米国ミレニアル&Z世代が選ぶ投資アプリ利用率ランキングTOP8

近年、日本でも若年層を中心に資産運用への関心が高まり、NISAやiDeCoなどを活用した投資が広く浸透し始めています。かつては限られた層の取り組みと見なされていた投資も、今では将来に備える手段として一般化しつつあります。一方アメリカではその流れがさらに先行しており、特にミレニアル世代やZ世代といった若年層がスマートフォンを通じて日常的に投資に取り組む姿が定着。投資アプリは彼らの金融リテラシーや資産形成を支える重要なツールとして、生活に密着した存在となっているのです。
本記事では、アメリカにおけるミレニアル・Z世代の投資アプリ利用動向に焦点を当て、2024年第2四半期に発表された最新データをもとに利用率の高いアプリをランキング形式でご紹介します。今回はアメリカの投資関連会社Origin社による2024年の調査データを参照しました。アプリごとの特徴や人気の理由を紐解きながら、アメリカの若年層がどのような投資スタイルを選んでいるのか、その背景を読み解いていきます。
ランキング(定期的に利用している人の割合順)▼
- Credit Karma 47.40% 501人
- Chase 33.87% 358人
- Robinhood 29.42% 311人
- Fidelity 25.35% 268人
- Coinbase 22.14% 234人
- Origin 19.68% 208人
- Chime 15.23% 161人
- Acorns 13.91% 147人
※その他18.73%(198人)、計1057人の回答。なお、調査にて6位にランクインした「Mint」は2024年3月24日をもってサービス終了となり、現在は同社の別サービス「Credit Karma」に機能を統合しています。
- Credit Karma

Credit Karmaは、アメリカで多くの若者に支持されている無料の信用管理アプリです。最大の特徴は「クレジットスコア」の確認ができること。これは、アメリカでローンや賃貸契約などを行う際に重視される「信用度」を数値化したもので、将来の資金調達において極めて重要な指標です。Credit Karmaではこのスコアを無料でチェックできるほか、スコアを上げるための具体的なアドバイスや、ユーザーに合ったクレジットカード・ローン商品も提案してくれます。自分の信用状況を「見える化」しながら、賢く金融と付き合いたい若年層にとって必須のアプリとなっています。
- Chase

Chaseは、アメリカ最大手の銀行であるJPMorgan Chaseが提供する公式モバイルバンキングアプリです。預金・送金・支払い・投資・ローン申請まで、ほぼすべての金融サービスがアプリ内で完結できる点が大きな魅力。特にミレニアル世代・Z世代にとっては、UIが洗練されていて使いやすく、口座残高や出入金履歴の管理もスムーズに行えることが支持されています。投資機能(J.P. Morgan Investing)も、初心者でも少額から運用を始めることができるようになっているのがポイント。日常の銀行利用と投資をまとめて管理したいユーザーにとって、非常に頼れるアプリです。
- Robinhood

Robinhoodは、株式や仮想通貨を「取引手数料ゼロ」で売買できる投資アプリとしてアメリカの若年層に爆発的な人気を誇るサービスです。「投資は一部の富裕層だけのものではない」という理念のもと設計され、少額から始められる気軽さとシンプルな操作画面が、Z世代・ミレニアル世代に支持されています。近年では、積立投資やキャッシュカード機能、24時間取引(一部銘柄)といったサービスも強化され、初心者から中級者まで幅広く活用されています。投資デビューを考えている人にとって、最初の一歩に選ばれることが多いアプリです。
- Fidelity

Fidelityは、老舗の米国資産運用会社が提供する金融アプリで、信頼性の高さと豊富な投資オプションが魅力です。株式・ETF・投資信託・退職口座(IRA)などの長期的な資産形成をサポートしており、本格的に投資を始めたい若年層に人気があります。特に、最低投資額ゼロで始められる商品も多く、Z世代・ミレニアル世代の「小さく始めてしっかり育てる」という価値観にもマッチ。さらに、無料の学習コンテンツや投資アドバイスも充実しており、金融リテラシーを高めながら着実に資産運用を進めたい人に最適なアプリです。
- Coinbase

Coinbaseは、アメリカ最大級の暗号資産(仮想通貨)取引所が提供するアプリで、ビットコインやイーサリアムなどの主要コインの売買・保管・送金が可能です。シンプルでわかりやすいデザインにより、初めて暗号資産に触れるユーザーでも安心して利用できるのが特徴。セキュリティにも定評があり、アメリカのZ世代・ミレニアル世代を中心に「安全に暗号資産デビューができるアプリ」として評価されています。また、ステーキングや暗号資産の学習コンテンツ、報酬がもらえる「Earn」機能なども充実し、投資+αの体験を提供しています。Web3時代の入口として人気の高いアプリです。
- Origin

Originは、個人投資・金融管理を総合的にサポートするアプリです。お金の使い方や貯金、投資などを一元的に管理できる機能を提供しており、ユーザーが自分の財務状況をしっかり把握できるようサポートしています。また、日々の生活に必要な支出の管理や投資アドバイス、税金管理など、幅広い分野に対応しているのも注目ポイント。特に、将来に向けて賢くお金を使いたいという意識が高い若い世代におすすめのアプリです。シンプルなデザインで使いやすく、自分の経済的な健康を守りながら成長できるツールです。
- Chime

Chimeは手数料なしで使えるオンラインバンキングアプリです。預金、送金、ATM引き出しなど、日常的な銀行業務を手軽に行えるだけでなく、投資機能にも力を入れています。Chimeでは、投資初心者向けの自動積立投資サービスを提供しており、少額からでも資産運用をスタートできます。アプリ内で投資ポートフォリオを作成し、リスクレベルに応じて分散投資ができるため、若年層が堅実に資産を増やすための第一歩を踏み出せるツールとして人気です。これにより、将来のために賢く投資を始めたいというミレニアル世代やZ世代にとって、非常に魅力的な選択肢となっています。
- Acorns

Acornsは、自動的に少額を投資に回すというユニークなアプローチが特徴の投資アプリです。日常の買い物で支払った金額を切り上げて、その差額を自動的に投資に回す仕組みを採用しています。例えばコーヒーの金額が$3.50だとしたら、$4.00に切り上げ、その$0.50を自動的に投資に使うということです。このように、手軽に少しずつ投資を始めることができるため、投資初心者や忙しい日々を送る若者にとって、負担なく資産運用をスタートできる点が大きな魅力です。投資先はETF(上場投資信託)などに分散されており、リスクを抑えながら着実に資産を増やしていける設計となっています。
まとめ
近年、日本でも投資や資産形成への関心は高まっていますが、アメリカではZ世代やミレニアル世代が日常的に投資アプリを活用し、若いうちから資産運用に取り組む文化がすでに根付いています。今回紹介した上位アプリを総合的に見ると、使いやすさ、少額から始められる設計、リスクを抑えた運用方針といった点が重視されており、いずれも「金融をもっと身近に」「わかりやすく」「続けやすく」といったニーズに応えるサービスが多く見られました。特に投資初心者にとってストレスなく始められる工夫が共通点として挙げられます。
こうしたトレンドは、日本の金融アプリ事情と比較しても、サービスの成熟度やユーザーの投資意識の違いを浮き彫りにしています。そもそも、日本ではこのような大規模なランキングを組めるほどの投資アプリ数が存在せず、選択肢や機能の多様性においてアメリカと大きな差があります。しかしこれは裏を返せば、今後の市場成長の可能性を大いに秘めているとも言えます。アメリカ市場で先行している金融・投資関連サービスや、現地の若年層ユーザーの行動・期待値を正確に理解することは、日本市場での新規展開においても、またアメリカ市場へ参入する場合においても非常に有益な手がかりとなるでしょう。
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