アメリカのインフルエンサーマーケティング完全ガイド:ジャンル別活用法

アメリカ市場への進出を検討する日本企業が直面する壁のひとつが、「現地の消費者にどう届けるか」という問いです。本ガイドでは、その答えのひとつとして注目されるインフルエンサーマーケティングを取り上げ、ジャンル別の主要クリエイター情報と商材カテゴリ別の選定指針を、現地市場を熟知するIGNITEの視点からわかりやすく解説します。

アメリカのインフルエンサーマーケティング市場が持つ可能性とは?

アメリカのインフルエンサーマーケティング市場は、2024年時点で約240億ドル規模に達し、今もなお右肩上がりの成長を続けています。YouTube・Instagram・TikTokという三大プラットフォームを軸に、数百万から数千万のフォロワーを抱えるクリエイターが日常的に消費者の購買判断に影響を与えています。

この市場の核心は「信頼の経済」にあります。従来型の広告と異なり、インフルエンサーを通じた推薦は視聴者にとって友人や知人のアドバイスに近い体験として受け取られます。Nielsenの調査によれば、消費者の92%が従来の広告よりも個人からの推薦を信頼すると回答しており、ブランド認知から購買行動まで幅広い段階で高い効果を発揮することが裏付けられています。

言語や文化の壁を越え、現地視聴者と自然な形でつながれるクリエイターに商品・サービスを体験してもらうことで、広告色を抑えながら信頼性の高い認知拡大が実現できる点は、海外進出を目指すブランドにとって大きな強みです。

美容・コスメ系インフルエンサー:日本ブランドの海外展開に最適なジャンル

美容・コスメは、アメリカのインフルエンサーマーケティングにおいて最も歴史が長く、成熟したジャンルのひとつです。視聴者の購買意欲が高く、メイクアップ製品・スキンケア・ヘアケアなどのカテゴリにおいて投資対効果(ROI)が高い傾向にあります。日本のコスメブランドはその品質・成分・パッケージデザインで海外でも高い評価を得ており、このジャンルとの親和性は非常に高いと言えます。

注目すべき7名のビューティーインフルエンサー

James Charles(ジェームス・チャールズ)

出典:James Charles公式YouTubeチャンネル

Instagram 約1,975万フォロワー、TikTok 約4,060万フォロワー、YouTube 約2,400万登録者という圧倒的な数字を持つ、アメリカ最大規模のビューティークリエイターの一人です。2016年にカバーガール初の男性キャンペーンモデルを務めたことで一躍注目を集め、メイクアップブランド「Morphe」とのコラボレーションパレットが大ヒット。2023年には自身のコスメブランド「Painted」を立ち上げています。大胆なカラーメイクを得意とし、トレンドを牽引する存在として業界内での影響力は絶大です。

Huda Kattan(フーダ・カッタン)

Huda KattanのInstagramアカウント(@hudabeauty):フォロワー数5,748万人 
Huda KattanのTikTokアカウント:フォロワー数230万人  
Huda BeautyのYouTubeチャンネル
:チャンネル登録者数430万人 

(2026年2月6日現在)

Instagram 約5,748万フォロワーという、ビューティー系では世界トップクラスのフォロワー数を誇ります。イラク系アメリカ人として自身のアイデンティティを活かしたコンテンツを展開し、2013年に立ち上げた「Huda Beauty」はつけまつげからスタートし、今や世界規模のコスメブランドへと成長しました。インフルエンサーが自らブランドを育て上げた成功例として最もよく引用される存在であり、その影響力は「インフルエンサー界のキム・カーダシアン」と評されるほどです。

NikkieTutorials(ニッキー・チュートリアルズ)

NikkieTutorialsのInstagramアカウント:フォロワー数1,903万人
NikkieTutorialsのTikTokアカウント
:フォロワー数910万人
NikkieTutorialsのYouTubeチャンネル
:チャンネル登録者数1,500万人

(2026年2月6日現在)

オランダ出身のインフルエンサーながら、Instagram 約1,903万フォロワー、TikTok 約910万フォロワー、YouTube 約1,500万登録者を誇り、グローバルに高い影響力を発揮しています。2008年からYouTubeを開始し、メイクによる劇的なビフォーアフターで視聴者を魅了。多国籍の大手コスメブランドとのコラボ実績も豊富です。

Jeffree Star(ジェフリー・スター)

Jeffree StarのInstagramアカウント:フォロワー数1,324万人
Jeffree StarのTikTokアカウント:フォロワー数830万人
Jeffree StarのYouTubeチャンネル:チャンネル登録者数1,560万人
(2026年2月6日現在)

2014年に「Jeffree Star Cosmetics」を創設し、音楽・美容・ビジネスを横断する多才なクリエイターとして知られています。コントラバーシャルな面もありますが、それを含めてブランドの一部として機能しており、圧倒的な個性と透明性が根強いファンコミュニティを支えています。

Michelle Phan(ミシェル・ファン)

Michelle PhanのInstagramアカウント:フォロワー数177万9,000人
Michelle PhanのTikTokアカウント
:フォロワー数43万3,100人 
Michelle PhanのYouTubeチャンネル
:チャンネル登録者数853万人

(2026年2月6日現在)

2007年からメイク動画を投稿し始め、YouTubeビューティー界のパイオニアとして知られています。「EM Cosmetics」「ipsy」など複数の事業を展開し、クリエイターとしての活動にとどまらない女性起業家として革新的なキャリアを歩んでいます。

Denitslava Makeup(デニツラバ・メイクアップ)

DenitslavaのInstagramアカウント:フォロワー数157万3,000人
DenitslavaのTikTokアカウント
:フォロワー数71万3400人
DenitslavaのYouTubeチャンネル
:チャンネル登録者数822万人

(2026年2月6日現在)

日常メイクから特殊メイクまで幅広いコンテンツを提供し、親しみやすいスタイルで広い層から支持されています。華やかなメガインフルエンサーが多いなかで、等身大の視点を大切にするチャンネルとして差別化されています。

Tati(タティ)

TatiのInstagramアカウント:フォロワー数211万4,000人
TatiのTikTokアカウント
:フォロワー数24万3,600人
TatiのYouTubeチャンネル
:チャンネル登録者数792万人

(2026年2月6日現在)

正直なコスメレビューで高い信頼を獲得し、「Tati Beauty」を立ち上げた経験も持つクリエイターです。広告案件についても自身の意見を率直に述べるスタンスから、フォロワーの購買判断に与える影響は登録者数以上に大きいと言われています。

ポイント

日本のスキンケアブランドやコスメメーカーがアメリカ市場に参入する際、ビューティーインフルエンサーとのコラボレーションは最短かつ効果的な認知獲得手段の一つです。「成分の透明性」「ナチュラル志向」「アジアンビューティー」といったトレンドと合致する商品は、現地クリエイターを通じた紹介で大きな反響を生みやすい傾向があります。

グルメ・料理・大食い系:食文化を通じたブランド浸透

食はアメリカのコンテンツ消費でも人気の高いジャンルです。視覚的なインパクトと感情的なつながりを同時に生み出せるため、食品ブランド・調味料・飲料・キッチン用品など幅広い商材と相性がいい。

グルメ・料理系インフルエンサー 7選

Jamie Oliver(ジェイミー・オリバー)

Jamie OliverのInstagramアカウント(@jamieoliver):フォロワー数1,073万人
Jamie OliverのTikTokアカウント
:フォロワー数97万7,200人
Jamie OliverのYouTubeチャンネル
:チャンネル登録者数616万人

(2026年2月6日現在)

イギリス出身のセレブシェフで、学校給食の質改善運動を通じた社会的影響力でも知られています。エミー賞・BAFTA賞を受賞した実績があり、食の世界で認知度・信頼性ともに最高水準のインフルエンサーです。

Jonathan Cheban(ジョナサン・チェバン)/ FOODGOD

Jonathan ChebanのInstagramアカウント@foodgodフォロワー数370万9,000人
Jonathan ChebanのTikTokアカウント
:フォロワー数820万人
Jonathan ChebanのSnapchatアカウント
:フォロワー数38万人

(2026年2月6日現在)

リアリティ番組出身のセレブリティで、「FOODGOD」の名義でフードコンテンツを展開。寿司レストランやファーストフード店の経営にも携わっており、食とエンターテインメントを融合させた独自のブランドを確立しています。

Yanni Georgoulakis(ヤニ・ゲオルグラキス)

Yanni GeorgoulakisのInstagramアカウント(@foodyfetish):フォロワー数290万人
Yanni GeorgoulakisのTikTokアカウント
:フォロワー数230万人
Yanni GeorgoulakisのFacebookアカウント
:フォロワー数864万人

(2026年2月6日現在)

多文化的な背景から生まれる視覚的インパクトの強いフードコンテンツで大手ブランドと複数の提携実績を持っているインフルエンサーです。

Yumna Jawad(ユムナ・ジャワッド)/ Feel Good Foodie

Yumna JawadのInstagramアカウント(@feelgoodfoodie):フォロワー数480万7,000人
Yumna JawadのTikTokアカウント
:フォロワー数210万人
Yumna JawadのYouTubeチャンネル
:チャンネル登録者数161万人

(2026年2月6日現在)

健康的なレシピ発信に特化し、ベストセラー料理本も複数執筆。健康食ブランド「Oath」の創設者でもあり、健康志向の食品ブランドとの相性が抜群です。

Greg and Rebecca / Devour Power(デボウアー・パワー)

Greg and RebeccaのInstagramアカウント(@devourpower):フォロワー数226万5,000人
Greg and RebeccaのTikTokアカウント
:フォロワー数440万人
Greg and RebeccaのYouTubeチャンネル
:チャンネル登録者数211万人

(2026年2月6日現在)

料理をクローズアップで撮影する映像スタイルが視覚的なインパクトを生み、25以上のレストランや食品ブランドとの提携実績があります。

Tieghan Gerard(ティーガン・ジェラード)/ Half Baked Harvest

Tieghan GerardのInstagramアカウント(@halfbakedharvest):フォロワー数540万人
Tieghan GerardのTikTokアカウント
:フォロワー数87万7,700人
Tieghan GerardのYouTubeチャンネル
:チャンネル登録者数4万1600人

(2026年2月6日現在)

自然素材と健康的な食材を活用したレシピで知られ、ニューヨーク・タイムズのベストセラー料理本著者でもあります。ライフスタイルとしての食を発信するスタイルは、オーガニック食品や自然派ブランドとの連携に適しています。

David Chang(デビッド・チャン)

David ChangのInstagramアカウント(@davidchang):フォロワー数178万9,000人
David ChangのTikTokアカウント
:フォロワー数29万1,700人
David ChangのX(旧Twitter)アカウン
ト:フォロワー数31万5,000人

(2026年2月6日現在)

韓国系アメリカ人シェフとして「Momofuku」レストラングループを立ち上げ、ミシュラン二つ星を獲得した実力派。アジア系のバックグラウンドを持ちながら本格的な料理の世界で活躍する姿は、日本食品・食材ブランドのアメリカ展開を後押しするコラボレーション相手として理想的です。

フィットネス系YouTuber:健康・ウェルネス商材との相性

フィットネス系YouTuberはサプリメント・プロテイン・トレーニング器具・スポーツウェアなどとの親和性が高く、購買意欲の明確なオーディエンスへ直接アプローチできる。科学的根拠に基づく情報発信を行うクリエイターは視聴者の信頼が厚く、商品推薦のコンバージョン率が高い。

男性フィットネス系 トップ10

ATHLEAN-X

ATHLEAN-XのYouTubeチャンネル

チャンネル登録者数:1420万人(2026年2月16日現在)

元MLBプロトレーナーという肩書きを持ち、解剖学・運動生理学をベースにした科学的トレーニング指導で圧倒的な支持を得ています。ケガ予防・リハビリに関するコンテンツも豊富で、幅広い年齢層にリーチできる点が強みです。スポーツ科学的に裏付けられたサプリや機能性食品との相性が特に良いと言えます。

Jeff Nippard(ジェフ・ニパード)

Jeff NippardのYouTubeチャンネル

チャンネル登録者数817万人(2026年2月16日現在)

カナダ出身のナチュラルボディビルダー。論文や研究データを引用した科学的な指導スタイルで、知識レベルの高い視聴者層を獲得しています。成分・品質にこだわるサプリメントブランドとの連携に最適です。

Chris Heria(クリス・ヘリア)

Chris HeriaのYouTubeチャンネル

チャンネル登録者数535万人(2026年2月16日現在)

器具を使わない自重トレーニング(カリステニクス)の第一人者で、「どこでもトレーニングできる」というメッセージが広い層に支持されています。ホームジム商品やウェアとの相性が良いクリエイターです。

Bradley Martyn(ブラッドリー・マーティン)

Bradley MartynのYouTubeチャンネル

チャンネル登録者数322万人(2026年2月16日現在)

自身のジム「Zoo Culture」を運営し、エンターテインメント色の強いコンテンツで若い世代に特に人気があります。

Simeon Panda(シメオン・パンダ)

Simeon PandaのYouTubeチャンネル

チャンネル登録者数277万人(2026年2月16日現在)

本格的なボディビルスタイルで知られ、フィットネスウェアやサプリメントブランドも自ら展開しています。

David Laid(デビッド・レイド)

David LaidのYouTubeチャンネル

チャンネル登録者数218万人(2026年2月16日現在)

痩せ型体型からの肉体改造を記録した動画が注目を集め、トランスフォーメーションコンテンツの先駆者として知られています。自身の体験を重ねた等身大のコミュニケーションスタイルは視聴者の共感を得やすく、ダイエット系・筋トレ補助系の商材に向いています。

Mike Thurston(マイク・サーストン)

Mike ThurstonのYouTubeチャンネル

チャンネル登録者数164万人(2026年2月16日現在)

パーソナルトレーナーとして、仕事との両立を前提にした現実的なフィットネスライフを発信。ビジネスパーソン向けの健康食品・プロテインバーなどと組み合わせやすいチャンネルです。

JujiMufu(ジュジムフ)

JujiMufuのYouTubeチャンネル

チャンネル登録者数156万人(2026年2月16日現在)

YouTube 約156万登録者。アクロバットと筋トレを掛け合わせた唯一無二のコンテンツスタイルで、エンターテインメントとしてのフィットネスを体現しています。

Nick Bare(ニック・ベア)

Nick BareのYouTubeチャンネル

チャンネル登録者数147万人(2026年2月16日現在)

元陸軍将校で、「BPN(Bare Performance Nutrition)」サプリブランドの創業者でもあります。マラソンとボディビルを両立する「ハイブリッドアスリート」を提唱し、複合的な健康・パフォーマンス向上を求める視聴者層にアプローチします。

Steve Cook(スティーブ・クック)

Steve Cook のYouTubeチャンネル

チャンネル登録者数124万人(2026年2月16日現在)

元IFBBプロとしてのバックグラウンドを持ちつつ、初心者にも親しみやすいトーンでコンテンツを発信。フィットネス入門者向けの商品やプログラムとの連携に適しています。

ポイント

日本発のプロテイン・健康食品・スポーツドリンクなどがアメリカ市場に参入する場合、科学的根拠を重視するATHLEAN-XやJeff Nippardのようなクリエイターとの協業は信頼性担保の面で特に効果的です。視覚的インパクトやエンターテインメント性でブランド認知を広げたい場合はBradley MartynやChris Heriaが候補に挙がります。目標KPIに応じた使い分けが鍵を握ります。

旅行系YouTuber:体験型コンテンツの最前線

旅行コンテンツは、ホテル・航空会社・観光地・ツアー商品といった旅行関連業界だけでなく、現地の食文化・ライフスタイル・商品を自然な文脈で紹介できる手段として幅広い商材と組み合わせることができます。

旅行系YouTuber 5選

Mark Wiens(マーク・ウィーンズ)

Mark WiensのYouTubeチャンネル

YouTube 約1,120万登録者、総再生回数約29億回。世界各地のストリートフードを中心とした食文化探訪コンテンツで圧倒的な人気を誇り、タイ・バンコクを拠点に活動。食べ物へのリアクションが豊かで、視聴者の没入感を高めるスタイルは日本食の海外紹介にも非常に適しています。日本を何度も訪問しており、日本食文化との相性は特に良好です。

Yes Theory(イエス・セオリー)

Yes TheoryのYouTubeチャンネル

YouTube 約943万登録者、総再生回数約11億回。「コンフォートゾーンを出る」をテーマにした体験型コンテンツで、自己成長・挑戦・発見をキーワードにした独自の世界観を構築しています。アドベンチャー系・ウェルネス系の商材や、体験を重視するブランドとの連携に向いています。

Amusement Force(アミューズメント・フォース)

Amusement ForceのYouTubeチャンネル

YouTube 約739万登録者、総再生回数約50億回。テーマパーク専門のチャンネルとして特化度の高いコンテンツを提供し、ファミリー層や観光地への送客に強みを発揮します。

Drew Binsky(ドリュー・ビンスキー)

Drew BinskyのYouTubeチャンネル

YouTube 約531万登録者、総再生回数約11億回。中東・アフリカ・中央アジアなど一般的な旅行コンテンツではカバーされにくい地域に焦点を当て、未知の文化・社会を紹介。グローバルな視点を持つビューアーへのリーチに適しています。

Kara and Nate(カーラ・アンド・ネイト)

Kara and NateのYouTubeチャンネル

YouTube 約417万登録者、総再生回数約9億回。夫婦旅行スタイルで、バンライフ・クルーズ旅など多様な旅行形態を発信。ファミリー・カップル向け商品や旅行保険などとの親和性が高く、親しみやすいコンテンツスタイルで広い層にアプローチできます。

Z世代・ライフスタイル・テック系:若年層へのリーチ

アメリカのZ世代(1997〜2012年生まれ)は約7,000万人を超え、すでに大きな購買力を持ち始めています。この層へのアプローチにはTikTokを主戦場とするクリエイターや、YouTube・Instagramを横断するライフスタイル系インフルエンサーが有効です。

ゲーム・テクノロジー・ファッション・音楽・仮想通貨といったジャンルで強い影響力を持つクリエイターが多く存在しており、それぞれのニッチコミュニティに向けた精度の高いターゲティングが可能です。デジタルネイティブのZ世代は広告色の強いコンテンツを素早く見抜くため、クリエイターの世界観への自然な統合が求められます。

また、テック系YouTuberは電子機器・ガジェット・ソフトウェア・AIツールなどの紹介に強く、日本のエレクトロニクスブランドや家電メーカーがアメリカ市場向けの認知拡大を図る際に効果的な選択肢となります。子育て系インフルエンサーはベビー用品・教育系コンテンツとの親和性が高く、ライフスタイル系クリエイターはインテリア・衣類・サブスクリプションサービスなど幅広い商材に対応可能です。

商材カテゴリ別インフルエンサー選定ガイド

アメリカのインフルエンサーマーケティングで成果を上げるには、インフルエンサーの規模だけでなく商材との文脈的な整合性が決め手になります。以下に、商材カテゴリ別の選定指針を示します。

スキンケア・コスメ

推奨ジャンル:美容系インフルエンサー(YouTube・Instagram中心)

日本のスキンケアはアメリカでも「J-Beauty」として確固たるブランドイメージを持っています。成分への注目度が高いアメリカ市場では、丁寧なレビューを行うミッドサイズ(登録者10〜100万)のビューティークリエイターがコンバージョンにつながりやすい傾向があります。NikkieTutorialsやTatiのように誠実なレビュースタイルを持つクリエイターとの相性が特に良く、スキンケアルーティン動画への自然な組み込みが効果的です。

マイクロインフルエンサー(登録者1〜10万)を複数起用する分散型アプローチも、ニッチなターゲット層への精度の高いリーチという観点で有効です。

食品・飲料・調味料

推奨ジャンル:グルメ系・料理系・大食い系インフルエンサー

日本食品はアメリカで高い人気を誇りますが、現地の家庭での使い方や料理法を紹介することが定着への近道です。Feel Good FoodieやHalf Baked Harvestのような料理レシピ系クリエイターとの連携は、商品の具体的な活用方法を自然に訴求できます。大食い系(Matt StonieやRaina Huangなど)はインパクト重視の認知獲得フェーズに向いています。

アジア系背景を持つクリエイターは日本食品の紹介でコンテンツの文化的整合性が高く、視聴者にとってもより自然な印象を与えます。

サプリメント・プロテイン・健康食品

推奨ジャンル:フィットネス系YouTuber(男女問わず)

サプリメント市場はインフルエンサーのコンバージョン力が高いカテゴリです。ATHLEAN-XやJeff Nippardのように科学的根拠を重視するクリエイターは、成分にこだわるブランドとの相性が抜群。一方、Nick BareやSimeon Pandaのようにすでに自ブランドを展開しているクリエイターとのコラボは、ブランドコラボレーションの形式が効果的な場合があります。

スポーツニュートリションは専門性・信頼性が購買決定に直結するカテゴリです。クリエイターの発信スタイルと商品のポジショニングの整合を慎重に確認してください。

ガジェット・電子機器

推奨ジャンル:テック系YouTuber・ライフスタイル系インフルエンサー

日本のエレクトロニクスブランドや精密機器メーカーが北米市場でのシェア拡大を目指す場合、製品レビューに特化したテック系YouTuberへのアプローチが基本戦略となります。詳細スペックの解説から実使用感のレビューまで、テック系クリエイターは視聴者の購買判断に直接影響を与えます。

テック系はAmazonアフィリエイトや専用割引コードとの組み合わせで、トラッキング精度の高いキャンペーン設計が可能です。

旅行・観光・体験型サービス

推奨ジャンル:旅行系YouTuber・ライフスタイル系インフルエンサー

日本への旅行誘致やインバウンド観光促進の文脈では、Mark WiensやKara and Nateのような旅行系クリエイターとのタイアップが非常に効果的です。実際に日本を訪問した体験を発信してもらうことで、真正性の高いコンテンツが自然に生まれます。

訪日コンテンツは「文化体験」「食体験」との組み合わせが視聴者の関心を最も引きやすく、複数のインフルエンサーが同時期に訪日するキャンペーン形式は話題の相乗効果も期待できます。

子育て・教育・ベビー用品

推奨ジャンル:子育て系・ライフスタイル系インフルエンサー

ファミリー向け商品は、実際の育児経験をもとにした発信が最も説得力を持ちます。子育て系インフルエンサーとの長期的な関係構築は、ブランドへの信頼感を積み上げるうえで特に有効です。

インフルエンサーへのアプローチ方法

インフルエンサーとの協業を成功させるには、アプローチの仕方から契約内容の設計まで、戦略的な準備が欠かせません。以下に主要なポイントをまとめます。

ターゲット選定の基準を明確にする

フォロワー数(登録者数)は規模の目安ではありますが、それだけで選定することは避けるべきです。重要なのは以下の指標です。

  • エンゲージメント率:「いいね」「コメント」「シェア」の総数をフォロワー数で割った比率。一般的にフォロワー数が多いほど率は下がる傾向があり、ナノ〜マイクロインフルエンサーの方が高エンゲージメントを持つ場合があります。
  • オーディエンスの属性:フォロワーの年齢・性別・地域・購買行動が自社のターゲット顧客と一致しているか。
  • コンテンツの方向性:ブランドの世界観と違和感なく統合できるか。

アプローチのチャネルを選ぶ

大手インフルエンサーへのアプローチは、マネジメント会社やエージェントを通じて行うのが一般的です。ミッドサイズ以下のインフルエンサーに対しては、Instagram・YouTubeのDMやビジネスメールでの直接アプローチが有効な場合もあります。

アメリカのインフルエンサーマーケティングプラットフォーム(AspireIQ、Grin、Creator.coなど)を活用することで、商材カテゴリやフォロワー属性でのフィルタリングが可能になります。

ブリーフィングで創造性を尊重する

アメリカのインフルエンサーは、過度に制限された台本や細かい指示に対して消極的になる傾向があります。ブランドメッセージの骨格を伝えつつ、表現の自由度をクリエイターに委ねることで、視聴者に刺さる自然なコンテンツが生まれやすくなります。

法的要件を理解する

アメリカでは連邦取引委員会(FTC)のガイドラインにより、インフルエンサーは広告であることの開示(#ad や #sponsored の明記)が義務付けられています。契約時にこの点を明確にし、コンプライアンスを確保しておくことは失念しないようにしましょう。

効果測定の指標を事前に設定する

  • インプレッション数・リーチ数(認知)
  • エンゲージメント数(共感・関心)
  • サイト流入数・コンバージョン数(行動)
  • 専用クーポンコードやUTMパラメーターの活用

よくあるご質問

Q. 予算が限られている場合、マイクロインフルエンサーとメガインフルエンサーどちらが効果的ですか?

A. 一般的に予算が限られている場合はマイクロインフルエンサー(登録者1〜10万人)を複数起用する分散型アプローチが費用対効果に優れています。マイクロインフルエンサーはエンゲージメント率が高く、特定のニッチコミュニティへの精度の高いリーチが可能です。認知拡大フェーズではメガインフルエンサー、コンバージョン重視のフェーズではマイクロインフルエンサーという使い分けも有効です。

Q. アメリカのインフルエンサーに連絡する際、何に注意すべきですか?

A. 大手インフルエンサーへはマネジメント会社を通じたアプローチが基本です。ミッドサイズ以下であればInstagramのDMやビジネスメールで直接連絡することもできます。依頼の際は商品の背景・ターゲット・希望するコンテンツの方向性を明確に伝えつつ、表現の自由度をクリエイターに委ねることが大切です。過度に細かい指示は断られる原因になります。

Q. FTCガイドラインとは何ですか?違反するとどうなりますか?

A. アメリカの連邦取引委員会(FTC)が定めたインフルエンサー広告に関する規則で、PR案件・広告であることを「#ad」「#sponsored」などの形で明示することが義務付けられています。開示が不十分な場合、ブランド・インフルエンサー双方が法的責任を問われる可能性があります。契約時に開示義務を明記することは外せない。

Q. 日本のブランドをアメリカのインフルエンサーに紹介してもらうには、英語コンテンツの準備が必要ですか?

A. 必須です。商品説明・ウェブサイト・プレスリリースなど、インフルエンサーが参照する情報はすべて英語で用意する必要があります。さらに「なぜこの商品がアメリカの視聴者に関係するか」という文脈づけ(ブリッジメッセージ)を英語で準備することで、インフルエンサーがコンテンツを作りやすくなり、より自然な紹介が期待できます。

まとめ

アメリカのインフルエンサーマーケティング市場は規模・成熟度ともに世界最高水準にあり、日本企業にとっては参入のハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、適切なジャンル・クリエイター選定と戦略的なアプローチを組み合わせることで、短期間での認知拡大と購買行動の促進を同時に実現することが可能です。

本ガイドで紹介したインフルエンサーたちはほんの一部に過ぎません。美容系・フィットネス系・グルメ系・旅行系・テック系それぞれのジャンルに、ニッチなコミュニティで強い影響力を持つマイクロインフルエンサーが無数に存在します。

重要なのは「大きな数字を持つインフルエンサーを選ぶこと」ではなく、「自社の商材と文化的・文脈的に整合するクリエイターを選ぶこと」です。この判断を適切に行うには、アメリカ現地市場への深い理解と、インフルエンサーコミュニティへのリアルタイムのアクセスが欠かせません。

IGNITEは、日本企業のアメリカ市場進出を支援するマーケティングエージェンシーとして、インフルエンサー選定から交渉・キャンペーン設計・効果測定まで、一気通貫でサポートしています。現地マーケットを熟知したチームが、貴社の商材に最適なクリエイターとのマッチングをご提案します。

アメリカ市場でのインフルエンサーマーケティングについて、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した人
Daisuke K
マーケター、CMO
2021年にCMOとしてIGNITEのへの参加を果たした。以前からマーケティング業界での勤務経験を有し、IGNITEでは海外市場向けのマーケティング戦略を展開している。あらゆる国や地域からの、BtoB、BtoC案件を総監し、海外進出を検討する日本国内の企業から、日本への参入を希望する海外企業までのサポートを行っている。
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公開日:
2026-02-26
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