韓国の日常に欠かせない!人気フードデリバリーアプリ5選

韓国といえば、K-POPや韓国ドラマ、コスメといった文化的トレンドが注目されがちですが、実はもう一つ現地の日常生活に深く根ざした独自の文化があります。それが「배달(ペダル)」、日本語で言うところの配達や宅配です。
日本では、「フードデリバリー」という言葉が一般的ですが、韓国では「배달」という単語が日常的に使われ、「ペダル文化の国」と呼ばれるほど、食事の宅配が高度に発達しています。都市部を歩けば配達バイクが次々と通り過ぎ、オフィス街でも住宅街でもスマートフォン一つで食事が届くのはごく当たり前の光景です。外食より手軽で、コンビニより選択肢が豊富。さらに驚くほど短時間で届くことから、韓国の消費スタイルにぴったりとフィットしています。
こうしたペダル文化の背景には、「すぐに・便利に・どこでも」といった韓国特有のニーズがあり、それを支える形でデリバリーアプリも高度に進化しています。注文から支払い、配達状況の確認までがすべてアプリで完結し、非対面・キャッシュレス対応も完璧。まさに韓国ならではのサービス設計といえるでしょう。
本記事では、このような韓国のペダル文化を支える主要なフードデリバリーアプリをランキング形式で5つご紹介します。韓国に深く根づくペダル文化を知ることで、現地のライフスタイルや価値観への理解が少しでも深まれば幸いです。
▼ランキング
(国内利用者が多い順)
- 배달의 민족(ペダルの民族 / Baedal Minjok)
- 쿠팡 이츠(クーパンイーツ / Coupang Eats)
- 요기요(ヨギヨ / Yogiyo)
- 땡겨요(テンギョヨ / Ddangyo)
- 배달 특급(ペダル特急 / Baedal Teukgeup)
1. 배달의 민족(ペダルの民族 / Baedal Minjok)

出典:배달의 민족公式サイト
Baedal Minjok(通称ペミン)は、韓国を代表するフードデリバリーアプリで、圧倒的な利用率を誇ります。2010年にサービスを開始し、今やペダル文化の象徴ともいえる存在。韓国では外食と同じくらいペダルが日常に浸透しており、その中心にいるのがこのアプリです。このアプリの強みは、料理のジャンルや配達時間などがひと目でわかる使いやすいデザインにあります。飲食店のレビューや評価も充実していて、利用者は自分に合ったお店を直感的に選ぶことが可能。配達状況はリアルタイムで確認でき、キャッシュレス決済にも完全対応しているため、ストレスなく利用できるのが特徴です。
また、個人の注文はもちろん、複数人での「共同注文」機能や「予約配達」など、幅広い生活シーンに対応しているのも支持される理由の一つ。夜食やランチ、家族の夕食など、あらゆる場面で頼りにされているサービスです。
社会的な影響力も大きく、Baedal Minjokは配達員(通称ペミンライダー)の雇用や待遇にも配慮し、安定した配達品質を支えています。また、デザインにも力を入れており、自社開発のフォント「배민체(ペミン体)」やwebマンガ、オリジナルグッズの展開など、単なるアプリにはとどまらないブランディング力が魅力です。
韓国市場を知る上で、ペダル文化を牽引するこのアプリの存在を抜きには語れません。Baedal Minjokは、日常に深く根ざした国民的サービスとして、今後も韓国の生活者の選択肢を広げ続けていくことでしょう。
2. 쿠팡 이츠(クーパンイーツ / Coupang Eats)

出典:쿠팡 이츠公式サイト
Coupang Eatsは、韓国の大手ECサイト「Coupang」が展開するフードデリバリーアプリです。2020年のサービス開始からわずか数年で急成長を遂げ、Baedal Minjokに次ぐ人気アプリとして定着しました。Coupangといえば「ロケット配送」で知られるほど、物流のスピードと正確さに定評がありますが、その精神はデリバリーサービスにも色濃く反映されています。
最大の特徴は、一対一配達システム。これは複数件の注文を同時に受けて回るのではなく、一つの注文を1人の配達員がすぐに受け取り、最短ルートで届けるという方式です。そのため、料理の鮮度やスピード重視のユーザーから圧倒的な支持を集めています。特に都市部では、Baedal Minjokよりも早いと感じるユーザーも少なくありません。
アプリのデザインもシンプルで、検索・注文・決済までの流れがスムーズに行えます。地図上で配達状況をリアルタイムに確認でき、配達員の動きや到着時間の予測も高精度。さらにCoupangアカウントと連携することで、クレジットカード情報や配達先住所の管理も一元化されており、既存のCoupangユーザーにとっては導入ハードルが非常に低いのもポイントです。
また、定期的に実施される割引キャンペーンや配送料無料イベントなど、プロモーションの頻度が高いのもCoupangらしい戦略。こうした価格面でのアプローチにより、若年層や単身世帯からの指示も厚く、デリバリー市場全体の競争を加速させた立役者ともいえる存在です。フードデリバリー分野において後発ながらも、テクノロジーとスピードを武器にシェアを拡大してきたCoupang Eatsは、今後の成長にも注目が集まっています。
3. 요기요(ヨギヨ / Yogiyo)

出典:요기요公式サイト
Yogiyoは、韓国の老舗フードデリバリーアプリの一つで、長年にわたり多くのユーザーから支持されています。名前の意味は「ここですよ!」という親しみやすい呼びかけで、利用者に「身近なサービス」として受け入れられています。
このアプリは、幅広い飲食店の加盟数と多様なメニューが魅力。韓国全土で約10万店以上の飲食店が登録されており、地元の小さな食堂から全国チェーンまで、さまざまなジャンルをカバーしています。ユーザーは自分の好みに合わせて選べる豊富な選択肢を楽しめます。
Yogiyoのユーザーインターフェースは直感的で使いやすく、料理のジャンル検索や配達時間、価格帯など細かく条件を絞って探せる機能が充実。レビューや評価も見やすく、店舗の品質をチェックしやすいのが特徴です。また、クーポンやポイントシステムも充実しており、リピーターにとってお得感のある仕組みが整っています。
配送面では、Yogiyoは独自の配達ネットワークと提携によりスムーズな配達を実現しています。特に都市部では迅速な配達が期待でき、ユーザーの満足度を高めています。また、ビジネスユーザー向けのサービスも提供しており、オフィスでの大量注文やイベント時の利用など、多様なニーズに対応。個人利用だけでなく法人利用にも力を入れている点は、韓国市場での信頼度向上に繋がっています。
Yogiyoは、幅広い飲食店の選択肢と使いやすさを両立し、個人から法人まで幅広いユーザー層に対応している安定感のあるアプリとして知られています。韓国のペダル文化を理解し現地市場を攻略する上で、重要な存在といえるでしょう。
4. 땡겨요(テンギョヨ / Ddangyo)

出典:땡겨요公式サイト
Ddangyoは、韓国で新しく登場したフードデリバリーアプリの中でも急速に人気を伸ばしているサービスです。名前の「땡겨요(テンギョヨ)」は韓国語のスラングで、「食べたい!」という意味が込められており、若者を中心に共感を呼んでいます。このアプリは大手金融グループであるシンハン金融が運営しているため、信頼感が高く安心して利用できることも支持の理由の一つ。加盟飲食店も多岐にわたり、全国の幅広いエリアで利用可能です。
アプリデザインは、シンプルでわかりやすく、料理ジャンルや価格帯、配達時間など細かく検索できるため、目的に合ったお店をストレスなく探せます。注文後は配達状況をリアルタイムで追跡でき、配達員の動きや到着予定時間を確認できるのも便利です。キャッシュレス決済にも対応しており、スムーズな支払いが可能。さらに、Ddangyoは独自の割引キャンペーンやポイント還元制度を頻繁に行っており、コスト意識の高い若年層からの支持が厚いです。初めて利用する人でも気軽に試せる魅力があります。
新興サービスながら配達品質や利便性にも注力しており、都市部を中心に利用者数を伸ばしつつあるDdangyo。これからの韓国フードデリバリー市場で、既存の大手アプリとしのぎを削る存在として注目されています。マーケティングの視点からも、シンハン金融の資本力を活かしたプロモーションや地域特化の戦略が展開されており、今後の成長が期待されるアプリです。
5. 배달 특급(ペダル特急 / Baedal Teukgeup)

出典:배달 특급公式サイト
Baedal Teukgeupは、韓国の地方自治体が主導して展開する公営型のフードデリバリーサービス。中小規模の飲食店を支援し、地域経済の活性化を目的として設立されたことが大きな特徴です。一般的なデリバリーアプリとは異なり、Baedal Teukgeupは加盟店や配達員への手数料を抑えることで、店舗の負担軽減に寄与しています。地元の飲食店が気軽にオンライン販売を始めやすくなり、地域に根ざした持続可能なペダル文化の形成を目指しています。
また。地域に密着したサービス展開の一環として、地域ごとの特産品や名物料理の紹介、地元イベントとの連携も積極的に実施。利用者は地元の魅力を再発見できる機会が増え、地域経済の活性化にもつながっています。配達員の待遇改善にも注力しており、公営サービスならではの安定的な雇用環境の整備を推進。サービス品質の向上とともに、地域コミュニティの発展にも寄与しています。
Baedal Teukgeupは韓国のペダル文化を地方にまで広げ、地域の小規模飲食店を支える重要な役割を果たしています。今後も地方自治体と連携しながら、地域経済とフードデリバリー市場の健全な発展を牽引していくでしょう。
まとめ
韓国では「ペダル文化」という言葉があるほど、フードデリバリーは人々の暮らしに深く根づいています。アプリごとに異なるサービス設計や利用者層の違いからは、韓国の生活者が日常で何を重視しているのか、その一端が見えてきます。現地でのリアルな消費行動やユーザーの選好を知ることは、韓国市場に進出する上で非常に重要。観光では見えない日常のトレンドを把握することは、生活者目線に立ったマーケティング戦略や商品設計のヒントになるはずです。
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