韓国で今最も支持されるアウトドアアクティビティ4選

韓国は、都市と自然が近接しているという地理的な特徴を活かし、日常生活の中で気軽にアウトドアを楽しめる国として知られています。週末になると、ソウルや釜山といった大都市からも短時間で山や海にアクセスでき、多くの人々が気分転換や健康維持のために屋外アクティビティに出かけます。近年は「ウェルビーイング」や「ワークライフバランス」といった価値観が社会に浸透し、アウトドアは単なる趣味を超えてライフスタイルの一部として定着しつつあります。
その背景には、健康志向の高まりやSNSを通じた情報共有の拡大があります。インスタ映えする風景を求めて登山に挑戦したり、ランニングアプリで仲間と記録を競ったりと、楽しみ方はますます多様化。さらにゴルフやキャンプといったアクティビティは、若年層からシニア層まで幅広い世代に浸透し、世代を超えた交流の場としても注目されています。
こうした環境の中で、どのアクティビティが韓国で人気を集めているのでしょうか。本記事では、韓国で支持を得ている代表的なアウトドアアクティビティをランキング形式で4つご紹介します。現地のリアルな余暇文化を知ることで、韓国社会の新たな一面を垣間見ることができるでしょう。
▼ランキング
(市場のトレンドをもとに)
1. 登山・ハイキング
2. ゴルフ(スクリーンゴルフ・ナイトゴルフを含む)
3. ランニング
4. キャンプ(グランピング含む)
1. 登山・ハイキング

韓国における登山・ハイキングは、単なる週末のレジャーを超えて「生活文化」と呼べるほど根強い人気を誇っています。国土の約7割を山地が占める韓国では、都市と自然が近接しており、ソウルや釜山といった大都市に住んでいても気軽に山へアクセスできる点が大きな特徴です。
首都ソウルに住む人々にとって、北漢山(ブカンサン)はまさに身近な自然の象徴であり、平日・週末を問わず多くの登山者で賑わいます。標高はそこまで高くないものの、岩山の雄大な景色と市内を一望できる眺望が魅力で、「ソウル市民の憩いの場」として長年親しまれてきました。中高年層にとって登山は健康維持の一環であり、友人や知人との社交の場でもあります。
登山服や専門用具をそろえて「本格的」に楽しむ人が多いのも韓国の特徴で、登山ブランド市場も活発に成長してきました。一方で、若年層の間ではよりライトな楽しみ方が定着しています。ハイキングコースやトレッキングルートを歩きながら写真を撮り、SNSに投稿する「登山+インスタ映え」スタイルが広がり、山歩きがファッションやライフスタイルとしても注目を浴びています。自然の中でおしゃれなアウトドアコーディネートを楽しむ姿は、新しい世代の登山文化を象徴しているといえるでしょう。
さらに韓国ならではの文化として、「登山後の食事」があります。下山後に山の麓の食堂でチヂミやサムギョプサルを囲み、マッコリを分かち合うことは、登山の締めくくりとして欠かせない楽しみの一つです。この「登山後グルメ」は登山者同士の絆を深め、また日常生活のリズムを豊かにしてくれる社会的な役割も担っています。
また、韓国政府や地方自治体も自然環境の保護と観光資源化を重視し、多くの国立公園やトレッキングルートが整備されています。四季折々の風景を楽しめるのも魅力で、春は桜やツツジ、夏は青々とした森林、秋は紅葉、冬は雪景色と、年間を通じて登山客が途絶えることはありません。
国内観光と結びつきやすいことも、登山人気を支える要因の一つです。このように、登山・ハイキングは世代を超えて親しまれる国民的アクティビティであり、健康増進、社交、観光、自己表現のすべてを兼ね備えた活動として韓国社会に深く根付いています。まさに韓国におけるアウトドア文化の象徴といえるでしょう。
2. ゴルフ(スクリーンゴルフ・ナイトゴルフを含む)

韓国においてゴルフは、近年ますます裾野を広げている代表的なアウトドアアクティビティの一つです。かつては富裕層や経営者層を中心に楽しまれる「高級スポーツ」というイメージが強かったゴルフですが、近年は一般市民や若年層にも人気が拡大し、レジャーとしての存在感を高めています。
その背景には、屋外アクティビティへの関心の高まりに加え、韓国独自のゴルフ文化や環境の進化があります。まず注目すべきは、韓国国内のゴルフ場の多様さです。国内には本格的なチャンピオンシップコースから、都市近郊で気軽に楽しめるショートコースまで数多くの施設が存在し、利用者層の拡大を後押ししています。ソウルや釜山といった大都市圏からでも数時間以内でアクセスできるゴルフ場が豊富に整備されており、週末になると家族連れや友人グループがプレーを楽しむ姿が一般的になりました。
さらに韓国ならではの特徴として、スクリーンゴルフの普及が挙げられます。シミュレーション技術を活用したインドア型のゴルフ施設は、天候や時間に左右されずに楽しめることから人気が爆発。スクリーンゴルフは若者にとって「ゴルフ入門」の場であり、友人同士での娯楽やデートの一環としても親しまれています。従来はゴルフに馴染みのなかった層にも自然と裾野が拡大、アウトドアのゴルフ場利用にもつながっています。
また、韓国は世界的なプロゴルファーを多数輩出している国としても有名です。女子ゴルフ界において韓国選手の存在感は圧倒的であり、LPGAツアーでの活躍は国内のゴルフ熱をさらに高めています。プロ選手の成功は若年層の憧れを喚起し、「自分も挑戦してみたい」という動機付けにもなっており、ゴルフ人口の拡大を牽引している要因の一つです。
健康志向の高まりもゴルフ人気を支えています。自然に囲まれたコースを歩きながらプレーすることで、運動不足の解消やストレス発散につながる点が評価され、シニア世代にとっては長く続けられるスポーツとして定着。
一方で、SNSの普及により「ゴルフファッション」も注目を集め、若い世代の新しいライフスタイルの一部として浸透しつつあります。おしゃれなゴルフウェアを身にまとい、プレー中の様子を撮影してシェアする文化は、ゴルフの新しい楽しみ方を広げています。
このように、韓国におけるゴルフは「伝統的な高級スポーツ」から「幅広い世代に親しまれるアクティビティ」へと進化を遂げました。アウトドアとしての魅力とインドア環境での手軽さを兼ね備えた韓国独自のゴルフ文化は、今後もさらなる広がりを見せていくでしょう。
3. ランニング

ランニングは、韓国でここ数年とくに人気が急上昇しているアウトドアアクティビティの一つです。日常の中で気軽に始められる手軽さと、健康維持・体力向上に直結する実用性が魅力となり、幅広い世代に浸透しています。特別な道具や高額な施設利用料が必要ないため、初心者にとってもハードルが低く、若年層からシニアまで誰でも取り組みやすい点が特徴です。
韓国では、ソウルの漢江(ハンガン)沿いや釜山の海岸沿いなど、美しい景観を楽しみながら走れるランニングコースが数多く整備されています。ハンガン公園は市民にとって定番のランニングスポットであり、昼夜を問わず多くのランナーで賑わっています。夜景を眺めながら走ることができる点は、韓国ならではのランニング文化を形成しているといえるでしょう。
また、地方都市においても川沿いや公園内にランニング専用のトラックが設けられており、都市部・地方を問わず身近にランニングを楽しめる環境が整っています。近年は、単なる個人の健康習慣にとどまらず、ランニングを通じたコミュニティ文化 も広がっています。ランニングクラブやSNSを介した「ランニングメイト」の活動は若者の間で人気を集めており、一人で走るよりも仲間と一緒に走ることで継続しやすく、モチベーションも高まります。週末には各地でマラソン大会やランニングイベントが開催され、参加者同士の交流や達成感を共有する場として定着。ランニングは単なる運動にとどまらず「ライフスタイルの一部」として認識されつつあります。
また、韓国ではスマートウォッチやフィットネスアプリの利用も盛んで、走行距離や心拍数を記録しながら効率的なトレーニングを行うランナーが増えています。デジタルツールとの親和性が高い点も、若い世代を中心にランニング人気が拡大している大きな要因です。さらに、ランニングを通じて得られる「メンタルヘルス効果」も注目されており、ストレス解消や自己管理の一環として走る人が増えています。
ファッションの観点からも、ランニングはトレンドを牽引しています。スポーツブランドによるランニングウェアやシューズが人気を集め、機能性だけでなくデザイン性も重視されるようになりました。街中でスタイリッシュなランニングコーディネートを見かける機会が増え、若者の間では「おしゃれに走る」ことが一つの魅力になっています。
このようにランニングは、健康管理・仲間づくり・ファッション・デジタル活用といった多面的な要素を融合させながら、韓国において急速に市民権を得ています。今後もランニングは、都市生活に欠かせないアウトドアアクティビティとしてその存在感を高めていくことでしょう。
4. キャンプ(グランピング含む)

キャンプは、韓国でこの10年ほどの間に急速に定着したアウトドアアクティビティの代表格です。パンデミック以降、密を避けつつ自然を楽しめる余暇の過ごし方として一気に人気が高まり、現在では家族連れから若者グループ、さらにはソロキャンプを楽しむ人々まで幅広い層に愛されています。
韓国は国土面積が比較的コンパクトでありながらも、山や湖、海に恵まれた自然環境を持っているため、週末に都市部から少し移動するだけで本格的なキャンプ体験ができる点が魅力です。キャンプ人気の背景には、政府や自治体によるキャンプ場整備の拡大も大きく影響しています。国立公園や地方自治体が運営するキャンプ場は低価格で利用でき、電源やシャワーなどの設備も充実しているため、初心者でも安心して利用可能です。また近年は、「グランピング(グラマラス+キャンピング)」と呼ばれるスタイルも広がっており、テントや寝具を用意せずともホテル並みの快適な空間で自然を満喫できることから、都市生活者や若い世代に好まれています。
さらに、韓国のキャンプ文化は 「食文化との融合」 が特徴的です。韓国人にとって食事は余暇活動の大きな楽しみの一つであり、キャンプでは焼肉や鍋料理、チゲなどを囲みながら仲間や家族と時間を共有するスタイルが主流です。SNS上でも「キャンプ飯」や「焚き火料理」といったハッシュタグが人気を集め、映える食事風景をシェアすること自体がキャンプ体験の一部となっています。
また、キャンプ用品市場の拡大も注目すべきポイントです。韓国国内外のアウトドアブランドが多様なギアを展開しており、デザイン性や機能性に優れた商品が続々登場。単なる趣味としてのキャンプから、ファッションやライフスタイルとしてキャンプを楽しむ文化が形成されつつあります。SNSでの情報発信が盛んな若年層を中心に、キャンプは「自己表現の場」としても位置づけられています。
加えて、キャンプは家族や仲間との絆を深める場としても重視されています。子どもに自然体験をさせたいという親世代のニーズに応える形で、教育的要素を含んだキャンププログラムや自然学習キャンプも普及。レジャーと教育を兼ねた価値ある活動として社会的に認知されています。
このように、キャンプは韓国において単なる余暇の一環を超え、自然体験・食文化・ライフスタイル・教育 といった多面的な魅力を融合させながら拡大を続けています。今後もキャンプ人気は継続し、韓国のアウトドアライフを象徴する存在としてますます定着していくでしょう。
まとめ
韓国では、アウトドアアクティビティは単なる余暇の過ごし方にとどまらず、健康維持やライフスタイルの一部として根強い人気を誇っています。登山やランニングのように身近で始めやすい活動から、ゴルフやキャンプといった趣味性の高いものまで幅広く浸透しており、世代やライフステージに応じた楽しみ方ができる点が大きな魅力です。
また、SNSやオンラインコミュニティを通じて情報共有や体験談が広がりやすく、流行が加速するのも韓国ならではの特徴といえるでしょう。今回ご紹介した4選は、まさに現地で実際に多くの人々が取り組み、人気を集めているリアルなアウトドア文化を反映しています。
韓国市場でのトレンドを正しく把握することは、関連ビジネスやプロモーションにおいても重要なヒントとなります。ヘルスケアやスポーツ用品、旅行・レジャー産業に携わる企業にとっても、アウトドアアクティビティの動向を踏まえた戦略立案は今後ますます欠かせない視点となるでしょう。
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