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Vol.03

IGNITE 越境マーケティング研究所 - Crossover Vol.03

Google I/O 2026で見えたAIコマースの未来をはじめ、AI時代の記事制作、多言語SEO、Instagram運用、Google検索プロフィールなど、海外マーケティングの最新動向と実践ノウハウを紹介します。

IGNITE 越境マーケティング研究所 - Crossover Vol.03
2026年6月10日配信

このメールマガジンは、海外マーケティングとAIの交差点から実践知をお届けする【越境マーケティング研究所】が、IGNITEのチームの現場知見をもとにお届けするレポートです。


目次

1. 近況
2. Insider Voice
3. 今週の実践Tips
4. ピックアップ記事
5. Q&Aコーナー


▼ 1. 近況

Google I/Oの話をしておきたいなと思っています。

今年のI/Oもいろいろな発表がありました。AIも面白かったのですが、Google広告の進化も面白かったです。

https://blog.google/intl/ja-jp/google-io-2026/

何が面白かったかというと、複数のサイトを横断してカートを使えるようになりそうだ、という点です。仕組みの細かいところまではまだ分からないのですが、カートを横断できるということは、いろいろなお店をまたいだ「まとめ買い」のようなことができるということ。要するに、Amazonのマイナーチェンジ版のようなプラットフォームになっていくのかな、という印象を受けました。

https://blog.google/intl/ja-jp/products/explore-get-answers/google-shopping-cart/

ひとつ気になったのは配送です。Amazonは配送がとにかく強い。一方でGoogleの場合は各店舗それぞれの配送になるはずなので、配送料が高くついてしまうのではないか、と最初は思いました。

ただ、送料無料のショップも結構あるので、案外その範囲内で収まってしまうのかもしれません。

いずれにせよ、カートというものをGoogleが握ること自体に意味があると感じています。そこを押さえることで、Googleは「AIコマース」のようなものを視野に入れているのだろうな、と。

そういう未来が少し垣間見えたのが、今回のI/Oの面白さだったと思っています。

最近は本当に誰もがAIを使うようになってきました。その先に何が起きるのかは、楽しみでもあり、正直ちょっと怖さも感じます。

「未来は怪しいもので、その怪しさの中にこそ光がある」と誰かが言っていましたが、まさにそのとおりで、この怪しいAIの周りにはチャンスがいくらでも転がっています。

いい情報を手に入れて、いい施策を一緒に打っていきましょう。


▼ 2. Insider Voice -- Yoshi, ニュージーランド出身 / IGNITE代表

*メルマガ限定コンテンツ

今号のInsider Voiceは、Vol.01、Vol.02に続いてIGNITE代表のYoshiです。AIで記事が誰でも作れるようになった今、人がやるべき仕事は何なのか。

テーマは「記事を結局どこまでチェックすべきか」です。

「記事をつくること自体は誰にでもできます。でも、出来上がったものをよく見ると、肝心なものが抜けていることがとても多い。ひとつは『意図』、もうひとつは『キーワード』です。

特にキーワードが入っていないケースが目立ちます。せっかく時間をかけて書いた記事でも、検索されるキーワードが入っていなければ、誰の目にも届かない。これは、書いていないのとほとんど同じ結果になってしまいます。

どれだけ流暢な文章を出してきても、その文章が『現地の人が実際に検索している言葉』とつながっていなければ、意味のないものになるんです。

海外への情報発信では、ここがいっそう重要になります。まずキーワードボリュームをきちんと見ること。そして、そのキーワードを翻訳のプロセスにちゃんと当てにいくこと。ここを飛ばして、日本語の記事をただ英語に訳しただけでは、現地の検索とは噛み合いません。日本語で考えたキーワードと、現地の人が打ち込む言葉は、しばしば別物です。

だから私がIGNITEで必ず確認するのは、『この記事は、現地の人が実際に使っているキーワードを調べた上で書かれているか』という点です。意味のあるキーワードと、意味のある記事。最後のチェックを人がやらないと、いくら記事を増やしても成果にはつながりません。」


▼ 3. 今週の実践Tips -- Meta Business Suiteで「最適な投稿時間・長さ」を確認する

Instagramリールのパフォーマンスを改善したいなら、Meta Business Suiteのインサイトを今すぐ確認しましょう。

Meta Business Suiteでは、過去のリール投稿ごとに「リーチ数」「インプレッション数」「視聴維持率」「フォロワー外リーチの割合」を確認できます。

特に確認してほしいのが「平均視聴時間」と「リーチしたアカウント数(フォロワー以外)」の2つです。この2つが高い投稿が、アルゴリズムに評価されているコンテンツです。

具体的な手順はこのとおりです。Meta Business Suiteにログインし、「インサイト」→「コンテンツ」→「リール」タブを選択します。期間を直近3ヶ月に設定し、「リーチ」でソートして上位5本を確認します。

その5本に共通している長さ、冒頭3秒の構成、テキストオーバーレイの使い方を分析すると、自社アカウントの「当たりパターン」が見えてきます。

Metaの公式調査では、リールは最初の3秒でユーザーの関心をつかめないと、離脱率が60%を超えると報告されています。冒頭に「問い」や「驚きの数字」を置くことが、視聴維持率を高める最も効果的な手法です。


▼ 4. SNS × AI -- Googleが「検索プロフィール」を始動。SNSのフォロワー数が検索の信頼資産になる

2026年6月4日、Googleが「Search Profiles(検索プロフィール)」を米国で公開しました。

こちらです。
https://profile.google.com/@rustybrick

これは、パブリッシャーやクリエイターがGoogle検索・Discover上に持てる「自分専用のページ」です。一見すると地味なアップデートですが、海外向けに発信する日本企業にとっては見逃せない変化を含んでいます。

まず押さえておきたいのが、この機能が「米国先行」でスタートしたことです。日本からアメリカ市場を狙う企業にとっては、本国(日本)に展開される前に、ターゲット市場の側で先に動ける数少ないチャンスになります。

検索プロフィールは、申請して自分のものとして所有すると、プロフィール画像・自己紹介・WebサイトリンクやSNSアカウント・代表コンテンツを登録でき、最新の記事・動画・SNS投稿が一覧表示される「ハブ」になります。

表示経路は3つあります。

Discover上で名前をタップする、モバイル検索のナレッジパネルに追加されるボタンから入る、直接URLでアクセスする、です。Search担当プロダクトマネージャーのIbrahim Badr氏は「検索プロフィールは、パブリッシャーとクリエイターが検索上での存在感を形づくり、オーディエンスがWeb全体で発信を追いやすくするためのもの」と説明しています。

ここで注目したいのが、プロフィールを所有できる資格要件です。Googleは「主要なソーシャル/動画プラットフォームのいずれかで相応のフォロワーを持つこと」を条件にしており、報じられている目安はYouTube・Instagram・Xのいずれかで10万人以上、またはTikTokで30万人以上です。つまり、SNSで積み上げたフォロワーという資産が、そのままGoogle検索上の「枠」を解錠する鍵になり始めた、ということです。

なかなかハードルが高いです。

SNSと検索は別物として運用されがちですが、両者がE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)という一本の線でつながり始めています。検索プロフィールの所有はナレッジパネルの生成・強化につながり、その人やブランドが「実在し、信頼できる発信者である」というシグナルを補強します。

ではなぜ、Googleは今このタイミングでこの機能を出したのか?

背景にあるのはAIと考えられます。

AI Overviews(AIによる検索結果の要約)の普及で、ユーザーが検索結果から発信元サイトへ移動しなくなり、パブリッシャーへの流入が大きく落ちています。

デジタルマーケティング企業Seer Interactiveの2025年9月の調査では、AI Overviewsが表示される検索で、オーガニックのクリック率が2024年6月から2025年9月にかけて61%低下したと報告されています(Googleはこの分析の手法には異議を唱えています)。検索プロフィールは、こうした「クリックされない検索」への代替導線として、発信者と読者を直接つなぎ直す試みと位置づけられます。

海外向けに発信する立場で、何を準備しておくべきか。3つのポイントで整理します。

(1) SNSのフォロワーを「検索資産」として捉え直す

これまでSNSのフォロワー数は、その場のエンゲージメントを生む数字でした。しかし今後は、検索上のプレゼンスを解錠する条件にもなります。米国市場向けにYouTubeやInstagramを運用しているなら、フォロワーの蓄積を「SNSの成果」だけでなく「検索での信頼構築への投資」としても評価する視点が役立ちます。

(2) ナレッジパネルとE-E-A-Tを意識した発信者情報を整える

検索プロフィールの所有はナレッジパネルの強化につながります。今のうちに、自社・発信者の正式名称、プロフィール文、各SNSやWebサイトの相互リンクといった「発信者の身元情報」を、各プラットフォームで一貫した形に整えておくと、展開時にスムーズです。AIに引用され、検索で信頼される条件は、人間向けの信頼シグナルと地続きになってきています。

(3) AI時代は「直接フォローされる関係」を持つ者が強い

AI Overviewsがクリックを奪う構造は、当面続くと見られます。だからこそ、検索やAIの要約を経由せずに読者と直接つながるチャネル ―― SNSのフォロー、そしてこのメルマガのような自社の配信リスト ―― の価値が相対的に上がっています。検索プロフィールは、その「直接の関係」をGoogle側が後押しし始めたサインとも読めます。

この一連の動きから見えてくるのは、Googleが「誰が発信しているか」を本気で重視し始めた、ということです。

AIが当たり前のように情報を生成・発信する時代になればなるほど、その情報の「発信者が誰なのか」が逆に重みを増していきます。コンテンツそのものはAIで無限に複製できても、「誰が言っているか」は複製できないからです。結果として、ネット上で影響力を持つ人 ―― いわゆるインフルエンサー ―― が、さらに影響力を発揮しやすくなる流れが強まっていくでしょう。

だからこそ、今から情報発信を始めておくことをおすすめします。最初は誰にも見られなくても構いません。

大事なのは、発信する習慣を持っている人・企業であること。その積み重ねが、フォロワーという資産になり、やがて検索やAIの上での「信頼される発信者」という立場につながっていきます。AIが書ける時代に、人が問われるのは「何を、誰として、発信し続けるか」です。

出典: Google "A new profile to help publishers and creators highlight their work on Search"(2026年6月4日)
https://blog.google/products-and-platforms/products/search/a-new-profile-to-help-publishers-and-creators-highlight-their-work-on-search/

出典: Seer Interactive 調査(Varietyによる報道, 2026年)
https://variety.com/2026/digital/news/google-search-profiles-creators-publishers-ai-results-1236766526/

出典:Google Search Profiles: Publisher Profile Pages Officially Live
https://www.seroundtable.com/google-search-profiles-publisher-41447.html


▼ 5. Q&Aコーナー

越境マーケティング研究所への質問を募集しています。

海外マーケティング、AI活用、多言語SEO、広告運用など、越境ビジネスに関するご質問をお寄せください。

宛先: [email protected](件名に「Q&A」とご記入ください)
(400文字以内 / お一人様月1問まで)

全てのご質問に必ずお答えできるわけではございませんが、いただいた質問は本メルマガ内で順次回答いたします。

Q.1
海外向けのSNSアカウントは、英語1つにまとめるべきでしょうか? それとも国別にアカウントを分けるべきでしょうか?

A.
ターゲット市場が1〜2ヶ国に絞れているなら、国別にアカウントを分けることをお勧めします。複数市場に同時展開したい、かつリソースが限られているなら、英語1アカウントで始めてから分割する順序が現実的です。

理由はInstagramのアルゴリズムにあります。アルゴリズムは投稿の言語を判定し、その言語を主に使うユーザーへ優先配信します。英語で投稿すれば英語圏ユーザーに届きますが、スペイン語圏やフランス語圏のユーザーにはほとんど届きません。逆に、1アカウントで英語・スペイン語・日本語を混在させると、「誰向けアカウントか」の判定が曖昧になり、全方向でリーチが落ちる傾向があります。

ただし、アカウントを分けると運用コストも増えます。投稿頻度を維持できない分割アカウントは、1つの活発なアカウントより効果が低い。まず英語1アカウントで週3投稿を継続できる体制を作り、特定市場での反応が良ければその言語でサブアカウントを立ち上げる、という段階的なアプローチが現実的です。

Q.2
Instagramのフォロワーを海外で増やすにはどこから始めればいいでしょうか? アパレルブランドで現在フォロワーが約500人です。

A.
まずリールに集中してください。フォロワー500人の段階で最もコスパが高い施策は、フォロワー外へのオーガニックリーチが最大化されるリールです。

ここでひとつ、強くおすすめしたいことがあります。リールは外注せず、自分たちで作りましょう。立ち上げ期に外注するとコストが高くつきますし、そもそも外注先に渡せる素材(撮影データやブランドの世界観)がまだ十分に揃っていないことがほとんどです。最初はうまく伝わらなくても構いません。自分たちの手で、数をこなしながら作っていくことが、結果的にいちばんの近道になります。

具体的な進め方として、まず自社のターゲット市場でフォロワーが1万〜10万人の中規模アカウント(競合や補完ブランド)を10〜20アカウントリストアップしてください。その中から、フォロワー受けが良い、インプレッションが高い、視聴回数が多い ―― そうした「伸びているリールのフォーマット」を見つけます。リールの長さ、冒頭の構成、使っている音楽、テキストの置き方に注目し、それと同じような型のリールを、自分たちで作ってみることをおすすめします。

次に、そのパターンを参考に投稿します。インサイトの「フォロワー以外へのリーチ」が増えてきたら、アルゴリズムに評価されているサインです。

完璧な動画を1本作るより、型を真似た動画を数多く出して、自社の「当たりパターン」を見つけにいく方が、この段階では効果的です。

もう一つ重要なのが、投稿後の最初の60分の対応です。自分の投稿にコメントが来たら必ず返信し、同じターゲット層のアカウントに積極的にコメントを残す。アルゴリズムは「エンゲージメントが活発なアカウント」を優遇するため、投稿後のコミュニケーションが初期リーチを大きく左右します。


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