日本ではまだ「VPNってなに？」という声も少なくありませんが、アメリカではプライバシー意識の高まりとともにVPNの利用が日常的になっています。公共Wi-Fiの利用時やストリーミング制限の回避、政府や広告企業からのトラッキング防止など、さまざまな目的でVPNが使われています。さらに、近年では個人情報の漏えい事件が後を絶たないことから、セキュリティ意識が高いユーザーを中心に、プライバシー保護の手段としてVPNを導入する人が増加中。企業レベルではもちろん、個人単位でもVPNが「当たり前」の時代に突入しているのが今のアメリカの実情です。
そこで今回は、2025年時点でアメリカ国内で人気を集めているVPNサービスTOP10をランキング形式でご紹介。各サービスの特徴やターゲット層についても解説していきます。今回はアメリカのセキュリティ情報サイト「Security.org」が発表しているアメリカのVPNについての資料を参照しました。アメリカ人が求めているセキュリティについてお伝えしていきます。
ランキング（人気順）▼
- NordVPN 27％
- Proton VPN 13％
- ExpressVPN 8％
- Private Internet Access 7％
- Brave VPN 7％
- Norton Secure VPN 6％
- Mozilla VPN 5％
- Surfshark 5％
- CyberGhost 4％
- Mullvad VPN 4％
※参考サイトにて3位にランクインしたGoogle One VPNは、2024年6月10日にサービスを終了したため今回は省略
- NordVPN
出典：NordVPN公式サイト
NordVPNはセキュリティとプライバシー保護に特化したVPNで、特にオンラインでの匿名性を重視するユーザーに人気です。ダブルVPNやAES-256ビット暗号化技術を提供し、インターネット上での個人情報の保護を強化します。また世界各地に5000以上のサーバーを展開しており、地域制限なく高速な接続が可能。ストリーミングサービスやP2Pファイル共有に対応しており、映画や音楽の視聴を楽しみたいユーザーにも適しています。特にセキュリティが求められるビジネスや企業利用者、またはプライバシーを最優先に考える個人ユーザーにおすすめです。
- Proton VPN
Proton VPNはスイスに本社を構える企業が提供するVPNサービスで、プライバシー重視のユーザーから支持を集めています。ノーログポリシーを採用しており、ユーザーのインターネットアクティビティを記録しない点が特徴です。また、強力な暗号化技術を使用し、トラフィックのセキュリティを確保します。Proton VPNは無料プランでも高いセキュリティを提供しており、無料ユーザーでもトラフィック制限なしで利用できるのが特徴です。インターネットのプライバシーを最大限に守りたいと考えるユーザーや、無料VPNを求める初心者に特におすすめです。
- ExpressVPN
ExpressVPNは簡単で使いやすいVPNサービスとして知られており、特にストリーミングやオンラインゲームでの使用に強いのが特徴です。5000以上のサーバーを展開し、世界中で高速で安定した接続を提供します。強力な暗号化とプライバシー保護に加えて、地域制限を回避する機能が充実しており、NetflixやHuluなどでもその機能を十分に発揮。さらにオンラインゲームやVoIP通話においても遅延が少なく、高速な接続が求められるユーザーにとって最適なサービスです。コンテンツ視聴やオンラインゲームを楽しむユーザーに加え、シンプルで効果的なVPNを求める初心者にもぴったりです。
- Private Internet Access
出典：Private Internet Access公式サイト
Private Internet Access（PIA）は、オープンソースで透明性の高いVPNサービスです。高度なカスタマイズ機能があり、特に技術志向のユーザーに人気です。トラフィックのノーログポリシーにより、ユーザーのインターネットアクティビティを一切記録しません。またP2Pファイル共有に最適化されており、大容量のファイルを安全に転送できます。さらに暗号化技術や広告ブロック機能も搭載されており、オンラインでのセキュリティを強化します。詳細な設定が可能で、技術的なカスタマイズをしたい上級ユーザーや、匿名性を確保しながらインターネットを利用したいユーザーに特におすすめです。
- Brave VPN
Brave VPNはBraveブラウザー内に組み込まれたVPNで、オンラインプライバシー保護に特化しています。広告やトラッキングをブロックしながら、安全にインターネットを利用できる点が魅力です。VPN機能はブラウザ内で簡単に有効化でき、シンプルなインターフェースで初心者でも手軽に利用できます。またBraveはトラッカーのブロック機能も持ち、ユーザーのプライバシーを徹底的に守ります。インターネットでのプライバシーを重視し、広告を排除した快適なブラウジングを求めるユーザーに適しています。特にBraveブラウザを日常的に利用している人におすすめです。
- Norton Secure VPN
Norton Secure VPNは、セキュリティソフトウェアの老舗であるNortonが提供するVPNで、特に公共Wi-Fiでのインターネット接続を安全に保つために設計されています。デザインがシンプルで誰でも簡単に利用できるため、初心者にも安心です。Nortonのセキュリティスイートと統合されており、ウイルスやマルウェアから守る総合的なセキュリティを提供。またオンラインでのプライバシーを強化し、個人情報を守ります。Norton製品をすでに利用しているユーザーや、セキュリティを最優先に考える人に最適です。
- Mozilla VPN
Mozilla VPNはFirefoxを提供するMozillaが開発したVPNで、シンプルで使いやすいインターフェースと強力なプライバシー保護が特徴です。ユーザーのオンライン活動を記録せず、インターネット接続の安全性を確保。Mozilla VPNはFirefoxブラウザとの親和性が高いため、Firefoxユーザーにとって非常に便利です。また簡単にインターネットを匿名化できるため、オンラインプライバシーを守りたい初心者にも最適です。特にMozilla製品に親しんでいる人や、簡単にVPNを使いたいユーザーにおすすめです。
- Surfshark
Surfsharkは無制限のデバイス接続を提供し、コストパフォーマンスに優れたVPNサービスです。広告ブロックやGPSスプーフィング、トラッカー対策機能など多機能を搭載しています。またセキュリティとプライバシーを重視しながらも、価格が手頃なためコストを抑えつつ多機能を求めるユーザーに適しています。家庭や複数のデバイスを使うユーザーにも最適で、家族や友人と共有して利用可能。VPN初心者から経験者まで幅広い層に支持されています。
- CyberGhost
CyberGhostはストリーミングサービス利用に最適で、特にNetflixやHuluなどの地域制限を回避するために優れた機能を発揮します。シンプルで直感的なインターフェースを提供しており、初心者でも使いやすい設計です。また強力な暗号化技術と匿名性を確保しながら、インターネットサービスを安全に楽しむことができます。簡単にVPNを導入したい初心者や、ストリーミングを楽しみたいユーザーに最適です。特に海外コンテンツの視聴を希望する人におすすめです。
- Mullvad VPN
Mullvad VPNはスウェーデンの企業が提供するプライバシー重視のVPNサービスで、匿名性とセキュリティを最優先に設計されています。ユーザー登録にはメールアドレスや個人情報を不要とし、アカウント番号のみで管理されるため高い匿名性を実現しています。料金は月額約5.40ドル（約750円）で固定されており、長期契約や割引はありませんが透明性とシンプルさが特徴です。またマルチホップ接続やShadowsocks、暗号化DNSプロキシなど、先進的なプライバシー機能を提供しています。ただしサーバー数が少なく、ストリーミングサービス利用には制限があるため、プライバシーを最優先するユーザーに適しています。
まとめ
VPNと一口に言っても、その特徴や使い勝手、対象ユーザー層は実にさまざま。アメリカでは個人情報保護や自由なインターネット利用への意識が高まる中で、VPNはますます重要な存在となっています。速度重視のユーザーもいれば、匿名性を最優先する人、ストリーミング視聴が目的の人もいて、それぞれが自分に合ったサービスを選んでいるのが現状です。どんなVPNが求められているかを知ることは、アメリカ市場やデジタルプライバシーに対する理解を深める手がかりになります。今回紹介したサービスを参考にしていただき、アメリカでのプライバシートレンドの理解を深める手がかりとなれば幸いです。
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