韓国で一番買われているオンラインショッピングサイト5選

スマートフォンの普及と高速インターネット環境の整備により、韓国のオンラインショッピング市場は世界でも屈指の成長スピードを見せています。日用品から家電、ファッション、食品まで、あらゆる商品がクリックひとつで翌日には届くのが当たり前となり、買い物スタイルは大きく変化しました。
その背景には、物流インフラの高度化やEC企業間の競争激化があります。配送スピードや価格競争、アプリの使いやすさ、ポイント還元率などが、消費者のサイト選びを左右する重要な要素となっています。韓国では、こうした要素を強みにしたプラットフォームが利用者の支持を集め、国内外のブランドや小売業者にとっても欠かせない販路となっています。
本記事では、韓国の消費者調査を行う「オープンサーベイ(Open Survey)」のデータをもとに、「韓国で最も利用されているオンラインショッピングサイト5選」をランキング形式でご紹介します。各サイトの特徴や利用シーン、強みを生活者目線で解説し、韓国市場の最新ECトレンドをわかりやすくお届けします。
▼ランキング
- Coupang(クーパン)
- Naver Shopping(ネイバーショッピング)
- Gmarket(ジーマーケット)
- 11st(11番街)
- Kakao Shopping(カカオショッピング)
1. Coupang(クーパン)

出典:Coupang公式サイト
Coupangは、韓国のオンラインショッピング市場で圧倒的な存在感を誇るECプラットフォームであり、「韓国のAmazon」と称されることも多い企業です。2010年に設立された比較的若い会社ながら、モバイルショッピングの急成長とともに市場シェアを急拡大させ、現在では韓国国内で最も利用されているオンラインショッピングサイトとなっています。
「ロケット配送」と呼ばれる独自の高速配送サービスは、注文から最短翌日に商品が届くという利便性を実現し、多忙な現代人の生活を大きく変えました。この配送スピードと信頼性は、他社との差別化要因としてCoupangのブランド価値を高めています。
Coupangの取り扱い商品は非常に幅広く、食品・日用品・家電・ファッション・ベビー用品・ペット用品まで網羅。ユーザーは一つのプラットフォームで生活に必要なあらゆるものを購入できるため、利便性が非常に高いのが特徴です。また、アプリやウェブサイトのUI/UXはシンプルで直感的に操作でき、商品検索や決済もスムーズ。定期購入や生鮮食品の当日配送、Coupang Eats(フードデリバリーサービス)など、ユーザーの生活全般をサポートする多様なサービス展開も行っています。
価格競争力においても優れており、自社倉庫から直接発送する仕組みにより物流コストを最適化。加えて、頻繁に実施されるセールや会員向け特典(Coupang Wow Membership)により、消費者はお得に買い物を楽しむことができます。このWow Membershipは、送料無料や追加割引、動画配信サービスの利用など、多くの特典が含まれており、Amazon Primeの韓国版といえる存在です。このようにCoupangは、利便性・スピード・価格・サービスのすべてにおいて高い評価を受けており、韓国のオンラインショッピング市場でトップの座を維持し続けています。
2. Naver Shopping(ネイバーショッピング)

Naver Shoppingは、韓国最大の検索ポータルサイト「NAVER」が運営する総合型オンラインショッピングサービスです。韓国ではNAVERは検索エンジンとしてGoogle以上のシェアを持っており、その圧倒的なアクセス基盤を活かして、検索から購買までの一連の流れをシームレスに結びつけています。ユーザーは検索結果から直接商品ページにアクセスし、価格比較やレビュー確認を行った上でそのまま購入できるため、購入までの導線が非常に短く、ストレスのない購買体験を実現。
最大の特徴は、「価格比較機能」と「レビューの充実度」です。複数のオンラインストアの価格を一覧で比較できるため、ユーザーは最も安いショップを瞬時に選択できます。NAVERアカウントと連動したユーザーレビューは信頼性が高く、購買の判断材料として重宝されています。さらに、ポイント還元プログラム「Naver Pay」との連動により、支払いの利便性とお得感も向上。韓国ではポイント還元率の高さが購買決定の重要要素となっており、この点でNaver Shoppingは強力な武器を持っているといえます。
取り扱い商品は家電、ファッション、美容、食品、生活雑貨など非常に幅広く、特に家電と美容カテゴリーでの購買率が高い傾向。Naverブランドストア機能を活用すれば、メーカーやブランドが公式オンライン店舗を開設できるため、消費者は安心して正規品を購入できます。偽物や品質の不安を軽減し、信頼性の高いショッピング環境を提供しています。
さらに、Naver Shoppingは単なるECサイトではなく、ライブコマースやショッピング記事、ランキングなどのコンテンツも充実。ユーザーは買い物だけでなく、トレンド情報や商品レビュー動画を楽しむことができ、購買意欲を高める仕組みが整っています。このように、Naver Shoppingは「検索と購買の融合」という強みを活かし、韓国オンラインショッピング市場において不動の第2位の座を確保しています。
3. Gmarket(ジーマーケット)

出典:Gmarket公式サイト
Gmarketは、韓国を代表する老舗のオープンマーケット型ショッピングサイトで、複数の出店者(セラー)が自由に商品を販売できるプラットフォームです。2000年初頭から運営されており、韓国国内外に幅広い顧客層を持っています。オープンマーケットとは、Amazonのマーケットプレイスのように多くの販売者が出店する形態で、Gmarketはその先駆者的存在です。豊富な商品ラインナップと頻繁に実施される割引イベントが特徴で、特に価格重視の消費者から根強い支持を集めています。
Gmarketの魅力の一つは、圧倒的な商品数です。家電、ファッション、化粧品、食品、家具などあらゆるカテゴリーの商品がそろい、さらに海外ブランドや輸入品も豊富に取り扱い。セールイベントの頻度も高く、「スーパーディール」や「タイムセール」などで大幅割引が行われるため、掘り出し物を探す楽しみもあります。
加えて、Gmarketは国際配送にも積極的で、韓国国外の顧客も簡単に利用できる仕組みを整えています。日本やアメリカをはじめとした多くの国に配送可能で、韓国コスメやK-POP関連商品の購入手段としても人気です。韓国語以外にも英語・中国語など多言語対応しており、海外ユーザーが利用しやすい環境が整っています。これは越境EC戦略において大きな強みであり、韓流商品の世界的需要の高まりとともに利用者が増加しています。
定期的に行われる大型プロモーションやクーポン配布により、リピーターを獲得し続けているのも特徴。Gmarketは新興勢力のCoupangやNaver Shoppingに押されつつも、「安く買える老舗オープンマーケット」としての地位を確立し、依然として韓国EC市場の重要な一角を占めています。
4. 11st(11番街)

出典:11st公式サイト
11st(11번가=11番街)は、SKプラネットが運営する総合型オンラインショッピングモールで、韓国国内における知名度と利用率は常に上位に位置しています。特に映画チケット、ギフトカード、eクーポンなどのデジタル商品分野で圧倒的な存在感を持っており、他のショッピングサイトでは手に入らない独自コンテンツが豊富です。ファッションや生活雑貨、家電なども幅広く取り扱い、オールジャンルに対応できるのが強みです。
UI/UXはモバイル利用を前提に設計されており、アプリは直感的な操作性と高速な動作で評価されています。また、頻繁なセールや割引クーポンの配布もあり、特に若年層や価格に敏感な層から支持を獲得。さらに11stは、国内配送だけでなく海外配送サービスも展開しており、日本を含む複数の国で韓国商品を購入する手段として活用されています。
SKテレコムなど通信事業との連携も特徴の一つ。利用者はポイント還元や通信契約とのセット割引などを受けられるため、既存顧客基盤を活かしたクロスマーケティングが可能です。新規ユーザーの獲得と既存ユーザーの囲い込みに成功しています。11stは、新興勢力に押されながらも独自路線を貫き、デジタル商品とファッションに強みを持つプラットフォームとして確固たる地位を維持しています。
5. Kakao Shopping(カカオショッピング)

Kakao Shoppingは、韓国で最も利用されているメッセンジャーアプリ「KakaoTalk」内で展開されるショッピング機能です。ユーザーはチャット画面から直接商品を閲覧・購入でき、友人や家族へのギフト送付もスムーズに行えます。カカオトークの利用者数は韓国人口の80%以上に達しており、その巨大なユーザーベースを活用できる点が最大の強みです。
中でも人気なのが「カカオギフト」サービスで、誕生日や記念日などにメッセージとともに商品を送ることができます。これは韓国の「即時ギフト文化」と非常に相性が良く、コーヒーショップのドリンククーポンやスイーツ、コスメなど、手軽な価格帯の商品がよく利用されています。また、カカオポイントとの連動や、決済サービス「Kakao Pay」との統合により、支払いがワンタップで完了する利便性も魅力です。
Kakao ShoppingはECとしての規模はCoupangやNaver Shoppingに及ばないものの、ソーシャルメディア的な要素と購買を融合させた独自のポジションを確立しています。日常会話の中から自然に購買行動へ誘導できるため、衝動買いやプレゼント需要に強いのも特徴です。今後はKakaoの他サービス(音楽配信・モビリティ・ゲーム)との連動によるクロスプロモーションが強化されると予想され、韓国EC市場における存在感はさらに高まるでしょう。
まとめ
韓国では、オンラインショッピングが日常生活に深く浸透し、もはや特別な買い物体験ではなく、生活の一部として定着。即日配送や豊富な商品ラインナップ、ポイント還元、便利なアプリ機能など、各プラットフォームは利用者のニーズに合わせて進化を続けています。今回ご紹介した5つのショッピングサイトは、それぞれ異なる強みと利用シーンを持ち、韓国の消費者行動を理解する上で欠かせない存在です。こうしたECサイトの利用動向は、単なる購買チャネルの選択ではなく、ブランド選好やライフスタイル、消費トレンドの変化を映し出す重要な指標でもあります。韓国市場での事業展開やプロモーション戦略を検討する際には、これらのプラットフォームの特徴や強みを把握しておくことが成功への第一歩となるでしょう。海外マーケットへの進出や韓国向けの販売促進をご検討の企業様は、私たちIGNITEにぜひご相談ください。韓国市場の文化や消費者傾向を踏まえた戦略立案から、SNS運用、SEO対策、コンテンツ制作まで、幅広いサービスで御社のビジネスをサポートいたします。
メールマガジン登録
海外マーケティングに関するノウハウをメルマガで配信いたします
