする
日本語の特性として、主語や自制などの情報が曖昧になっている場合があります。原文の中で主語をや時制を明確にすることで、AIシステムが理解しやすくなり、さらに正確な翻訳を生成することができます。
2.長い文章を分割する
原文に読点を多用した長い文章がある場合、短い文章に分割する必要があります。そうすることでAIによる誤解を防ぎ、原文が意図した意味を適切に捉えることができます。
3.慣用句やオノマトペを避ける
慣用的な表現や擬音語は、AI翻訳が困難な可能性があります。そのような表現は、事前に言い換えを行うか、簡略化し、不正確な翻訳が出てくることを回避しましょう。
このように事前編集を行うことで、より理解しやすい原文をAIに提供することができ、翻訳品質の向上につながります。
AIと人力翻訳を組み合わせてより正確な翻訳へ
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翻訳の生産性を向上させるための強力なアプローチは、AIと人間の翻訳者両方の長所を活用することです。AIは翻訳を迅速に処理することはできますが、人間の翻訳者はAIにはない専門知識や文化的な理解力や言語力を持っています。そのため、AIが作成した翻訳と人間によるポストエディットを統合することで、効率と品質のバランスを実現することが可能です。
AIと人間の翻訳者の能力を組み合わせることにより、納期の短縮、人間翻訳者の作業負担の軽減、翻訳の自然さと正確性が確保できるなど、様々なメリットがあります。テクノロジーと人間がうまくコラボレーションすることで、翻訳プロセスの生産性を大幅に向上させることができるのです。
▼ネイティブチェックの重要性について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
https://igni7e.jp/blog/translation-native-checking
結論として、AI翻訳のポストエディットを行う上では、次の3つのポイントが重要です。
- 効果的なプリエディット技術
- よくある間違いの認識
- AIと人間の翻訳を戦略的に組み合わせること
これらを実践することで、ポストエディットのワークフローを最適化し、高品質の翻訳を効率的に提供することができます。皆さんもぜひ実践してみてください。
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